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土壌汚染対策法の改正について(4):4条における調査命令土壌汚染とのオトナな付き合い方

土壌汚染対策法の改正における改正の大きなポイントが4条です。もう皆さんご存知だとは思いますが、4条における3つのポイントを間単に確認していきましょう。

1.土地改変の届出が必要な場合

土壌汚染対策法第4条では、3000m2以上の土地の改変時に行政に土地改変の届出を提出する必要があります。土地改変の届出を建築確認申請等とは別に、都道府県や政令市の環境部局に提出する必要があります。環境部局以外に建築関係の申請をしたとしても自動的に申請がされるわけではありません。

土地改変の面積には、掘削範囲だけでなく盛土範囲も含まれます。事業者側は土地改変を行う30日以上前に土地改変の届出を出さなければなりません。

詳細な改変の定義等は、土壌汚染対策法の施行通知(環水大土発第100305002号)のP21にあります。該当するかが不明な場合は、事前に行政に届出の必要の有無を確認しておくことをお勧めします。

2.行政による汚染のおそれの判断

土地改変の届出を提出したら、都道府県知事が当該地において<土壌汚染のおそれ>を判断し、その結果から調査命令の発出の有無を判断します。某自治体の担当者は、「この汚染のおそれの判断だけで非常に忙しくなった。」と仰っていました。

では、どんな条件のときに調査命令が発出されるのでしょうか?
大まかに言えば次の4つの条件のいずれかに該当し、かつ当該資料を行政が保管している場合です。

  1. 過去に対象地で土壌調査を実施し基準超過が確認されており、それを行政側に届け出ている場合
  2. 有害物質を含む固体もしくは液体を埋めたり、地下浸透させたりさせた土地
  3. 有害物質の使用や保管などの取扱履歴がある工場や事業所(過去も含む)
  4.  2・3以外の要因で、2・3と同等程度に土壌汚染のおそれがある場合(自然的原因による基準超過が対象地や隣地で確認されている場合)

詳細な情報は、土壌汚染対策法の施行通知(環水大土発第100305002号)のP23~P24に5つほど記載されていますのでそちらをご覧ください。

有害物質の取り扱い履歴がない、と思っていても、行政側に過去に提出していた資料に有害物質の取扱履歴があった、というケースもありますのでご注意ください。PRTRなどの届出書類も対象になると思われます。

東京都や大阪府など土地改変に伴う土壌汚染調査の条例がある自治体では、条例と土対法4条が複雑に絡み合っているケースもあります。両方の届出が必要になる場合もありますので、注意が必要です。

3.調査命令の発出の有無

調査命令が発出されなければ、土壌調査を行う必要はなく、土地改変を行うことができます。調査命令が発出されれば、土壌汚染状況調査を実施する必要があります。いずれにせよ、法改正がなされたばかり、ということもあり、自治体ごとに判断基準が異なる場合もあるようです。

土壌汚染対策法の改正について(4):4条における調査命令
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執筆者プロフィール

保高 徹生 (やすたか てつお)

京都大学大学院農学研究科 博士前期過程修了、横浜国立大学大学院 博士後期過程修了、博士(環境学)。環境コンサルタント会社勤務、土壌汚染の調査・対策等のコンサルティング、研究を行う。平成19年度 東京都土壌汚染に係る総合支援対策検討委員会 委員。

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