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廃棄物処理法はこうやって学ぶ!:その2「廃棄物処理法法令集」の使い方BUNさんの「元・行政担当者が語る 廃棄物管理のイロハ」

book-pages-bookcase-browse-415071.jpg本コラムでは、BUNさん流、廃棄物処理法の学び方をお届けしております。
今回は、廃棄物処理法を学ぶ上で避けては通れない「法令集」の読み解き方を解説します。

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おさらい!法律-政令-省令の関係性

まずは、法律の成り立ちについて見てみましょう。法律の下に、政令と省令(それぞれ、「施行令」「施行規則」とも言います)があり、これらは大抵の場合、連動しています。

▼法律-政令-省令の概要

法律

  • 国会で決議され、「国民のルール」として全ての国民に適用される。
  • 多くは罰則も規定されているため、これに違反すると懲役刑や罰金に処せられることがある。

政令
(施行令)
省令
(施行規則)

  • 政令は閣議決定されたルールであり、省令は所管大臣の決裁で定められたルールである。
  • 政令と省令では罰則を決めることは、原則的できない。

法律を制定するためには、国会議員の先生方の賛同が必要となります。そのため、法律では、細かな、テクニック的なレベルまでは規定しないのが通例です。そこで、これらを補完するために政省令が制定されます。まぁ、ざっくばらんに言えば、「法律だけじゃ大雑把すぎてわからないから、政省令で解説している」ということでしょうか。

また、「罰則」という点も非常に重要なポイントです。政令と省令では罰則を決めることは原則的にできませんので、廃棄物処理法の政省令(政令と省令をまとめて言う言葉)でも罰則は規定されていません。だから、政令や省令に従わなくとも、それだけを理由に刑罰を受けることはありません。

しかし、そうなるとどうでしょうか、強制力が伴いませんから、「政省令には従わない」という輩が登場してきます。そこで、こういった事態を防ぐために、大抵、政省令は法律を受ける形を取っています。例えば、「省令第◎条違反は、すなわち、法律第▲条違反であり、したがって罰則第◇条の対象になる」といった規定の仕方をしているんですね。そして、関係性を読み解くことが非常に重要です。その際に役立つのが法令集です。

必須アイテム!三段対照法令集

sandantaisyo-2.jpg法律-政令-省令を関連づけて、対照できる書籍が求められることになりますが、それが「三段対照廃棄物処理法」なんです。
一番上が法律、二段目が政令、三段目が省令となっており、これを活用すると、あちこちの頁をめくることなく関連条項が一覧できるので非常に便利です。

現在、この三段法令集は日本環境衛生センター版やJW(日本産業廃棄物処理振興センター)版などいくつかの出版社から刊行されています。ただ、そもそも、同じ法令を上中下段三段に対照したものですから、どちらでも大差はありません。
最近では、廃棄物処理法の中で頻繁にされている「準用」「読み替え」について、これらにより「文言を置き換えた表現まで」参考に掲載しているものもあり、重宝している人もいるでしょう。

勉強法のコツその1:どこに何が書いてあるかを理解する

勉強方法のコツは2点あります。まず一つは、実務に応用するためには、何条にどのようなことが書いてあるかをある程度理解することが重要だという点です。法令集の最初に見出し文がありますから、そちらを参考にしてください。

勉強法のコツその2:法令集を買い替えない?

廃棄物処理法は頻繁に改正が行われます。政省令も含んだ些細な改正まで含めれば、毎年のように改正が行われています。三段法令集は現在では1冊5,000円位しています。さすがに、これを個人として毎年購入するのは大変でしょう(職場としては、改正の度に一冊は揃えておいていただきたいのですが)。しかし、改正の度に買い換える必要はないと私は考えています。いえ、むしろ「買い換えはせずに、そのまま使い続けて欲しい」のです。では、どのようにすればよいのか。

190528_image02.jpg国は、法令を改正したときには、必ず「新旧対照表」という資料を提示してくれます。廃棄物処理法に関しては、環境省のWebサイトに掲載されますから、それをダウンロードして、文字の大きさを三段法令集と同じレベルに縮小印刷をしてください。そして、新旧対照表から切り抜いた改正条文を、該当する箇所に貼り付けるのです。

