土壌汚染対策法に基づく要措置区域・形質変更時要届出区域について(1) | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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コラム

土壌汚染対策法に基づく要措置区域・形質変更時要届出区域について(1)土壌汚染とのオトナな付き合い方

2010年4月に土対法が改正されてから9ヶ月が過ぎました。この改正は、法4条による調査契機の拡大や法第14条に基づく自主調査の指定申請制度の新設、健康リスクに応じた汚染地の区分など、様々な変更がありました。事業者のみならず、自治体、コンサルタントなど、この問題に直面する各人が対応を悩みながら過ごしてきた数ヶ月間だともいえます。

そんななか、先日、環境省が「土壌汚染対策法に基づく要措置区域・形質変更時要届出区域」の一覧をウェブサイトで公表しました。平成22年12月6日までの区域指定されたものを一覧表にまとめたもので、調査契機や区域の状態についても記載されています。

当該ファイルはこちら(http://www.env.go.jp/water/dojo/law/rm_area.pdf

このデータを読み解いていくと、今回の改正による影響や日本の土壌汚染の状況が少しだけ垣間見えてきました。主なポイントは以下のとおりです。

  • 法改正により区域指定される土地は1.5倍~2倍程度に増加する模様。
  • 調査の契機としては、法4条(3000㎡以上の土地の形質変更)、法14条(自主調査の指定の申請)の新たに設けられた2つの契機で全体の60%以上を占める。
  • 人の健康リスクがあると判断され、措置が必要となる要措置区域は全体の8%程度
  • 要措置区域は、VOCやヒ素、ホウ素、フッ素などの物質が指定されやすく、地下水利用が多い地方で指定されやすい傾向にありそう(現状、数が少ないためこれらの評価はもう少し区域指定数が増えてからするべきかもしれません)。

これらの内容について、グラフ等を用いてちょっと詳しく説明していきます。

1.区域指定される土地の増加

平成22年4月~12月6日までに区域指定されたのは101件でした。平成20年度の年間で指定された区域数は71件でしたのが、その数を12 月の時点で上回っており、法改正による調査契機の拡大(土対法4条:3000㎡以上の土地の形質変更時の調査契機、土対法14条:自主調査結果の指定の申請)が、区域指定数に影響を及ぼしていることが伺えます。

この推移で行くと平成20年の2倍くらい、つまり 150くらい区域が指定されそうです。 なお、日本の年間土壌汚染確認数は約1500-3000程度ですので、法によるものはほんの一部にとどまる、というところは、従来と大きく変わりません。

2.調査契機の整理

本年4月~12月6日までに区域指定された101の事例について調査契機をまとめたものを下図に示します。

slide001.JPG

データ:環境省「土壌汚染対策法に基づく要措置区域・形質変更時要届出区域」より

最も多いのが法改正で新たな契機となった3000㎡以上の土地改変時の調査である法4条は44件(44%)、次いで以前からの契機である法3条が35件(35%)、そして3番目が新たな調査契機である自主調査の指定の申請である法14条で21件(21%)でした。今回の改正で追加された契機が全体の65%を占めています。

法14条の申請の申請なんてしないだろう、という大方の予想を覆し、21件もの申請があったようです。これは驚きですね。ただ、住所等を見ていると公共事業系のものが結構含まれていそうな感じです。

第2回へつづく

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執筆者プロフィール

保高徹生(やすたか てつお)
京都大学大学院農学研究科 

博士前期過程修了、横浜国立大学大学院 博士後期過程修了、博士(環境学)。環境コンサルタント会社勤務、土壌汚染の調査・対策等のコンサルティング、研究を行う。平成19年度 東京都土壌汚染に係る総合支援対策検討委員会 委員。

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