Q&A
廃タイヤの広域再生利用指定制度廃止によって、今後廃タイヤの処理にどのようなリスクがありますか?
今回の制度廃止によって、2011年4月以降、タイヤメーカーや販売会社・販売店等では、収集運搬業の許可を取得しない限り、産業廃棄物の廃タイヤを取り扱うことはできなくなります。
【参考】環境省:自動車用ゴムタイヤが産業廃棄物となったものの取扱いについて
制度廃止の主な影響
運送会社、バス・タクシー会社、宅配会社等から出る廃タイヤは産業廃棄物になるため、通常の産廃処理と同様の手続きが必要になります。廃棄物処理法に違反した場合、以下のような罰則が科されます。
【参考】JATMA(日本自動車タイヤ協会):廃タイヤの取り扱いに関する主な罰則
違反内容 | 罰則 |
---|---|
無許可業者に引き渡した場合 | 5年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金又は併科(同 第25条 第6号) |
契約していない処理業者に引き渡した場合 | 3年以下の懲役又は300万円以下の罰金又は併科(同 第26条 第1号) |
保管基準に違反した場合 | 3年以下の懲役又は300万円以下の罰金又は併科(同 第26条 第2号) ※改善命令に従わない場合 |
タイヤ販売会社・販売店等が処理委託された廃タイヤを中古タイヤや台タイヤ等の有価物として転売した場合 | タイヤ販売会社・販売店等が処理費を受け取った廃タイヤを中古タイヤ/台タイヤ等の有価物(含む、無償)として転売する行為は厳禁(委託基準違反等の各種違反行為に該当)。 ※無償で譲り受けたり、有価で買取った廃タイヤは、台タイヤ/中古タイヤ等の有価物として転売可能。但し、買取り/転売の場合、古物商免許が必要。古物商免許が無い場合は3年以下の懲役又は100万円以下の罰金(古物営業法 第31条 第1号) |
マニフェストの不交付・記載不備・報告義務違反・保存義務違反等を行った場合 | 6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金(廃棄物処理法 第29条 第3号~第10号) |
処理を委託した業者が不法投棄・不法集積・倒産した場合 | 5年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金又は併科(同 第25条 第5号) ※措置命令に従わない場合 |
そのタイヤは一般廃棄物?産業廃棄物?
日本自動車タイヤ協会によれば、制度廃止後、タイヤメーカー等から問い合わせとして多く寄せられているのが、回収見込みの廃タイヤが一般廃棄物になるのか、産業廃棄物になるかの判断がつかないという内容です。 運送会社等の事業者から出る廃タイヤは、全て産業廃棄物に当たります。
そのため、収集運搬会社・処理会社とそれぞれ個別に処理委託契約を結び、マニフェストを発行して処理を行う必要があります。
【参考】JATMA(日本自動車タイヤ協会):廃タイヤの適正処理について
区分 | 定義 |
---|---|
一般廃棄物 | 店頭引き取り品(含む、自治体及び一般消費者からの店頭持込み品、ロードサービス時の引き取り品)但し、事業者(運送会社、バス会社、タクシー会社、宅配会社等)からの物は除く |
産業廃棄物 | 上記、一般廃棄物以外のものすべて |
タイヤメーカー・販売店に「許可」があるか確認が必要
事業所から発生する廃タイヤは全て産業廃棄物になるため、これまで付き合いのあったタイヤメーカー・販売店等へ必要な許可を取得しているか、マニフェスト等の対応は万全か等、違法な取引をしてしまわないよう確実に確認をしておきましょう。
なお、販売店が下取りにより廃タイヤを引き取る場合、販売店が排出事業者として処理することになります。その場合、販売店は産業廃棄物収集運搬業の許可は不要となります。
下取り行為:新しい製品を販売する際に商慣習として同種の製品で使用済みのものを無償で引き取り、収集運搬する行為
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