創資源対談第3回:全体として効率的・効果的なしくみを作る視点で | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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コラム

創資源対談第3回:全体として効率的・効果的なしくみを作る視点でセメント新聞社共催特別企画:創資源対談

この度、アミタグループは、セメント新聞社と共同で、排出事業者、セメント業界、自治体、中間処理会社のそれぞれの立場から、セメントリサイクルの可能性と課題等を対話する「創資源対談」を実施いたしました。業種や立場を超え「創資源ネットワーク」を形成する一員として、セメントリサイクルのあり方とリサイクルに関する法律のあるべき姿を考えます。

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構築したしくみを社会に対して情報発信することで、
できない理由を言えないように
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松岡氏:下水汚泥のセメント資源化は北九州市が最初でした。下水汚泥あるいは上水汚泥で自治体の施設から排出されるものの前処理は自治体で行うことが望ましいという考え方があるようですが、疑問です。自治体が行うことであれば安心だとの考え方があるようですが、すでに施設・ノウハウを有した中間処理業者がいるのであれば、新規に設備投資するよりも委託した方が良いと思います。中間処理業者をもっとポジティブにとらえて、適切に対応してくれるセクターを公共機関も積極的に活用すべきでしょう。

通常の製品であれば物流システムの構築等も利害関係者が協議すると思いますが、廃棄物だけは特殊な世界で排出元、行政、セメント工場、中間処理業者それぞれのセクターの枠内だけで物事を考えているように感じます。セメント資源化のサプライチェーンとしてそれぞれの立場を超えて効率的方法を見出すようにすべきです。とくにセメント業界は今やセメント工場は社会基盤であることをもっと堂々と訴えて、サプライチェーンさらに社会に対して積極的な働きかけをしていただきたいと思います。

藤原:物流に関して言えば、一般的な製品と異なり、廃棄物は混載ができません。物流コストあるいは処理費用といった経費をできるだけ抑えたいというのが排出元の考えだと思います。われわれの立場でもいろいろな廃棄物を効率的に集めることができれば良いのですが、規制もあって難しいのが実情です。

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駒形氏:排出事業者の立場としては中間処理業者がいろいろな事業場を回って集めていただくことは望ましい対応だと思います。実際に廃油等に特化してそうした取り組みをしている業者もあるようです。しかし情報の入手が難しいという問題もあります。
藤原:情報の入手が難しいというのは情報提供そのものが少ないということだと思われます。先ほど松岡様が言われたように特殊な世界なのでしょうか。

松岡氏:少なくとも世間はそう見ていると思います。リサイクルと奇麗事を言っていても、頭の片隅には廃棄物に対する偏見があるのでしょう。そうした考え方を取り払ったときに、非効率なシステムとなっていることに気づくと思います。確かに適性を欠いた中間処理業者もいるようですが、ほかの業界でも不適正な会社はあるように廃棄物処理業だけに限った問題ではありません。むしろ良質なところと組んで、あるいはそうした会社を育てて一緒にシステムを創造するという発想に改めねばなりません。廃棄物全体では容易にできるものではありませんが、小さいものでもまずシステムを作り上げるべきではないでしょうか。構築したしくみを社会に対して情報発信することで、できない理由を言えないようにすべきです。

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中尾氏:先ほど廃棄物を原燃料に利用して製品をつくっていると申し上げましたが、これは社内の若手に対しても強調していることです。廃棄物を使っているから工程管理がうまくいかないといった理由は成り立たない、少量成分も的確にコントロールする必要があるという認識を持つようにさせています。同時に地域住民の方々にも原燃料として利用している廃棄物すべての情報を開示するようにしています。松岡様が言われたように廃棄物活用に関しては偏見もあり、少しでも隠すとよからぬ事をしているのではないかと疑心を生じさせてしまいますから。

工場単位で受け入れ基準や製品品質を住み分けしてはどうか?

松岡氏:北九州市はエコタウン事業を進めていますが、情報開示が基本です。有害物であっても適正に管理していれば恐れる必要がなく、むしろ情報開示を自らに課すことによって気合も入ります。利害関係者が同じデータを基に議論できますし、現場見学の要望にも対応しています。

ところで日本のセメントは高品質と認識しています。素人考えで申し訳ないのですが、高品質を確保するための品質管理は日本の技術力の高さを示す部分ではあるのでしょうが、ロットによってもう少し品質レベルを落とすことはできないのでしょうか。確かに構造物の建設に使用するセメントは高品質なものが求められますが、擬木等の材料となるセメントはそれほど高い品質は必要ないと思います。

中尾氏:セメントの品種ごとにJISで圧縮強さ等が規定されており、さらにセメント工場ではJIS規格を満足するために高めの値を設定しています。これを下げることは難しく、またセメント製造設備は大量生産に適応しており、品種を増やし小ロット生産する事は難しいのが実情です。貯蔵設備等も少品種大量生産に対応したものとなっています。

松岡氏:廃棄物を活用する上で少量成分等を取り除く必要があるとして、セメントの品質をもう少し落とせば10かかるコストを5程度に落とすことも可能なのではないかと思ったからです。スポット的な対応ができるのかと考えたのですが、難しいようですね。

しかし工場単位での住み分けも考えるべきだと思います。廃棄物の側にセメント工場を合わせるというくらいの発想があっても良いはずです。

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藤原:震災がれきの有効活用では、消波ブロック等ローグレードのものに使うといった検討も行っていますが、確かにサイロ一つとっても、通常使用する材料と異なるものをいかに貯蔵するかを考える必要があります。当社アンケートではエコセメントの用途先公開を求める意見がありましたが、エコセメントのように専用工場を設ける考えはセメント業界にあるのでしょうか。

中尾氏:いまのところはありません。

松岡氏:セメント工場は経営を維持するための一助として廃棄物を受け入れているのでしょうが「これが我々の仕事」と認識を新たにしてもはやセメント資源化で攻めの姿勢を示すべき時期に来ていると思います。廃棄物のセメント資源化での付加価値を高める策を考えるべきです。

藤原:「こういう具合にしてもらえれば、もっとセメント原料として活用できる」というような提案はセメント工場からあるのでしょうか。

駒形氏:いまのところはありません。わたしたちの側から働きかけていないということもありますが、もっとコミュニケーションの機会があれば、そうした要望に対応して設備を新たに設けるということも考えられると思います。

中尾氏:セメント工場に「こういう廃棄物がありますが使えますか」という問い合わせがあり、各工場の基準にあわせて使えるかどうかを判断しているのが実情です。工場あるいは中間処理業者で前処理することで使うようにすることはありますが、排出元に働きかけることは少ないと思います。

松岡氏:資源を活かすというだけでなく、CO2排出削減という観点でもセメント資源化は大きな価値を持っています。資源循環はCO2排出量を指標にすると分かりやすく、北九州のエコタウン事業ではバージン材料使用に比べて年間四十数万tのCO2排出量削減を実現しています。

中尾氏:セメント協会でも、通常の焼却・埋め立て処理に対するCO2排出削減効果等は行政に説明しています。

松岡氏:行政に説明するだけでなく、排出元にも説明する必要があります。

(つづく)

関連情報
プロフィール
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写真 左より
松岡 俊和 氏 : 北九州市 環境局長
駒形 勝  氏 : JX日鉱日石エネルギー株式会社 根岸製油所環境安全グループアシスタントマネージャー
中尾 正文 氏 : 一般社団法人セメント協会生産・環境委員長代行 住友大阪セメント株式会社取締役専務執行役員
<ファシリテーター>藤原 仁志 : アミタホールディングス株式会社 常務取締役

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