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CE100(サーキュラー・エコノミー100)とは?

Photo by Fred Kloet on Unsplash

CE100(Circular Economy 100)とは、2013年に英国のエレン・マッカーサー財団が設立した、サーキュラー・エコノミーの推進を目的としたプラットフォームです。企業、公共団体、地域組織、大学などが参加し、Circular Economy 100の文字通り、循環型経済の実現を目指して、団体間の連携強化や、業界情報の共有、また、循環型事業を社会実装させる前の実践の場として活用されています。2018 年 4 月には日本初の参加企業としてブリヂストンが、2019年3月には日本初の化学企業として三菱ケミカルホールディングスが参加しています。注目が集まるCE100の内容を解説します。

CE100の参加企業は?

2019年11月時点で、CE100のWebサイト上に公表されている企業数と企業名は下記となります。
▼参加企業一覧

参加形態 企業数 拠点 参加企業
CE100メンバー 112社 国内 ブリヂストン、三菱ケミカルホールディングス
国外 3M、ABInBev、ahrend、AMPROBOTICS、Apple、Aptar group、ARIZONA STATE University、ARUP、AVERYDENNISON、BASF、など
グローバルパートナー 11社 BlackRock、Danone、DS Smith、Google、H&M Group、Intesa Sanpaolo、Philips、Renault、SC Johnson、Solvay、Unilever
慈善パートナー 4社 MAVA、People's Postcode Lottery、SUN、The Eric and Wendy Schmidt Fund for Strategic Innovation
ナレッジパートナー 4社 Arup、Dragon Rouge Ltd.、IDEO、SYSTEMIQ

出典:エレン・マッカーサ―財団 Webサイトより、アミタ株式会社作成(2019年11月時点)

CE100の概要と特徴は?

CE100の目的は、サーキュラー・エコノミーの取り組みを推進することですが、その実現のための手法として、様々な立場の関係者による共同の場(もしくは市場形成前の競争の場)を提供するという点が非常に特徴的です。エレン・マッカーサー財団Webサイトでは、具体的に下記のように述べられています。

CE100のネットワークは、企業、公共団体、地域組織や大学、起業家など各分野で活躍するリーダーたちによる協業の機会や市場競争前の実践の機会を提供することで、市場形成を促進します。
ほとんどのグローバル企業は、競争力を維持するために、サーキュラー・エコノミーを戦略に組み込む必要があると考えています。これらの成功に向けては各企業の多大な努力が必要ですが、真剣に取り組む関係者たちは、新しい市場を構築するために共同で作業する必要性も認識しています。

参考:エレン・マッカーサー財団Webサイト「CE100について

上記の紹介では、サーキュラー・エコノミーの実践について、1企業での努力だけでは達成は難しいと明確に示されており、「様々な関係者が協力して取り組むことで、世の中を変えていこう」という意図が感じられます。また、市場競争前の実験的な機会を提供するという点が、今後、サーキュラー・エコノミーに取り組む企業にとっては、貴重な機会になると考えられます。

CE100参加のメリットとは?

大きなメリットとしては、CE100 内のメンバーと協同し、具体的な課題に取り組むことができるco.project(以下、共同プロジェクト)に参加できることが挙げられます。CE100内の専門知識とリソースを活用できるため、新たなビジネスチャンスの調査に伴うリスクや、必要なコストの分散ができます。
共同プロジェクトは、CE100の参加メンバーが選んだテーマに関して、2つ以上の他の組織と協同し、特定の課題に取り組むことができます。プロジェクト形式は様々で、調査レベルのものから実験的に小規模で行ってみる試作プロジェクト(パイロットプロジェクト)もあります。通常、半年~1年半程続き、具体的な成果が求められます。具体例は下記となります。

▼共同プロジェクトの例

プロジェクト プロジェクト内容 参加企業
3Dプリンターを駆使した部品製造による省資源化と製品の長寿命化 3Dプリンターによるスペアパーツの製造に関する取り組み。
(企業にて、生産機器の入れ替えがあると、過去の製品のスペアパーツが製造できなくなり、製品の修理が難しくなります。
しかし、3Dプリンターであれば、数年前に製造された製品であっても、スペアの部品を製造することができ、製品の寿命を延ばすことができます。また、大量の部品在庫をストックする必要もなくなるなどのメリットがあります。)
HP、Teleplan、IKEA、Philips、iFixit
使用済みおむつの回収と資源化 使用済みのおむつを一部の保育園から回収し、資源への活用について、実験する取り組み。 gCycle

