環境負荷ゼロを目指すソニーの地域特性を活かした環境活動とは? | 企業の環境・CSR・サステナビリティ戦略に役立つ情報が満載!

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担当者の声

ソニーセミコンダクタ株式会社 熊本テクノロジーセンター 熊本総務部/統括部長 松本 博史氏/統括課長 谷山 健一氏/谷 清明氏環境負荷ゼロを目指すソニーの地域特性を活かした環境活動とは?

「2050年までに環境負荷ゼロを達成する」という大きな目標を掲げ、取り組みを進めるソニーグループ。
今回はグループ会社であるソニーセミコンダクタ株式会社熊本テクノロジーセンター(以下、熊本TEC)様が行う立地地域の特性を活かした「地下水涵養」の取り組みについて詳しくお話を伺いました。

2050年に『環境負荷ゼロ』を目指して

中野:ソニーグループ様の環境計画『Road to ZERO』について教えてください。

谷山氏: 2050年までに「環境負荷ゼロ」にすることを長期目標とし、5年ごとに中期目標を設定しています。現在は2020年度までの中期目標「Green Management 2020」に向けて、気候変動、資源保全、化学物質管理、生物多様性の4つのテーマで活動をしています。

中野:それぞれ具体的な目標を設定されているんですね。水については総使用量を2015年度比マイナス5%とありますね。

谷山はい。当工場に当てはめると毎年2万トン近くの水を削減することが求められます。そのために水の再利用の促進と使用量を削減する取り組みを行っています。工場で使用した水を26系統に細かく分類することで系統排水に合わせた再利用を行っています。ちなみに現在の水の再利用率は約60%です。また、水の使用量を低減するため、生産工程における作業の見直しも行っています。

立地地域の特性を活かした「地下水涵養」の取り組み

中野:なるほど、「環境負荷ゼロ」に向けて様々な取り組みをされているんですね。
その他にも、熊本TEC様は特に水資源保全の面で「地下水涵養」という独自の取り組みを展開されていますね。

谷山はい、熊本は火の国といわれていますが、実は「水の国」でもあるんですよ。
熊本市近郊はおよそ人口100万人を擁する地域ですが、生活用水をほぼ100%地下水で賄っています。全国の地下水使用平均が約20%ですから全国でも類を見ない地域なんです。名水百選も複数あり、「蛇口をひねればミネラルウォーター」といった感じです。

中野:それは羨ましい。

谷山地下水が豊富な理由として周辺の土壌環境があります。当工場は白川という一級河川の中流域にありますが、この地下には水を通しにくい岩盤層があり、みずがめのような役割をしています。また、非常に水を通しやすい黒ボクと呼ばれる火山灰土が表層を広く、厚く覆っているため、このあたりの水田では1日に水が10-20センチ浸透するといわれています。水はけがよく、かつ地下に水が溜まりやすい土地なのですが、近年、減反・離農などに伴う農地からの浸透水量減少、宅地化、地下水採取量の増加など様々な原因から、地下水量の減少が懸念されています。
生産工程の洗浄部分で大量の水を使用し、そのほとんどを地下水から汲み上げる当社にとっても、地下水の減少は工場運営上のリスクであり、水資源の維持は非常に重要と考えています。

中野:そうですよね。具体的にはどれくらいの水を使用されているのでしょうか。

谷山年間200万トンの地下水を使用しています。我々が作る半導体は非常に高い精度が求められるため、いかにゴミを取り除くかが重要となります。そのため、地下水から精製された「純水」というきれいな水を大量に使用します。およそ800ある作業のうち約4割が洗浄工程なんですよ。

中野:そんなに洗浄するんですか!たしかに水資源の枯渇は操業リスクに直結しますね。それで地下水涵養に取り組まれているんですね。これはどういったものでしょうか。

谷山「地下水涵養」は地表の水が地下に浸透し、地下水になることをいいます。先ほども申し上げたように、この辺りの土地では水田に張った水は、どんどん地下に浸透します。この性質を利用し、協力農家さんにお願いして白川の河川水を作付前後の転作田に引いていただき、地下水を作る取り組みを行っています。工場で使用した地下水は排水処理施設を通って下水放流されるのですが、汲み上げた地下水以上の水量が涵養されるように計画し、湛水期間に応じた助成金を協力農家さんにお支払いしています。

