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コラム

東大院生レポート第9回:子どもとともに外へ出よう!フィールドは地域から海外まで長濱さん@東大院生レポート

nagahama9-001.jpg梅雨が明け、学校では夏休みが始まりました。学齢期の子どものいる世帯では、1か月以上もある夏を子どもとどう過ごすかは、楽しみであるとともに悩ましい課題でもあります。特に仕事も家事も育児も(さらに介護が追加される場合も)忙しい女性にとって、子育てとともに、どうやって多くのことを両立させて自分の時間を確保するかは、大きなテーマの一つと思われます。事例をみながら、子どもとの貴重な時間の過ごし方を考えてみましょう。

写真1:信州大学志賀自然教育園の樹林地(こちらからは林内の最新画像とライブ音が配信されています:http://cf4ee.nenv.k.u-tokyo.ac.jp/drupal7/otanomo_live

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地域のイベントに参加する、あるいは自分で発信する

nagahama9-002.jpgまずは地元の公園を散歩して、暑い夏はプールへ。さらに地域の博物館・科学館や公共機関のイベントに参加するというのは、気軽にできることと思います。またインターネットなどを探すと、地域の研究機関等がイベントを開催しています。

参考:
◇森林総合研究所が「子ども樹木博士」と「昆虫教室」を開催
◇中部森林管理局は「夏休み!子どもふれあいDAY」ジェットシューターやネイチャークラフト、竹木丸太切り、マイ箸づくりなどの体験イベントを開催  
※関連記事1)2)参照

こうしたイベントはすぐに満員になったり、仕事で行かれなかったりします。そこで仲間うちでグループを作成しての集まりや、パワーがあれば自分でイベントを開催することも可能です。私の場合、子どもが幼児の時は、ママ友だちで「ハローキッズ」という育児サークルを作り、毎月定期的に親子で遊ぶイベントを開催していました。また市の消費生活モニターの経験から、そのOBメンバーに声をかけて「おいしんぼの会」を組織し、ベテラン主婦が集まり、広報に掲示を出して、料理教室や整理収納の講座などを開催したことがあります。

写真2:おいしんぽの会でのエスニック料理講習会。TV局の取材もありました!

山や海で自然体験

nagahama9-003.jpg都市に住んでいると、山や海などで自然に触れる体験が必要な方も少なくないと考えます。コンクリートのビルの校舎にいて、鉄筋コンクリマンションに住む私は、森林を見て癒されるので、週末など可能であればいつも山林のある地域へ出かけたいと思っています。

半日の時間があれば、地域の樹林地や公園を探してハイキングするのは簡単ですし、終日あれば山で登山&ハイキングや、海で泳ぐとともにビーチで散策も可能です。お子達と自然とともに親しみ、大いに遊ぶ経験をして、自然体験型の学び(遊び)を蓄積されますように。また長く距離を歩くことは、脳の発達を促す研究成果も出ています。

写真3:宍塚大池の蓮

子どもとともにホームステイ&短期留学

nagahama9-004.jpg1週間、会社や学校を休むことができたら、国内外へ出ませんか?日常とは異なる地域で生活して得る学びは、経験を豊かにして、複眼的思考を身につけることを可能にします。

①日本国内
私の保育園の時の友人は、息子と娘を連れて、北海道の漁村や九州の離島で、短期留学を母子で体験してきました。彼女は看護師であり、全国どこでも仕事があることが強みであったといえます。特に北海道の生活はすばらしく、最後はご主人まで転職してこられたエピソードもあります。また子どもだけで、国内留学する仕組みを創出している地域や学校もあり、特に中学生以上はそうした制度(私立学校へ進学や、公立学校への地方自治体による受け入れ制度)が整っているようです。