出典:エレン・マッカーサ―財団 Webサイトより、アミタ株式会社作成

その他、CE100 では参加組織に対する学びの場が数多く提供されています。専門家によるワークショップや CE100 年次サミットの開催、e-ラーニングプログラムなど、具体的には下記となります。

▼CE100が提供する学びの機会

加速ワークショップ(Acceleration Workshops) CEに関する専門家の意見を得ながら、知識や個別の議題を共有するワークショップ。CEを取り組む上で、最新の情報やヒントを得ることができる。
年次サミット CE100によって開催される年次サミット。各分野・業界の戦略的な見通しを共有できる場であり、サーキュラー・エコノミー構築のための主要関係者との交流の機会を得ることができる。
学習ポートフォリオ エレン・マッカーサ―財団で開発された専門的な学習リソースとツールが利用できる。

出典:エレン・マッカーサ―財団 Webサイトより、アミタ株式会社作成(2019年11月時点)

CE100への参加の方法とは?

会員になるためには、オンライン参加申し込みフォームに、必要事項を記載して申請する必要があります。フォームでは、会社名や所在地などの基本情報に加え、10個の質問が記載されており、これらの回答がCE100メンバーの基準を満たすかどうかを判定するために利用されます。具体的な質問項目は下記を参照してください。回答を通じて、参加を希望する企業は、現在関わっているビジネスや活動がいかにサーキュラー・エコノミーの形成に資するのかを説明する必要があります。

▼CE100参加申し込みフォーム
https://ellenmacarthurfoundation.wufoo.com/forms/ce100-application/

▼CE100の基準に関する10の質問例

  • 自社の画期的なテクノロジー、サービス、またはビジネスモデルを教えてください。
    (あわせて、それらがCEをどのように推進するのかを教えてください。)
  • CE100ネットワークにどのような革新的な視点をもたらしますか?
  • 既存のCE100メンバーと連携していますか?(連携している場合は、連携先とテーマについて教えてください。)
  • 過去5年間、または該当する期間の収益成長率(米ドル)を教えてください。

出典:エレン・マッカーサ―財団Webサイトより、アミタ株式会社作成

最後に|これからサーキュラー・エコノミーに取り組む視点とは?

各企業はどのような視点から、サーキュラー・エコノミーに取り組んでいけばよいのでしょうか。具体的には、下記に注目して、事業の見直しを行うことをおすすめいたします。

  • 自社のバリューチェーンやサプライチェーンを改めて精査し、資源やエネルギーの使用や製品のライフサイクル、資産運用や運用の仕組みなどに無駄はないか?
  • 省資源やリサイクルの取り組みを進めることで、長年取り組んできたビジネスモデルを変革する余地はないか?
  • 資源活用の動きを加速させ、サプライチェーン全体で、"循環の輪を作る"ための取り組みや、消費スタイル自体の変化を与え、推進する商品・サービスを提供できないか?

現在、欧州各国のサーキュラー・エコノミーに向けた取り組みは様々な分野に及んでおり、日本企業も注目していく必要があります。経済産業省委託の調査結果によると、特に国内へ影響が大きい分野は、「製品政策とプラスチック政策」と言われています。この分野については、欧州委員会は、グローバルレベルでのルールメイキングを仕掛けてきており、法令改正などの動きも実際に起こっています。
今後、サーキュラー・エコノミー構築への取り組みは具体的な政策や法令等へ落とし込まれ、企業への要求事項は高度化していくと考えられます。要求されてから対応するのでは遅れをとる可能性があり、早めの対策が求められます。

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参考情報

▼エレン・マッカーサ―財団Webサイト「CE100について」 
▼経済産業省委託調査「平成30年度地球温暖化・資源循環対策等に資する調査委託費(資源効率に関する国際動向調査)」調査報告書 

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執筆者プロフィール

宮﨑 希如子(みやざき きしこ)
アミタ株式会社
環境戦略デザイングループ サステナビリティステージユニット

2018年アミタ(株)入社後、環境関連業務に係るソリューション提案の営業職に従事。アソシエイトとして、関西地区の企業向けに環境管理業務の効率化や環境法令・廃棄物管理業務のリスク診断等の支援提案、アドバイザリー支援実績をもつ。また、企業資材の循環利用スキーム構築のための調査支援を進める。

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