写真:BUNさんの勉強法事例

こうすることにより、単に新旧対照表を見て「この条項がこう改正されたんだ」というレベルでは無く、これに関係する前後の条文、さらにこれに関係する上下(つまり、法律、政令、省令)の改正されなかった条項との関わりも確認することができるんです。

「AIの世の中でなんとアナログな」と思われるかも知れません。しかし、私の経験ではこの手法が一番廃棄物処理法の勉強、知識の継続になるのです。折角手に馴染んだ法令集を手放すのはもったいないです。私個人は、毎年新しい法令集もいただいておりますが、法令改正が行われた場合は、必ずこの作業をやり、改正事項を確認するようにしています。

法律-政令-省令を理解したら、通知を理解する!

廃棄物処理法の勉強も相当進んできて、法令集の使い方に慣れてきたとしましょう。
しかし、前にも書きましたが法令の条文を読んだだけでは、現実には何をどうやってよいかわからないというケースも出てきます。そんな時に参考になるのが「通知」です。
私は通知には大きく2種類があるなぁと感じています。

▼2種類の通知

施行通知
  • 法令を制定したり、改定したときに発出される。
疑義照会回答通知
  • 自治体等からの照会を受けて発出される。

「施行通知」は、「今回、こういうルールを作ったから、こういうふうに運用してね」というものですね。最近の改正は必ずといっていいほど、施行通知は出されますから、最近制定された条文については、その時に発出された通知を参照するべきでしょう。

「疑義照会回答通知」は、「法令に基づいて、このように運用してきたけれど、これでいいんでしょうか?」「この度、このような裁判がなされるようですが、どのように解釈するべきなんでしょうか」という自治体等からの照会を受けて発出されるものです。
例えば、廃タイヤに関する問題が発生した際には、「平成12年7月24日衛産95号 野積みされた使用済みタイヤの適正処理について」という通知が出されています。
最近は、地方自治が進み、法律という制度の設計者である国自身がなかなかはっきりしたことを言わない時代になってしまいましたが、時折出される疑義回答、過去における疑義回答通知は実際に起きた事案についての解釈なだけに、具体的で使い出がある通知です。

通知の調べ方とは?

190528_image03.pngでは、通知はどのように探すとよいでしょうか。現在はインターネットが進み、ポイントとなる「文言」で検索をかければあっという間に数多くの文献、通知が出てくるようになりました。

ただ、これは私の個人的な感覚かも知れませんが、そうやって調べたものは「単発」で「底が浅い」、したがって応用が利かないような気がします。やはり、その通知に関係する法令の条文やその通知が発出された背景などを併せて勉強しておきたいものです。この伝統的な勉強資料は「廃棄物処理法の解説」(日本環境衛生センター)です。

私も携わっていますが、本書の方針としては、「定説になっていないことを記載する訳にはいかない」ことをモットーとしていますので、個人名の著作とは異なり自分の主義主張は一切掲載していません。
では、何を書いているかと言えば、前述の通り近年は改正の度に施行通知が発出されていることから、原則的にはその通知の該当する部分を、該当する条項のところに「転記」するだけです。だからこそ「解説」は、「ここに記載している内容は国の見解」と現在でも言うことができるのです。「解説」は、逐条になっていますから、「その条文の解釈、運用はこうですよ。」と対照して調べることができます。ただ、こうなると、複数の条項に関連するような内容は書きにくくなります。そこで、「解説」は昭和45年の廃棄物処理法制定時から現在まで発出された通知を「ほぼ」完璧に網羅しています。

平成17年版からはCDも付けていますので、「文言検索」などは昔と比べて格段の早さで調べることができるようになっています。

その他のおすすめ書籍については、また別の機会にご紹介いたします。次回は、具体的な事例をつかって、調べ方の実践を行います。

執筆者プロフィール(執筆時点)

長岡 文明 (ながおか ふみあき)
アミタ株式会社 特別顧問

山形県にて廃棄物処理法、廃棄物行政、処理業者への指導に長年携わり、行政内での研修講師も務める。2009年3月末で山形県を早期退職し、廃棄物処理法の啓蒙活動を行う。廃棄物行政の世界ではBUNさんの愛称で親しまれ、著書多数。元・文化環境部循環型社会推進課課長補佐(廃棄物対策担当)。

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