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塩素やフッ素の濃度が高い廃棄物があるのですが、セメントリサイクルできる方法はありますか?

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セメントリサイクルでは、難しい可能性がありますが、塩素やフッ素それぞれの成分に着目したリサイクル方法があります。また、セメントメーカーが希望する濃度に調整してから納入し、セメントリサイクルする方法もあるので、既存の処理委託先や全国展開をしている処分会社等にご相談してはどうでしょうか。

セメント工場でのリサイクルとは

セメントの主原料は大きく石灰石、粘土、珪石、鉄原料の4種類となります。
この4種類の原料を工場に受入し、

  1. 乾燥
  2. 粉砕(工場によっては1と2をほぼ同時に行う。)
  3. 焼成(大きな円筒状の回転式の釜を使って溶岩状のもの(クリンカー)を作成。)
  4. 粉砕


上記工程を経たものがセメントとなります。基本的に投入した原料はすべてセメントの製品になり、外部に廃棄物が出ることはありません。セメント工場で廃棄物を使用できるのは、上記の石灰石、粘土、珪石、鉄原料の主原料に成分が近い、もしくは、焼成で使用する燃料の代わりになるという場合になります。

セメントリサイクルにおける塩素やフッ素とは

セメントを製造する上で、塩素やフッ素の濃度が高い場合は、製造工程や製品に悪影響が及ぶので、原料や燃料の代替として受け入れが出来ない場合があります。

製造工程では、焼成の工程で配管が閉塞し、生産ができなくなるという問題が発生しやすくなり、製品中の塩素やフッ素の濃度が高いと、鉄筋を腐食させる、固まる時間が遅くなる、強度が保てなくなる等の問題が発生します。
(セメント製品中の塩素濃度はJISで規格が決まっています。ポルトランドセメントでは350ppm)

セメントの基準値を満たすための中間処理

直接セメント工場に納入できない場合には、各メーカーが希望する受入可能な濃度に調整するという方法もあります。

例)セメントA工場の塩素受入規格値2000ppm
塩素4000ppmのままでは、受入不可ですが、同量の塩素0%の原料と調合できれば、塩素2000ppmとなり、納入可能な原料になります。
(※ただし、塩素以外の成分については、問題ないとした場合)

また、セメント会社の中には設備投資を行い、塩素除去装置を設置し、従来よりも塩素、フッ素に対する受入許容量が上がっている工場もあり、セメントリサイクルがよりしやすい環境にもなってきています。

塩素、フッ素成分に着目してリサイクルする場合

さて、セメント製造では厄介者扱いされる塩素、フッ素ですが、異なる業界では原料として使用される場合もあります。

一部の製錬メーカーでは、重金属の除去の為に、塩素化合物を添加することがあります。
また、外国から輸入するフッ素含有の鉱石の代わりに、フッ素含有物を原料として使用する化学メーカーもあります。

このように、廃棄物に含まれる成分に注目して、各業界で求められた成分と照らし合わせ、適切なリサイクルを考えることも可能です。
ですが、このようなメーカーは原料の集荷窓口が限られ、情報がオープンになっていない場合があります。既存の処理委託先や全国展開をしている処分会社等にご相談いただくのも一つの手かと思います。

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アミタの無駄なく廃棄物をリサイクルできる「調合」は、廃棄物のことを良く知ることから始まります。セメント、非鉄、鉄鋼、肥料等の素材産業を含む全国300箇所以上の再資源化パートナーと連携し、数々の再資源化を実施してきました。全国の多種多様な素材メーカーに発生品を原料・代替燃料として採用いただき、確実に運用してきたアミタだからこそのノウハウで、お客様のニーズに応じた最適な委託先を選定します。

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執筆者プロフィール
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五島 政和 (ごとう まさかず)
アミタ株式会社 プロジェクト推進グループ
プロジェクト推進チーム

1997年にアミタへ合流。徹底した顧客志向の営業に定評があり、名古屋では自動車メーカー、東京では化学メーカーの埋め立て廃棄物ゼロ達成に貢献。2008年より茨城循環資源製造所所長として、製造、営業両面から廃棄物再資源化に携わる。その後、震災廃棄物処理業務の現場監督として、14か月勤務し、東北復興に貢献。現在は廃棄物の利活用を追い求め、プロジェクト推進チームとして活躍中。

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