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マニフェストの記載・運用不備にはどんな例がありますか?

産業廃棄物処理におけるマニフェストは、産廃の流れを管理する重要な役割を持っていることから、不備や違反が厳しく罰せられるという側面を持ちます。
本記事ではどのような場合に「不備」となってしまうのかについて解説します。

(この記事は、2011年11月に公開されたものを再編集しています。)

目次

マニフェストが「不備」になる場合とは?

マニフェスト(産業廃棄物管理票)については、事細かく規定されており、基本的には「これらの事項に一つでも違反したら不備」となります。

  • 産業廃棄物を委託するときはマニフェストを交付しなければならない(法第12条の3第1項)
  • 交付の時には交付年月日や荷姿など12項目を記載しなければならない(省令第8条の21第1項)
  • マニフェストの写しを5年間保存しなければならないこと(法第12条の3第2項、省令第8条の21の2)
  • 所定の日限まで「写し」が返ってこないときや虚偽のマニフェストが返ってきた時などは知事に報告しなければならない(法第12条の3第8項、施行規則第8条の29)

等の規定があります。 このうち「不交付」「虚偽交付」「不保存」については、罰則(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)がありますから、委託した産業廃棄物が「物理的に適正に処理」されたとしても、この罰に処せられる場合があります。 ケアレスミス程度の記載項目の抜け落ち、誤記なら、直接の罰則の可能性は低いですが、社会常識的に言って白紙に近い状態での交付は前述の「不交付」と捉えられる場合もあります。 また、委託した産業廃棄物が不法投棄等された場合は、法第19条の5の適用を受け、排出事業者にも措置命令が出される場合があります。

マニフェストに記載する12項目

マニフェストに記載する義務のある12項目は以下のとおりです。

    1. 管理票の交付年月日及び交付番号
    2. (排出事業者の)氏名又は名称及び住所
    3. 産業廃棄物を排出した事業場の名称及び所在地
    4. 管理票の交付を担当した者の氏名
    5. 運搬または処分を受託した者の氏名又は名称及び住所
    6. 運搬先の事業場の名称及び所在地並びに運搬を受託した者が産業廃棄物の積替え又は保管を行う場合には、当該積替え又は保管を行う場所の所在地
    7. 産業廃棄物の荷姿
    8. 最終処分を行う場所の所在地
    9. (処理事業者の)管理票を交付した者の氏名又は名称及び管理票の交付番号
    10. (排出事業者が電子マニフェスト使用事業者である場合)排出事業者の氏名又は名称及び登録番号
    11. 石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その数量
    12. 電子マニフェスト使用義務者が紙マニフェストを交付した場合には、その理由
一般廃棄物や有価物にマニフェストを使ったら・・・?

マニフェストは正式名称「産業廃棄物管理票」と呼ばれており、産業廃棄物だけに適用されるものです。 時折、一般廃棄物や有価物についても「マニフェストを交付している」という方がいらっしゃいますが、本来「廃棄物処理法に定める産業廃棄物管理票ではない」ことを明確に認識しておくべきでしょう。
もちろん、一般廃棄物であっても、排出事業者、収集運搬会社、処分(受け入れ)会社が産業廃棄物にならって、適正処理をするために相互に承諾しあって、そのやりとりを「産業廃棄物管理票」と同じ様に使用することを否定するものではありません。
大切なことは、ごまかし行為が少なくない廃棄物委託処理について、いかに公明正大に処理ルートを確認していくか、と言えます。 ただ、前述のように「一般廃棄物にも産業廃棄物管理票を使用」することは構いませんが、一般廃棄物の処理のためには、一般廃棄物の処理業の許可が必要です。産業廃棄物処理業者には委託できない一般廃棄物を、(一般廃棄物処理業としては)無許可業者に委託している事態になっていないか、注意するようにしましょう。

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執筆者プロフィール(執筆時点)
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長岡 文明(ながおか ふみあき)
株式会社アミタ持続可能経済研究所 特別顧問
山形県にて廃棄物処理法、廃棄物行政、処理業者への指導に長年携わり、行政内での研修講師も勤める。2009年3月末で山形県を早期退職し、廃棄物処理法の啓蒙活動を行う。廃棄物行政の世界ではBUNさんの愛称で親しまれ、著書多数。 元・文化環境部循環型社会推進課課長補佐(廃棄物対策担当)

BUNさんの「元・行政担当者が語る 廃棄物管理のイロハ」 の記事をすべて見る

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