ミズノ|「CSR調達」と「環境配慮型商品」で持続可能社会の実現に取り組む【前編】 | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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ミズノ|「CSR調達」と「環境配慮型商品」で持続可能社会の実現に取り組む【前編】おしえて!きかせて!環境戦略

mizuno_photo2.JPGScope3(スコープ3)や2015年版ISO14001など、環境活動の範囲をサプライチェーンに広げる取り組みが進んでいます。そのような中で、アパレルやシューズなど製造の大半を海外のOEM先で行うことの多い業界では、早い段階からサプライチェーンマネジメントに取り組まれる企業があります。

今回はミズノ株式会社 法務部 CSR課 上級専任職の佐藤様に、サプライチェーンにおけるCSR調達活動、環境配慮型の商品づくりについてお話をうかがいました。

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ISO26000をベースとした環境活動を展開

宮内:貴社のCSRの取り組みはいつから始まったのでしょうか。

佐藤氏:ミズノのCSR活動は、アテネオリンピックが開催された2004年から始まりました。当時、国際NGOが中心となり、ミズノを含めたスポーツウェアメーカー7社に対して製造委託工場の労働環境について改善を求める「プレイフェアキャンペーン」が展開されました。そうした状況を背景に、2004年3月にCSR専任部署を設置し、現在は法務部CSR課を専任部署として全社的にCSRを推進しています。2013年にはCSRの活動領域をISO26000で示される7つの中核主題ごとに整理しました。

注1:ISO26000とは組織の社会的責任に関する国際規格。「組織統治」「人権」「労働慣行」「環境」「公正な事業慣行」「消費者課題」「コミュニティへの参画及びコミュニティの発展」の7つの中核主題で構成されています。

関連記事:ISO26000とは、具体的にどのような内容・構成になっているのですか?

ISO26000.png

※ISO26000の7つの中核主題を基にアミタ作成

宮内:ISO26000を採用した理由について教えてください。また導入してみていかがでしょうか。

佐藤氏: ISO26000が発行されるまで、ミズノでは独自にCSRの領域を10に分類して定義し取り組んできました。10の領域にはコンプライアンス、リスクマネジメント、内部統制など、守りのCSRと言われる社内体制に関するものも多く、グローバルなCSRの重要課題と少しづつズレを感じていました。そこで社会的責任の国際規格であるISO26000の発行を機に、活動内容を見直し、これを活動のベースとすることにしました。実際にISO26000をベースに活動を進めると、ステークホルダーに向けた活動が重要だと分かりました。それで、CSRビジョンを制定し、ステークホルダーにとってミズノはどのように在るべきかを示しています。『「フェアプレー」「フレンドシップ」「ファイティング・スピリット」を大切にし、持続可能な社会の実現と美しい地球環境の保全に積極的に取り組むことで、すべてのステークホルダーから信頼され必要とされる企業を目指す』というものです。

宮内: 持続可能な社会を実現するために、ミズノはどんな考えをお持ちでしょうか。

mizuno_photo1.JPG佐藤氏:大きな話をすると、現在地球レベルでは環境問題、生物多様性の劣化などの問題を抱えています。こういった問題に向き合っていかなければ、生物が生きていけなくなる時代がくる可能性もあります。このような認識のもと、ミズノでは"良いモノづくり"に取り組んでいます。"良いモノづくり"とは、商品が安全・安心で高品質であることはもちろん、その生産工程において人権、労働、環境面などが国際的な基準からみて適切であることを目指すものづくりのことです。ミズノ製品の生産には、国内外多くのパートナーが関わっており、"良いモノづくり"にはサプライヤーとの協働が不可欠です。

宮内:どれくらいのパートナーが関わっていらっしゃるのですか。

佐藤氏:ミズノではスポーツ用品を中心に様々な商品を提供していますが、その生産にあたって中国・東南アジアを中心に立地する400工場以上に最終加工や組み立てを委託しています。また、最終加工までに裁断、縫製、染色、塗装、金属加工など様々な工程を経て部品が作られており、何層ものサプライチェーンによって構成されます。

より良いミズノの製品を世界中にお届けするためには、パートナーであるサプライヤーとあらゆる面で協力関係を築くことが大前提です。加えて、ミズノのモノづくりを通じてサプライヤーの経営や労働環境が改善され、さらには生産効率化や競争力強化といったメリットをもたらし、またサプライヤー工場が立地する地域社会にもプラスの影響をもたらせるようにしたいと考えています。

徹底したCSR監査で人権・労働慣行・環境に向き合う

宮内:サプライヤーと協働する具体的な手段として、ミズノではCSR調達に取り組まれています。内容を教えてください。

佐藤氏:ミズノではCSR調達活動に2004年から取り組んでいます。ミズノのCSR調達は、取引開始前に行うCSR事前評価と取引中に行うCSR監査の2つがあります。CSR事前評価では「ミズノCSR調達規程」に基づいて、ISO26000が定める人権・労働慣行・環境の3項目で評価する仕組みにしています。

また、CSR監査については主要な委託先工場に3年に1回訪問監査を実施しております。CSR監査も事前評価と同様に、人権・労働慣行・環境の3つの側面に基づき、145のチェック項目があります。具体的には、監査員が訪問してオープニングミーティング、現場監査、書類監査、従業員インタビュー、クロージングミーティングを行っており、ISO9001や14001の認証審査と良く似た行程で監査を行っています。

宮内:145項目について、現地を訪問して監査をするのは大変ではないでしょうか。

佐藤氏:はい。チェックリストを送付、返信してもらうだけではなかなか現地の実態が分かりません。CSR監査は問題が顕在化した際のリスクを未然に防ぐためのもので、そうしたリスクをきちんと確認し、対話と働きかけによって改善することが重要だと考えています。そのため監査後のサプライヤーへのフィードバックや状況改善に向けた協働も重視しています。

宮内:実際の監査ではどれぐらいの工数がかかるのですか。

佐藤氏:工場の従業員数に応じた監査としているので大きな工場では2人がかりで3日かかることもあります。海外の監査の場合は多くは外部の専門機関にお願いしていますが、ほとんどの場合、工場の生産担当のミズノ社員が立ち会います。東南アジアをはじめとする多くの国々では、日本人には想像もつかない人権・労働問題が日々起きています。我々が関与することで、できるだけそうした問題を是正・改善したいと考えていますし、それが結果的に、不買運動などミズノにとっての大きなリスクを回避することにもつながると思います。

ミズノが注力して進めている環境配慮型商品の開発や今後の展望については、次回のインタビュー記事で紹介します。お楽しみに!

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話し手プロフィール

sato-pro-1.png佐藤 雅宏
ミズノ株式会社

法務部CSR課 上級専任職

岐阜県出身。1984年に慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、ミズノに入社。営業部、広報宣伝部を経て、7年前にCSR課に異動し現職に至る。

聞き手プロフィール

miyauchi-pro-1.png宮内 達朗 (みやうち たつろう)
アミタ株式会社

地上資源プラットフォームグループ
西日本カスタマーホスピタリティチーム 

香川県出身。立命館大学大学院社会学研究科を卒業後、アミタに合流。環境に関するテレマーケティングやセミナー企画・運営等の業務に携わる。現在は九州エリアにて廃棄物管理などを中心とした企業環境部に対する戦略支援業務に従事している。

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