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コラム

暮らしのそばで元気をつくるコミュニティナースのあり方と育成とは?コミュニティナース|人とつながりまちを元気にする

191112_001_communitynurse.jpg高齢化が進む中、病気を未然に防ぐことや疾病の悪化を防ぐ「未病」への対策が注目されています。とはいえ、通院や定期健診のハードルはまだまだ高いのが現実。そんな現状を解決する可能性があるのがコミュニティナースです。
本連載ではコミュニティナースが生まれた経緯や事例などから、今後地域や企業に与える可能性について、お伝えいただきます。第2回は、コミュニティナースのあり方と育成についてです。
(写真はフィールドワークでまちの人と会話する様子)

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アクティブリスニング|暮らしの身近な場所で関係性を築くスキル

コミュニティナースは、地域やコミュニティの中に入り込み、病気になる前から地域の人と関係性を築き、その方たちの困りごとや健康状態を活動の中で把握していきます。そのためには、看護の知識だけではうまくいかないこともたくさんあります。

暮らしの身近な場所で関係性をつくり、地域の人に対しておせっかいを焼くためには地域の人への「好奇心」が必要になってきます。地域の人は病院で話す時のように病状を訴えてくれる訳ではないので、こちらから積極的に話しかけたり、質問を投げかけたりする必要があります。そのためにコミュニティナースは、言語的な情報に限らず非言語の表情やしぐさから相手の潜在的なニーズを引き出す「アクティブリスニング」というスキルを使います。

「アクティブリスニング」とは一般的に相手の話を受動的に聞き流すのではなく、会話の中から事実や話者の感情を主体的に把握することで話の本質を明確にしていくことを指します。例えば、挨拶をして存在を知ってもらい、地域の人たちが健康に関わらず何に困っているのか、何が必要なのかを言語情報だけでなく、相手の表情やしぐさなどを含めたコミュニケーションを通じて明確にしていきます。

たくさんのまちの人とのコミュニケーションを繰り返すことで、誰がどんな暮らしをして、どんなことを楽しんで、何を望んでいるのか、など地域全体の状態が見えてきます。コミュニティの規模にもよりますが、3カ月から半年で現状把握をし、半年から1年の間で具体的なアプローチに着手し始めます。また現状把握とアプローチを実行する中では、アイデアから行動することを意識的に取り組み、短期的な成果を求め過ぎず、長期的な観点で関わり続けることや、課題を解決するために行動するのではなく、何か一緒に取り組むことから状況の改善に取り組み、結果、課題が改善していることを目指しています。そこで初めて、地域の抱える健康上の課題に対して効果的なアプローチを見つけることができるようになります。

コミュニティナースをひろげる社会実験

191112_002_communitynurse.jpg私たちは、コミュニティナースとしてまちに飛び出し、地域の人と関係性を築く第一歩を踏み出すための講座「コミュニティナースプロジェクト」を2016年から始めました。このプロジェクトは、約3カ月、コミュニティナースとして必要な姿勢や観点とは何か、自分が本当に実現したいことは何かなど、色々な視点からものごとを考えて実践できるようなトレーニングをしています。
(写真は東京都墨田区のヤッチャバ(朝市)のフィールドワークでお店のお手伝いをする様子)

地域の人に対する「好奇心」と「アクティブリスニング」のスキルを身につけるため、実際に地域の中に入り込んでいくフィールドワークで、地域の背景を知り、実践者の話を聞き、地域の人と接点を持つアクションをチームで体験します。

さらに、振り返りのセッションを通じて、自らが実践する動機を深め、自分の地域でのアクションに活かします。

参加者からは、以下のような声をいただいています。

  • 参加前後で、地域で活動するスピードが明らかに違うと感じます。自信がついたためか、地域に入り込むことに積極的になれました。
  • 習うのではなく、実践するためのヒントを得る場。教えてもらうのではなく、あくまでも自分で考えて動いていく。この講座で出会った人々とのご縁こそ、財産だと思いました。

コミュニティナースとしてのあり方や表現の仕方を考え、その人ならではの形で表現してみる、正解のない社会実験のスタートがこのプロジェクトです。

行政や企業が取り組むコミュニティナースプロジェクト

191112_003_communitynurse.jpgコミュニティナースを広げる中で、行政や企業の方々も地域へのアプローチとしてこのプロジェクトへの着目が進み、一部では導入が始まっています。奈良県で開催しているコミュニティナース養成講座は、2018年に移住・交流推進室の事業として、修了生が奥大和地域(奈良県東部南部)との関わりを持ち続けることや、地域を元気にする存在(コミュニティナース)として移住することを目的に実施しています。2019年10月現在、島根県内で約15名が雲南・江津・浜田・津和野・隠岐の5ヶ所で行政、NPO、医療機関などに所属したり、フリーランスとして活動しています。 活動内容は地域自主組織や、地元企業、市民団体や個人と連携したものまで多岐に渡ります。
(写真は島根県雲南市で開催された研修の様子)

また、2019年からは島根県雲南市の郵便局長のみなさんがコミュニティナースプロジェクトの研修を受講し、これからの地域へのアプローチのひとつとしてコミュニティナース的な関わりを検討し始めています。

参考情報

2020年1月スタートコミュニティナースプロジェクト第10期:募集要項 https://community-nurse.jp/1740

執筆者プロフィール

mr.morimoto.png森本 健太(もりもと けんた)氏
Community Nurse Company株式会社
育成事業責任者/事務局

東洋大学国際観光学科卒業、住宅建材商社、NPO法人ETIC.を経て、2017年からCommunity Nurse Company株式会社に参画。コミュニティナースプロジェクト第7期、第8期、第9期の責任者として41名のコミュニティナースを輩出。自らも神奈川県鎌倉市を拠点にコミュニティナースを活かした事業モデルづくりに従事。

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