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処理委託契約書や許可証を適切に管理する方法はないでしょうか?

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処理委託契約書や許可証の期限管理をどのように行われているでしょうか。紙媒体で保管を行う場合、委託先の数によってはファイルを整理するだけでも一苦労ですし、スキャンしてPDFで管理した場合、探す手間は省けますが、更新期限の確認漏れが心配です。

ある会社ではあまりに業務が煩雑なため、ただ届いたものをファイルに綴じているだけになってしまい、キングファイルが数十冊になってしまう例もあるそうです。ではこれらを合理的に管理していくにはどうしていけばよいでしょうか。

(※本記事は、2011年12月に執筆した記事を加筆・修正しています。)

目次

委託契約書・許可証管理に共通する4つのポイント
  • 情報のデータ化

委託契約書とそれに紐付いた覚書のリスト、許可証の期限管理のリスト等をExcelで作成し、全てに「共通の番号」を記載するなど、原本のファイルと紐付けしておく事が大切です。また、許可証の期限管理についてはExcelの計算式を活用するというように、何らかの形で期限管理をしておくことをおすすめします。

  • 委託契約書と該当する許可証は紐付けて管理

委託契約書と許可証をバラバラに保管すると、どの契約書がどの許可証と関連しているのか分からなくなることがあります。一つの契約書に関わる委託先の許可証は、会社ごとに一まとめにしておくと便利です。

  • 有効な書類のみを管理

不必要な書類を保管しているケースが多いです。委託契約書や許可証は、現時点で有効な書類のみを管理するようにしましょう。ただし、廃棄物処理法にて、契約書及び契約書に添付された書類は契約終了日から5年間保存することが義務付けられています。(廃棄物処理法 施行令第6条の2第5号、施行規則第8条の4の3)契約が終了した書類は、現時点で有効な書類と混同しないように、保管場所を分け期日まで保管しておくとよいでしょう。
(後述しますが、契約書の場合、覚書や通知書など、過去の書類で経緯を把握しておきたいケースもあります。廃棄する際は注意しましょう。) 

  • 書類ごとの問い合わせ先も併せて管理

新しい書類を取り寄せようとした際に、相手の問い合わせ先が分からなくて困ることがあります。委託先との間に窓口会社がある場合や、中間処理後の最終処分先など仲介する業者を通して連絡する場合もあります。誰が担当になっても問い合わせができるように、 書類ごとに問合せ先も併せて記録しておくのがよいでしょう。

委託契約書管理のポイント
  • 覚書や通知書も併せて管理

単価や最終処分地などを契約締結時から変更している場合、覚書や通知書を全て管理しておかないと現在の委託状況やそこに至った経緯が分からなくなってしまいます。委託契約書に付随する覚書や通知書なども一緒にファイリングするとよいでしょう。

許可証管理のポイント
  • 許可期限の更新状況を管理

委託先の許可期限が更新される際は新しい許可証を取り寄せますが、場合によっては許可期限が切れる前に許可証が行政から交付されないこともあります。その際は許可申請書を取り寄せておき、更新中であることが分かるように、保管場所を分けるなどの工夫を行いましょう。

廃棄物の処理委託先の会社が、処理業の許可の更新手続きをしていますが、手続き中に許可の有効期限を過ぎてしまいました。委託を続けると無許可会社に委託していることになりますか?

上記のように整理を進めておくと、内部監査やEMSの監査の際もすぐに確認することができます。一方で、人的な確認漏れや入力ミスが発生してしまうリスクもありますので、運用フロー等を取り決めて、注意しながら運用していくのがよいでしょう。

契約書・許可証の管理は電子化へ

これまで紙媒体での効率的な管理方法を紹介しましたが、昨今の人手不足やデジタルトランスフォーメーション(DX)の潮流を受けて、従来の方法から、デジタル管理・システム管理への移行が進んでおり、関連のクラウドサービスが普及しています。
システムを活用することで、マニフェスト登録時に契約書や許可証のデータを相互に紐づけて一元管理することが可能となり、書類の検索や更新状況の確認が迅速かつ簡単に行えるようになります。マニフェストの管理システムと連携し、例えば許可証や契約書の期限が切れているとマニフェストの交付ができなくなる、といったシステム的なリスク回避機能を搭載するサービスも一般的です。また、クラウド上での管理により、複数の拠点間・担当者間でリアルタイムな情報共有が可能となり、人的な確認漏れや入力ミスのリスクを大幅に低減できますし、本社担当による拠点運用の遠隔確認といったことも容易になります。さらに、物理的な保管スペースを必要とせず、災害や劣化による書類の紛失リスクも回避できるため、内部監査やEMSの監査時にも迅速かつ確実に対応することができます。

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執筆者プロフィール(執筆時点)

金本 裕司(かねもと ゆうじ)
アミタ株式会社
カスタマーホスピタリティグループ西日本チーム

筑波大学大学院生命環境科学研究科を卒業後、スマートグリッドなどの電力インフラ開発を行う会社で勤務。2017年にアミタに合流後は企業向けの環境戦略支援を経て、現在は西日本エリアの廃棄物リサイクル営業に従事。

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