FSCTM COCの認証合板の先駆者的存在。ここ数年は、FSC認証製品の売上が毎年200%アップ | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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インタビュー

トーヨーマテリア株式会社 監査役 平尾 様 / 営業第一部長兼住生活課長 木村 様 / 同課長代理 横田 様FSCTM COCの認証合板の先駆者的存在。
ここ数年は、FSC認証製品の売上が毎年200%アップ

合板をはじめ、建材や住宅資材の輸入・国内販売を手掛けるトーヨーマテリア社。その業界では、まだ認知度の低かったFSC COC認証を他社に先駆けて2006年に取得。

今やFSC認証南洋合板の先駆者として右肩あがりの実績を誇るが、認証を取得後数年は受注が全くなかったそうです。いったいどうやって売上を伸ばしていったのか、ご担当者の皆さまにお話を伺いました。

FSC COC認証を取得してから3年間は、売上がなかった

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我々がFSC COC認証を取得したのは2006年4月です。取得の直接的なきっかけは、グリーン購入法の改正ですが、環境問題への取り組みの重要性を、社員ひとりひとりが個人レベルで感じていたことも大きいですね。というのも、我々が輸入している南洋材の伐採が、東南アジアの熱帯雨林を破壊し、環境に悪影響を与えている、というような報道が増えていたため、どこか罪悪感のようなものを感じていたからです。

経営陣も、今後の経営には環境への配慮が必須と考え、経営、営業 が一丸となって、東南アジアに貢献することはできないだろうか、と考えるようになりました。そこへ長い付き合いのあるインドネシアの取引先がCOC認証を 取得し、弊社にも認証を取得してくれないかと依頼があったのです。これが最終的な引き金となり、取得に至りました。

しかし、取得後3年間は、FSC認証合板の受注は全くありませんでした。当時はまだ認知度が低く、販売先に説明しても、「FSC認証って何!?」という反応ばかり。我々のほうも、価値を納得してもらえるような十分な説明ができず、知識不足を痛感していました。

それに、「ちゃんと管理されていますよ」と言ったところで、実際に自分たちが見たわけではなかったので、自信を持ってアピールできないことも問題でした。そこで、実際にインドネシアの奥地の森林へ足を運び、伐採現場やFSC認証の森林管理がどのようなものかをその目で確認することにしたのです。

インドネシアの港から車で13時間。日本企業が滅多に足を踏み入れることのない奥地の伐採現場には、楽園のような大自然が広がっていました。心から、この美しい自然を残さなくてはいけない、と痛感しましたね。帰国後は、これまで以上に熱意と自信を持って営業できるようになったと思います。それに、現地で撮った写真を見せながら説明したことで、取引先の賛同を得やすくもなりましたね。ただ、FSC認証合板は、維持管理費がかかっている分、一般合板に比べて割高になります。いくら賛同してくれても、この厳しい景気のなかで、高いものを取引してくれるところはありませんでした。

地道な啓発活動の結果、売上は右肩あがりに。
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COC認証は、毎年、監査費用としてけっこうな維持費がかかります。コストはかかるのに、商売にはつながらないとなると、やめざるを得ませんよね。それで翌年以降、認証の継続をどうするべきか悩んでいました。

が、認証取得3年目の2008年4月、やっとパートナ―企業である住宅資材商社のジューテック様と商談がまとまりました。DIY商品として、ジューテック様の流通経路を通し大手ホームセンターに、100立方メートルと少量ですが、実験的にFSC認証合板を納入できることになりました。

ただ、最初はほとんど売れずに、ここでも認知度の低さを痛感しました。そこで、まずはFSC認証を知ってもらう、興味を持ってもらうことが先決だと考え、合板が山積みされたロットの側面に、目立つようにFSCロゴマークをプリントしたのです。すると、ホームセンターから「あのマークは何?」「お客様からマークについて問い合わせがあったので詳しく教えてほしい」というような問い合わせがくるようになりました。

それで、少しずつですが手応えを感じていたとき、ジューテック様の展示会が開かれ、FSC認証合板のブースを作ってもらえたのです。そこでジューテック様の全国の営業所にお披露目することができ、販売エリアも広がっていきました。翌年(08年--09年)売上も3倍に。今では我々の方針は間違っていなかったと実感しております。

安定供給と適正価格での販売が今後の課題。

環境に優しく、他社と差別化できるという点から、FSC認証合板の評価と需要は年々上がっていると思います。最近は住宅メーカー、外資系の店舗、家具メーカーなどからも商品の問い合わせをいただくのですが、何しろ数が限られています。FSC認証の森林が増えないと、供給量も増えないわけですからね。今後は、この需要に対する安定供給が課題になると考えています。

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また、適正価格での販売も大きなテーマです。本来なら、一般の合板より約20%アップした価格での販売が適正で、インドネシアのメーカーもそれを望んでいるのですが、今はまだ10%アップ程度でしか売れていない。

今後は、FSC認証品が希少価値の高いものであることをさらに広め、限られた供給量の対価として適正な価格を払ってくれる、本当に付加価値を認めてくれる顧客だけに販売できるのが理想です。安売りはしたくないですね。この実現を、FSC認証合板の先駆者としての自負をもって、全社一丸となり目指していきたいと考えております。

プロフィール

トーヨーマテリア株式会社

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平尾 成 氏 : 監査役
木村 通 氏 : 営業第一部長兼住生活課長 
横田 洋樹 氏 : 同課長代理 

平成2年設立。合板・パネルや住宅建材を中心に、木の温もりを活かした各種商品を取り扱う。「人と木の温かさを調和させる住まいのプロデューサー」を企業理念に、秩序ある木材ビジネスの構築、健康で快適な住空間の創造を目指している。

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