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誰も教えてくれない「再委託」のカラクリ(その1) ― 「再委託」はなぜ禁止?BUNさんの「元・行政担当者が語る 廃棄物管理のイロハ」

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ときおり、「廃棄物の処理は再委託してはいけないのですか?」との質問を受けます。再委託があるケースとしては、例えば 、排出事業者から委託を受けた処理会社が、自社の処理施設が故障したとか、点検をしているといったやむを得ない場合が考えられます。また、今回の震災復旧に当たり、一般廃棄物処理の再委託が話題になっていますので、今回はこの「廃棄物の再委託」について、改めて考えてみましょう。

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「再委託」はなぜ禁止されている?

再委託が原則として禁止されているのは、廃棄物処理業者は、委託を受けた廃棄物の処理を自ら行うことを前提として許可を受けているものであり、その処理業務を更に他人に委託することは、許可制度の趣旨からして望ましいことではないこと、更に、排出事業者から委託された廃棄物が転々と再委託を重ねることは、その処理について、責任の所在を不明確にし、不適正処理を誘発するおそれがあるから、という理由です。

廃棄物の横流しや処理の丸投げが行われないように、処理業者の能力をそれぞれ確認した上で、必要な処理を適正に行う能力を持った業者と直接契約を結ぶことが要求される訳です。

廃棄物処理法の条文ではこう規定されている

現時点の法令上の結論から言えば、再委託は「一般廃棄物は例外なく禁止、産業廃棄物は"原則的"には禁止」とされています。 実際の条文を見てみましょう。

区分規定条文要旨
一般廃棄物 排出事業者:
許可業者に委託しなければならない
法第6条の2第6項 事業者は、(中略)その一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については(中略)一般廃棄物収集運搬業者(中略)に、その処分については(中略)一般廃棄物処分業者(中略)にそれぞれ委託しなければならない。
処分会社:
「処分」を委託してはならない
法第7条第14項 一般廃棄物収集運搬業者は、一般廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を、一般廃棄物処分業者は、一般廃棄物の処分を、それぞれ他人に委託してはならない。
収集運搬会社:
「収集運搬」と「処分」を委託してはならない
産業廃棄物 排出事業者:
許可業者に委託しなければならない
法第12条第5項 事業者(中略)は、その産業廃棄物(中略)の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については(中略)産業廃棄物収集運搬業者(中略)に、その処分については(中略)産業廃棄物処分業者(中略)にそれぞれ委託しなければならない。
処分会社:
「処分」を委託してはならない。ただし、政省令で規定する場合は例外がある。
法第14条第16項 産業廃棄物収集運搬業者は、産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を、産業廃棄物処分業者は、産業廃棄物の処分を、それぞれ他人に委託してはならない。ただし、事業者から委託を受けた産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を政令で定める基準に従つて委託する場合その他環境省令で定める場合は、この限りでない。
収集運搬会社:
「収集運搬」と「処分」を委託してはならない。ただし、政省令で規定する場合は例外がある。

今回のテーマに直接関係しない部分は相当「中略」させていただきました。 実は、条文上は「再委託」という文言は出てきません。収集運搬を委託された人が、その委託された収集運搬を委託することが「再委託」となる訳です。「処分」についても同様です。

一般廃棄物と産業廃棄物の条文を比較して、明確にわかることは、産業廃棄物には「ただし」書きがあるが、一般廃棄物には「ただし」書きは無い、ということです。したがって、一般廃棄物は「例外なく再委託は禁止」となる訳です。

なお、廃棄物処理業を営んでいる会社でも、たとえば運送業や建設業等、違う商売をあわせて行っている会社もあります。こういった会社では、自社からも廃棄物は発生します。その場合は「収集運搬業者」「処分業者」の立場ではありませんから、その廃棄物については他の処理業者に処理を委託することは可能です。

あくまでも、他の排出者から委託された廃棄物を、頼まれた自分がやらずに他者にやらせることが「再委託」となる訳です。 産業廃棄物で「再委託」が例外として認められる政令、省令のケースは次回以降見ていくことにしましょう。

なぜ一般廃棄物には「ただし」書きがない?

さて、一般廃棄物と産業廃棄物でなぜこのような違いを設けているかという点については、一般的に次のように言われています。

「一般廃棄物は産業廃棄物と比較すると、生活に密着したものであり、そもそも市町村に処理責任がある。そのため、処理ルートも同一市町村内という狭いエリアで完結し、市町村が策定する一般廃棄物処理計画の中で行われるものである。したがって、広範囲で移動する産業廃棄物とは異なり、再委託が必要となるケースは考えにくい」

と、言うことのようです。

しかし、今回の大震災で災害廃棄物が大量に発生してしまいました。災害廃棄物は、その発生に「事業活動が伴わない」ことから、一般廃棄物に区分されてしまいます。平常時発生する一般廃棄物とは、質も量も違い「生活に密着したもので、処理ルートも同一市町村内という狭いエリア処理が完結」とはいかないことから、特別立法で災害廃棄物については、再委託が認められる制度も作られたようです。

次回は少々マニアックな話になりますが、産業廃棄物の「再委託」が例外として認められるケース等を解説します。(第2回へ続く)

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執筆者プロフィール

長岡 文明 (ながおか ふみあき)
株式会社アミタ持続可能経済研究所 特別顧問

山形県にて廃棄物処理法、廃棄物行政、処理業者への指導に長年携わり、行政内での研修講師も勤める。2009年3月末で山形県を早期退職し、廃棄物処理法の啓蒙活動を行う。廃棄物行政の世界ではBUNさんの愛称で親しまれ、著書多数。 元・文化環境部循環型社会推進課課長補佐(廃棄物対策担当)

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