廃棄物管理業務の働き方改革! “業務効率化” の3つのポイントとは?

2019年4月より「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(以下、働き方改革関連法)」が施行され、時間外労働の上限規制の導入や、年次有給休暇の確実な取得が必要とされています。 加えて、生産年齢人口自体の減少もあり、今後、企業の労働力の確保は、より難しくなることが予想されます。そこで対策の1つとして注目されるのが「業務の効率化」です。しかし「ノウハウがない」「どこから始めればいいのかわからない」というお声をよくお聞きします。今回は、廃棄物管理業務の効率化に向けて、”最初に見直すべき3つのポイント”をご紹介します。

※この記事は2019年7月に執筆されたものを加筆・修正しています。

まずは、おさらい!廃棄物管理業務の特徴は?どのくらい時間がかかる?

業務効率化を考えるにあたって、まず気になるのが、業務にどのくらいの時間をかけているのかという点ではないでしょうか。弊社が実施している「工場における環境管理業務の見える化」調査によると、製造業の工場で主幹部門の担当者が、廃棄物管理業務にかけている時間は1工場あたり、年間1,400~2,000時間程度となります。(現場担当者、構内業者の作業時間を除く)。これを労働者1人あたりが年間に持っている業務時間(8時間×240日=1,920時間)で割ると、0.7~1.6人となります。つまり、各企業では、主幹部門の担当者”だけ”でも、廃棄物管理業務”のみ”を行う人員が、1工場につき1名程度必要ということになります。前述の通り、調査では現場担当者、構内業者の作業時間を含んでいないため、それらを加えると、1工場あたりの作業時間はさらに長くなると考えられます。工場の規模や廃棄物の排出量にもよりますが、業務ボリュームは決して少なくないことがわかります。

また、業務の内訳としては「急なトラブル対応」など、イレギュラーなものもありますが「廃棄物の保管置き場の見回り」「引き渡し時の立会い」「マニフェスト伝票の交付」など、基本的には、ルーチン業務が多い傾向にあります。

ルーチン業務は無くせない?業務効率化の鍵は「業務を無くすことではなく、工数を減らすこと」

業務効率化に向けて、単純に考えると「ルーチン業務を無くす」という視点もありますが、マニフェスト伝票の交付は法律で義務付けられていますし 、見回りを減らして事故につながっては元も子もありません。廃棄物を排出する以上、ルーチン業務を行わない訳にはいかないケースが多くあります。廃棄物管理の業務効率化においては「これらのルーチン業務を無くすのではなく、必要な時間をいかに減らすか」という視点が重要になります。それでは、業務効率化に関する3つのポイントを紹介します。

ポイント①:業務の”見える化”

弊社の独自調査によると、「どの業務に時間がかかっているか」は、各工場によって大きく異なることが分かっています。同一企業の拠点であっても、構内の広さ、担当者のスキル、廃棄物の排出頻度によって異なります。どの業務に時間がかかっているかを見極め、対策を講じることが業務効率化への一番の近道です。
例えば、下記の表は、食品メーカーA工場と化学メーカーB工場の1年間の業務の内、最も時間がかかった業務とその割合を示しています。これを見ると、A工場は「自社内の処理施設の運転」「保管場所の見回りと置き場状況の確認」について、B工場は「搬出立ち合い・マニフェスト交付」「置き場の整理整頓清掃」について、時間がかかっていることがわかります。各社によって異なるため、自社の業務を分析しましょう。

▼食品メーカーA工場の業務の内訳(業務時間が長い10業務まで)

業務の内訳廃棄物管理業務全体にかかる時間
に対する各業務時間の割合
自社内の処理施設の運転31.8%
保管場所の見回り・置き場状況の確認17.4%
現場立会い・積込み・マニフェスト交付5.4%
分別・前処理5.1%
廃棄物月報の作成4.0%
請求書照合3.3%
支払処理3.2%
施設の管理・メンテナンス2.8%
マニフェスト準備または予約登録2.2%
現地確認実施2.2%


▼化学メーカーB工場の業務の内訳(業務時間が長い10業務まで )

業務の内訳廃棄物管理業務全体にかかる時間
に対する各業務時間の割合
搬出立会い・マニフェスト交付16%
置き場の整理整頓・清掃14%
分別・前処理7%
保管場所の見回り・置き場状況の確認4%
委託先との搬出調整4%
請求書照合4%
受渡確認表のコピー・引き渡し4%
支払処理3%
問合せ対応(事務所内)3%
廃棄物処理指示書の対応3%


アミタでは「廃棄物管理業務見える化サービス」として業務分析を代行しています(有料)。
社員様へのヒアリングを行い、作業時間等を分析します。
その他「マニフェストや契約書の業務上の法的ミスの調査」など、複数の調査項目をご用意しています。
ご興味のある方はお問い合わせください。
<お問い合わせ先> https://amita.web-tools.biz/general-inquiry/

ポイント②:DX(デジタルトランスフォーメーション)化の推進

次に、業務工数を削減する方法について紹介します。効率化に向けては「担当者の経験や知識を増やして、対応スピードをあげる」「業務の担当者を見直す(複数人が対応できるようにする)」などの方法もありますが、現在、IoT化による業務効率化が注目されているため、これらを利用することも一つの手段です。
例えば、弊社のIoTサービスを用いて、A工場で業務の17%を占めていた「保管場所の見回り・置き場状況の確認」の業務効率化について考えてみましょう。仮に、 構内パトロールを3回×15分/日、事務所に戻って構内情報をまとめる事務作業に30分/日の時間がかかっている場合、以下の対策が実現できます。

  • 廃棄物管理置き場にセンサーを取り付け、保管量を事務所で確認できるようにする。
  • クラウドサービスを利用して、スマートフォン等で報告内容をその場で記録・報告できるようにする。


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さらに、これらのデータを全社で一元管理(次項、ポイント③)し、リアルタイムでモニタリングしたり、蓄積データを分析・評価することで、異常や課題の早期発見、拠点ごとの排出量比較や、リサイクル率の正確な把握などが可能になります。最終的に、廃棄ロスの削減や資材の社内シェア・転用促進、搬出手配の自動化などのプロセス最適設計など、単なる工数削減に留まらない「データに基づいた環境戦略」へと繋げることができます。

ポイント③:情報(フォーマット)の一元化

また、全社として気を付けたいのが「情報(フォーマット)の一元化」です。よくあるのが、下記の課題です。

  • 各拠点から、本社へ環境データの報告を行っているが、フォーマットがバラバラ。また、エクセル管理のため、最新のフォーマットの周知に時間がかかる
  • 各拠点で、独自の管理方法を採用しているため、監査の際に手間がかかる

情報(フォーマット)を一元化するだけでも、確認時間の削減につながります。拠点ごとの業務見直しだけでなく、全社での見直しも視野に入れましょう。
例えば、Web上のシステムに、マニフェストや契約書のパターンを登録しておき、それらをもとに業務を行うという手段もあります。法定記載事項の漏れの防止につながるほか、全社で同じシステムを使えば、管理状況の共有にもつながります。

いかがでしたか?様々な解決策がありますので、自社の状況を把握し、適切な手段を選びましょう。

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