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廃棄物とは本当に不要なものなのでしょうか? リレーコラム

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普段何気なく使っている「廃棄物」という言葉の意味を考えたことがあるでしょうか?また、「廃棄物」と呼んでいるものは、本当に価値のない不要なものなのでしょうか?今回はそもそもの意味を考えることで、日々の業務への向き合い方や、「廃棄物」に対する認識を見直してみたいと思います。

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廃棄物の定義

「廃棄物」には大別して以下2つの定義が考えられます。

  1. 日常用語・・・日常生活や産業活動等によって排出され、廃棄される不用物。(引用:デジタル大辞泉)
  2. 法律用語・・・大きく一般廃棄物と産業廃棄物に大別されます。ちなみに産業廃棄物は以下の通りです。
    産業廃棄物・・・事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻汚泥廃油廃酸廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物 〔廃棄物処理法第2条第4項〕

上記を踏まえた上で、「廃棄物」という言葉と向き合ってみます。「廃棄物」は、自ら利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になった物と一般的には解釈されています。つまり、価値がないものです。しかし、多角的視点で考えると、廃棄物と呼ばれるものは資源として使えるものがあります。では、「廃棄物」はどうやって生まれるのでしょうか?

廃棄物には本当に価値はないのか。

「廃棄物」は身の回りで使っている、本、ゲーム、車、家電製品等の皆さんが使っている品物、また、その原料を作ると同時に廃棄物も作られています。「廃棄物」は、人間が生活しやすいように作った品物と同じ工程で人間が作っている物です。
この「廃棄物」、正しく分析をして、化学の目で見れば本当の価値がみえ、新たな活用方法がみえてきます。

例えば、汚泥であれば、SiO2(シリカ)、Al2O3(アルミナ)等の鉱物であったり、Zn(亜鉛)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Fe(鉄)等の金属であったり、C(炭素)を含有するものが有ります。

廃プラスチックであれば、C(炭素)、O(酸素)、H(水素)等が含まれます。これらは、地球にある資源と同じ成分から出来ていることが分かります。

また、別の視点でみれば、色、形、重さ等の活用できる特性を持っていることもあります。例えば、化学工業で利用されるCu(銅)-Cr(クロム)触媒は、黒という色を活かして使用済みの触媒は、顔料等に利用される事もあります。

廃棄物は資源である

「廃棄物」は、地下資源と同じ成分から出来ているため必ず利用方法があります。ただ、それらは、いつも利用している地下資源と同じではないので、加工する費用がかかります。これが、リサイクル費用です。

地球は大きな存在ですが、再生不可能な資源ばかり使っていてはいつか枯渇してしまいます。私たちの身の回りには、人間が作り出した「廃棄物」と言う名前の資源がたくさんあります。「廃棄物」を価値の無いものにしているのは、私たち人間の意識です。そのため、アミタでは「廃棄物」と呼ばず発生品と呼んでいます。

発生品は適切な処理をすることで、資源として生まれ変わる可能性があります。

例えば、製紙会社から発生する鉄とプラスチックが混ざった物(ラガーロープ)は、これまで埋立処理、焼却処理されていました。このラガーロープの価値を高めるために、別に排出されていた鉄の番線を使って鉄品位を上げることで鉄鋼会社の鉄原料として利用できることもあります。

また、汚泥にリンが入っていることで再資源化できないケース等もありましたが、原因物質のリン酸水溶液が汚泥に入らないように分離回収することで、汚泥はセメント向けの資材になり、分離回収したリン酸水溶液は、肥料原料として有効に利用することができました。

このように、「廃棄物」自体の価値を見つめなおすことでより良い再資源化が行えるようになります。少しでも多くの「廃棄物」を資源として活用するために、生産・消費活動に関わる私たち1人1人が、出てきた「廃棄物」に有効な使い方を考え続けることが大切なのではないでしょうか。アミタグループは持続可能社会の構築というミッションのために少しでも皆様のお手伝いできればと思っています。

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執筆者プロフィール
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赤松 義元 (あかまつ よしもと)
アミタ株式会社
循環資源事業グループ 事業開発チーム チームリーダー

1997年にアミタ株式会社(当時スミエイト株式会社)に合流。関西の企業を中心に発生品のリサイクル提案及びコンサルティング営業に従事し、新たなリサイクルシステムの提案及び電力会社へのソリューションで実績をあげる。現在は、「この世に無駄なものはない」をモットーに新たな資源化技術を開発している。

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