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コラム

最終回:将来に禍根を残さない土壌汚染対策をするために知って得する、土壌汚染の新常識

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これまで、君津システムによる土壌汚染対策技術や事例についてお伝えしてきました。今回はその総括として今後皆様が土壌汚染対策を進めていく上でぜひ念頭においていただきたいことをお伝えしたいと思います。

まずは正しい調査ありき

土壌汚染対策法や指針に準拠することは、ある意味正しいのですが、環境地質学的な観点から土壌汚染を解決することを考えると、必ずしも正しいとは言えません。土壌汚染は大地の病です。土壌汚染対策法に示されているような手法でマニュアル的に取り組んでも、様々な要素が複雑に絡み合っている土壌汚染という現象を解決することはできません。

土壌汚染対策に本当に必要なのはマニュアルではなく、サイエンスに裏付けられたプロセスと状況に応じた運用が可能な技術群です。土壌汚染対策法通りにやったから正しいとはなりませんし、それは致命的なミスにつながりかねません。

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つまり、土壌汚染対策の成功と失敗を決めるのは、調査の質です。正しい調査により汚染の状態を正確に把握することが全ての始まりとなります。汚染の状態が把握できれば、最適な浄化システムの設置と運用ができます。

しかし、一般的な傾向として、浄化対策技術に関心が向きがちになって調査に重点を置かなかったり、土壌汚染対策法が全てだと思い込んでいたり、調査精度と検出感度の意味を取り違えていたりしているので、結果的に汚染が浄化できずに問題解決が先送りなっている事例を数多く見て来ました。

同じ過ちを繰り返さないために

土壌汚染対策を考える上で、最も重要なことは適切な事業者を選ぶことです。それは「自社が保有する技術だけにこだわらず、汚染の状況を正確に見極め、最も短い時間で最良の結果を得られるような技術を、多くの選択肢の中から選択し、運用する能力」を持っている業者を選ぶということです。今こそ終わりの見えない浄化対策に終止符を打ちましょう。

去る2月22日に東京にてセミナーを開催させていただきました。今後のご参考になれば幸いです。定員オーバーになるほど多くの皆様にお申込をいただき、お断りさせていただいたお客様には大変申し訳ございませんでした。当日は皆様それぞれの立場でご参加され、具体的な質問もいただきありがとうございました。また、機会を見てお伝えしていければと思います。長い間ご愛読いただきましてありがとうございました。

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執筆者プロフィール
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鈴木 喜計 (すずき よしかず)
君津システム株式会社
代表取締役

1973年君津市役所に入所。31年間公害問題の調査研究・技術開発に従事し、土壌・地下水汚染の調査手法や浄化技法の開発・検証・普及に努める。
いままでに実施した地質汚染調査・浄化の実績は海外を含め100件を超え、240もの学術論文/研究発表、13巻の著書(共書)を持つ。その専門性が認められ、平成9年に起こった日本初の地下水汚染事件での鑑定人や平成14年土壌汚染対策法での国会参考人を担当、土壌環境基準設置委員(環境省)、廃棄物処理法改正委員なども歴任した。平成16年に「君津システム株式会社」を起業し現在に至る。

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