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工場設立初期にトップが即答し、翌年から取り組み開始

中野:なるほど、周辺の地質条件が整っているからこそ成立する取り組みなのですね。取り組みが始まった経緯について教えてください。

谷山はい、本工場を設立した翌年の2002年6月に、ここ熊本TECでソニーグループの環境サミットを開催したんです。その際に記念講演いただいた環境NPOの環境ネットワークくまもと様から、地下水涵養事業の提案を受けました。そこに出席していた当社社長が即断でやりましょう、とコメントして2003年から取り組みが始まりました。当時環境ネットワークくまもと様も地下水の減少を問題視されていて、地下水涵養について行政にも相談されていました。しかし初めての取り組みということでなかなか一歩が踏み出せない中でソニーが先頭を切って快諾した、と聞いています。
2004年からは熊本市も参入して、いまでは周辺企業あわせて4社の取り組みとなっています。

中野:自治体よりも早く判断した、という事ですね。

松本逆に言うと、企業だからできた、ということですね。『Road to ZERO』は2010年から始まっていますが、それ以前から環境のビジョンは掲げていましたし、外部のステークホルダーから要請があればそれにこたえる文化はありました。

中野:それにしても、使用量以上の涵養となると助成金もそれなりにかかると思いますが、当時からこのような取り組みになると思われたんでしょうか。

松本いえ、そこまでは計画に入っていませんでした。現在生産が順調に伸びており、工場建屋も増設し、その分の水の使用量も増えています。しかし、地下水あっての我々の仕事です。今後も使用量以上に涵養する、という目標は変えない予定です。

谷山助成金以外でも、協力農家さん、土地改良区、JAの方と従業員で涵養田での田植えや稲刈りを行っています。また、工場の夏祭りに、協力農家の方々にお越しいただいたりと交流の場を設けています。その他にも地元の農産物を社員食堂の食材として使わせていただいたり、従業員が直接購入できるイベントを行っております。

中野:地域の方との交流や農産物の消費にも力をいれてらっしゃるのですね。

谷山そうですね。農業従事者の高齢化とともに耕作放棄地が増えていますので、そういった面で少しでも支援できればと思っております。

中野:なるほど、生産活動が拡大すれば拡大するほど、その地域の自然環境や地域社会に還元できるというモデルは今後さらに注目されますね。本日は貴重なお話を伺いました。ありがとうございました。

ソニーセミコンダクタ熊本TECの事例から学ぶ 

環境負荷ゼロへ向けたポイント

  • 工場周辺の地質や自然条件といった特性を活かした取り組みを行う
  • その地域で最初の事例でも積極的に取り組む
  • 人的交流、地元農産物の消費など、関連取り組みを広げていく
話し手プロフィール

sony_4_matumoto.png松本 博史 氏
ソニーセミコンダクタ株式会社 熊本TEC
熊本総務部 統括部長

1990年ソニー長崎㈱入社。製造現場の生産係長を経て2005年より現場の改善指導を行う。2008年からは本格的にソニー全体の改善指導を行う(海外事業所含む)。2015年度から 熊本総務部長就任。

sony_5_taniyama.png谷山 健一 氏
ソニーセミコンダクタ株式会社 熊本TEC
熊本総務部 安全環境課 統括課長 
1998年ソニー国分㈱入社。製造工程のオペレータを経て2005年より、安全環境課にて環境業務に従事。2013年度より、安全環境課 統括課長就任。

sony_6_tani.png谷 清明 氏
ソニーセミコンダクタ株式会社 熊本TEC
熊本総務部 安全環境課
2009年ソニーセミコンダクタ㈱入社。人事、総務を経て、2015年から安全環境課にて環境業務を担当。

聞き手プロフィール

nakano.jpg中野 大悟
アミタホールディングス株式会社

経営戦略グループ カスタマーリレーションチーム
静岡・愛知県に所在する企業の廃棄物リサイクル・リスクコンサルティング営業に長年携わる。現在はカスタマーリレーションチームにて、アミタの各種サービスの提供、セミナー企画等を担当。

地域特性を活かした環境負荷ゼロ工場に向けて

環境パフォーマンスを改善させるためには、自社内の工程を見直すだけではなく、立地する地域の特性を活かすことも検討されてはいかがでしょうか。アミタは周辺環境の調査や、地域特性を活かした循環モデルの提案などで環境負荷の削減をサポートします。まずはこちらからお気軽にご相談ください。

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