CSRの観点からみたファシリティマネジメント | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

環境戦略・お役立ちサイト おしえて!アミタさん
「おしえて!アミタさん」は、未来のサステナビリティ経営・まちづくりに役立つ情報ポータルサイトです。
CSR・環境戦略の情報を情報をお届け!
  • トップページ
  • CSR・環境戦略 Q&A
  • セミナー
  • コラム
  • 担当者の声

コラム

CSRの観点からみたファシリティマネジメント陽平さんと考える、みんなが喜ぶ「オフィスと環境」

Mr_ogawa.JPG

はじめまして。株式会社コスモスモア 取締役の小川陽平と申します。

当社ファシリティ事業部はファシリティマネジメント(以下FM※注1)のプロとして、数多くの企業のオフィス構築のお手伝いをしています。これから全6回にわたり『CSRの観点からみたファシリティマネジメント』をテーマにお話をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

注1:ファシリティマネジメント・・・企業・団体等が保有又は使用する全施設資産及びそれらの利用環境を経営戦略的視点から総合的かつ統括的に企画、管理、活用する経営活動 出所:公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)

CSRの観点からみたFM

普段何気なく勤務しているオフィス。しかしオフィスには企業それぞれの社風や目指す姿が色濃く反映されます。オフィスレイアウトをどのようにデザインするかによって、企業姿勢が見えてきます。また、東日本大震災で注目された事業継続計画(以下 BCP(※注2))とも深く関連してきます。これら、企業の施設管理をどのように行うかはCSRを果たす上で重要な要素となってきます。
注2:BCP・・・business continuity plan 事業継続計画の意味

CSRとFMの共通点

当社ではCSRとFMの関連性は深いと考え、法人のお客様へのご提案を行っています。

  • 「組織を超えてコミュニケーションがとりやすい」
  • 「よりセキュリティを重視」
  • 「コストとコンパクトさを最優先」等

コンセプトは多種多様ですが、共通で目指しているのは、『働きやすさを通じて企業の継続性ある発展やステークホルダー、社会との良好な関係』です。私たちもオフィスを通じて、その企業独自の『継続性』を見つけようと心がけています。

今回のコラムでは、「オフィスの執務スペース」や「応接・会議室等の執務を支援するスペース」等、より身近なオフィス環境を取り上げさせていただきます。そして、FMの取り組みをCSRの切り口でいくつかご紹介し、少しでも皆様のCSR業務のヒントを提供できればと考えています。

平常時のリスク管理が非常時のリスク回避につながる

「企業の継続性にオフィスが貢献できること」にはどういうものがあるでしょうか?企業の継続を脅かすリスクは様々なものがあります。特に昨今では巨大地震や異常気象、パンデミック(注3)等の危険性が身近に迫ると予想されています。ひとたび事が起こると、オフィスでも一時に様々な障害が発生し、復旧は困難を極めます。(図表1)
注3:パンデミック・・・感染症が世界的規模で同時に流行すること。また、世界的に流行する感染症のこと。引用:「デジタル大辞泉」

図表(1)非常時、オフィスで起こり得る事象と解決方法
Noリスクを生む要因発生するリスク
ABCDE
1 自然災害(自身・台風・津波・火事)
2 パンデミック
3 大規模停電
4 キャリア障害
5 テロ・戦争
6 サイバーテロ

No発生するリスクの内容オフィス構築で対応・軽減できること
A 帰宅困難者の発生 備蓄品対応の実施
B 出社困難者の発生 在宅勤務・モバイルITの導入
C システムダウン・ビル機能停止 システムバックアップ・ビル選定の適切化
D 従業員の死亡・病気 在宅勤務・モバイルITの導入
E サプライチェーン システムバックアップ


喫緊の課題としてBCPやBCM(注4)の策定を急いでいる企業も多いかと思います。今年3月の帝国データバンクの調査によると、BCP策定済み企業は大企業で3割、中小企業では1割に満たないのです。
注4:BCM・・・business continuity management 事業継続管理の意味

では平常時のリスクはどうでしょうか。一覧にまとめましたのでご覧ください。(図表2)

図表(2)平常時、オフィスで起こり得る事象と解決方法
Noリスクを生む要因発生するリスク
ABCDE
1 拠点分散
2 拠点管理不行き届き
3 不適切な情報セキュリティ運用
4 コミュニケーション不全
5 コンプライアンス違反
6 不適切な勤務形態
7 環境配慮の欠如

No発生するリスクの内容オフィス構築で対応・軽減できること
A オフィス運営コストの増加 拠点統合、FMデータ一元管理、ビル選定基準明文化
B 業務の非効率、交通費・残業代増加 在宅勤務・モバイルITの導入、拠点統合、ICTの充実
C 情報漏えい 情報管理運用の徹底、出力管理、セキュリティシステムの充実
D メンタル不調者の発生 オープンミーティングスペースの増設、オフィス内隠れ家の構築、ICTの充実
E 社会的評価の低下 省エネオフィスの構築、仕事の見えるオフィス作り


企業の生産性を上げる活動によっても、残念ながらリスクは発生します。ただし、これらは幸いにして個別の施策で解決することができます。平常時にどこでも執務やコミュニケーションを可能とし、風通しのよい風土をつくっておくことは、間違いなく非常時にも役に立ちます。

ぜひ、ご意見をお願いします

今回は、継続性にオフィスが貢献できることをお伝えしました。次回以降、具体的な課題の解決事例をご紹介していきます。これは!と興味をお持ちいただけそうなテーマはありましたでしょうか。次回以降、もし取り上げて欲しいと思われるテーマや、ご意見がございましたら、お寄せいただければ幸いです。

私たちも、皆様の声を通じて更にCSRのことを学んでいきたいと考えています。皆様と会話ができる場になれば大変うれしいです。どうぞご期待ください!

関連情報
執筆者プロフィール
Mr_ogawa_1.JPG

小川 陽平 (おがわ ようへい)
株式会社コスモスモア
取締役


1986 年同志社大学卒 同年株式会社リクルートコスモス入社(現 株式会社コスモスイニシア)、1992年に株式会社コスモスモアに転籍、その後管理部門の責任者として従事、2007年 株式会社コスモスイニシアのグループ戦略室兼務を機に、環境を軸とした企業活動を開始。 2年間でエコピープル取得率約60%を実現、自社独自の環境報告書(サスモア)の創刊、建設業界初のカーボンオフセットの商品化等を手掛け、社外コンクール等を受賞。2011年4月に発足したCSR推進室 室長を経て、2012年6月に取締役に就任。

陽平さんと考える、みんなが喜ぶ「オフィスと環境」 の記事をすべて見る
このページの上部へ