②欧米諸国(英語圏)
夫の海外転勤を期待しつつもそれが叶わなかった私は、子どもを連れて留学をしたかったのですが、長期は無理でしたので、数週間の短期留学やホームステイをアメリカ、オーストラリアなどで体験しました。サンフランシスコでは、4歳と1歳の子を連れてゴールデンゲイトブリッジを歩いた経験を、大学生になった長男は今でも覚えています(体験談は関連記事3)参照)。母子ホームステイを支えてくれたのは、「カンガルークラブ」という、これも母子留学&ホームステイをめざすママたちの組織でした。残念ながら、その組織とミニコミ誌は数年前になくなってしまったのですが。

③アジア諸国
息子たちの保育園や小学校では、中国、フィリピンなど近隣のアジア諸国から仕事に来ていた友達が何人もいました。帰国するときにアドレスを交換して、今でもやりとりがある友人が何人もいます。そうしたお友達の国を訪れ、お友達のおうちにホームステイさせていただくことは可能です。アジア諸国は飛行機にて数時間で行かれるので、他にも、韓国、台湾、インドネシア、シンガポール、ベトナムなど、子どもとともに、友人を頼るなどして、各国に滞在しました。私の仕事のお給料は、子どもたちとの海外ホームステイに投じてきたといっても過言ではありません(笑)。

④非英語圏、開発途上国
悔いが残るのは、途上国のくらしを息子たちとシェアすることができなかったことです。私の尊敬する科学者の一人、デイビット・スズキ博士は、小学生の娘を連れてブラジルのアマゾンに滞在したそうです。娘のセバンは飛行機から森林が焼かれる光景をみて、人間がアマゾンの森を破壊していることに憤り、1992年、12歳でリオでの環境サミットで環境問題について講演したことは有名です(講演の様子は「関連記事」4)参照)。 多様な経験は、子どもの人生を広げます。英語圏に限らす、知り合いがいれば頼りにして、世界中のさまざまな場所へ出かけることをお勧めします。

写真4:オーストラリアへの親子留学で。台湾人の友人と長男。

情報を入手&発信するために重要なこと

子どもは思春期に入って自己主張が強まると、親と一緒に外出してくれる機会が減るので、外出に同意をしてくれるパートナーとともに、連れの子どもが存在してこそ成り立ちます。また情報を入手し発信するための地域ネットワークも大切ですので、日ごろから忙しくても家族や地域と連絡を取り合い、必要とされる時に相互に助け合える関係を構築しておくことが肝となります。仕事が忙しいからと手をぬかず、ソーシャルメディア等の活用とコミュニケーションの密度を高め、家族と地域を大切にすることが、結果として助けられて自分の時間の創出につながると考えます。

子どもとともに学べる時期は限られています。たくさん遊んで、たくさん学んでくださいね。

プロフィール

nagahama_pro.jpg長濱 和代(ながはま かずよ)氏

東京都の小学校教員をしていた2006年に、国際環境NGOアースウォッチによる途上国の森林プロジェクトに参加して、地球環境の劣化を目の当たりにして以来、環境教育の可能性を模索中。2013年3月に筑波大学大学院生命環境科学研究科で環境科学修士。同年4月から東京大学大学院・新領域創成科学研究科博士課程に在籍中。

<研究テーマ>
海外の研究調査地は北インド・ヒマラヤ山麓に位置するウッタラーカンド州で、住民参加による森林管理の事例として森林パンチャーヤトを研究している。インドは今後世界中で最も多い人口を抱え、経済的かつ地球環境的変化を遂げる国の一つとして注目している。

【関連記事】
1)国立開発研究法人森林総合研究所 「子ども樹木博士」&「昆虫教室」
www.ffpri.affrc.go.jp/event/2015/20150725jumoku/index.html
2)中部森林管理局は「夏休み!子どもふれあいDAY」
http://www.rinya.maff.go.jp/chubu/press/kouhou/150701_1.html
3)長濱さんのカリフォルニア サンディエゴでの親子留学体験談
http://www.ksi-sd.com/taiken1.htm
4)セヴァン・カリス=スズキ/リオサミット「伝説のスピーチ」
https://www.youtube.com/watch?v=N0GsScywvx0

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