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世界で急務の温暖化対策、日本の目標と産業部門の温室効果ガスの排出状況は?

Photo by Anne Nygård on Unsplash

世界で注目が集まる「地球温暖化対策」。温室効果ガスの削減が急務となっています。2019年12月に発表された、『「気候変動に関する国際連合枠組条約」に基づく第4回日本国隔年報告書』(以下、第4回隔年報告書)をもとに、日本の温室効果ガスの削減目標と排出状況、産業部門における動向について、ご紹介します。

日本の地球温暖化防止に向けての目標は?

2020年1月時点で、日本の温室効果ガス削減目標は、2016年5月に閣議決定された「地球温暖化対策計画」より、下記となります。

2030年までに温室効果ガスの排出を2013年度比で26.0%削減する

本目標は、2015年7月に国連気候変動枠組条約事務局に約束草案(INDC)として提出され、パリ協定の発効に伴い、「自国が決定する貢献(NDC)」として登録されています。なお、本目標は、中期目標と呼ばれており、長期的目標としては、2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すことが位置付けられています。

最新の温室効果ガスの排出状況は?

最新の排出状況については、毎年12月を目途に、環境省より年間の「温室効果ガス排出量(速報値)」が発表されます(確定値は4月頃の公表)。2020年1月時点での最新情報は、2018年度のデータ(2019年11月公表)ということになります。温室効果ガスの種類別に表に示します。

▼「地球温暖化防止対策」における温室効果ガス別の排出抑制に関する目標

温室効果ガス名 目標設定 排出量
(2018年度/速報値)
エネルギー起源二酸化炭素(CO2) 2030年度において、2013年度比25.0%減の水準(約9億2,700万t-CO2) 10億6,000万t-CO2
非エネルギー起源二酸化炭素(CO2) 2030年度において、2013年度比6.7%減の水準(約7,080万t-CO2) 7,900万t-CO2
メタン(CH4) 2030年度において、2013年度比12.3%減の水準(約3,160万t-CO2) 2,970万t-CO2
一酸化二窒素(N2O) 2030年度において、2013年度比6.1%減の水準(約2,110万t-CO2) 2,020万t-CO2
代替フロン等4ガス
(HFCs,PFCs,SF6,NF3)
2030年において、2013年比25.1%減の水準(約2,890万t-CO2) 5,500万t-CO2

出典:環境省「地球温暖化対策計画」(2016年5月決定)、「2018 年度(平成30年度)の温室効果ガス排出量(速報値)<概要>」(2019年11月29日公表)を基にアミタ(株)が作成

目標値と比べると、2018年時点で、メタンと一酸化二窒素の排出量は、2030年度の目標設定値以下となっていることがわかります。このように温室効果ガスの種類の違いによっても達成状況は異なります。

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出典:環境省Webサイト「第4回隔年報告書」より

また、上図は、2019年12月に発表された「第4回隔年報告書」のデータです。温室効果ガスの排出量の推移をみると、軒並み減少傾向にありますが、HFCs(ハイドロフルオロカーボン類)のみ増加しています。環境省によると、これらの要因としては、「オゾン層破壊物質(ODS)からの代替に伴い冷媒分野からのHFCsの排出量が増加したこと等」が挙げられています。環境省はフロン類の回収を強化しており、2020年4月にはフロン類にかかる罰則強化などが開始されます。

産業部門(製造業/非製造業)におけるCO2排出量は増加しているのか?

なお、日本の温室効果ガス排出量の約9割が、燃料の燃焼に伴うCO2(エネルギー起源CO2)であることから、その増減要因を分析するために、「第4回隔年報告書」では、「電気・熱配分後の部門別エネルギー起源CO2排出量」が算出されています。これらは、エネルギー転換部門における発電及び熱発生に伴うCO2排出量を各最終消費部門に配分した排出量であり、結果は下記となります。

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出典:環境省Webサイト「第4回隔年報告書」より

さらに、産業部門における増減分析の結果が示されています。(下表参照)産業部門について、内訳をみると「製造業」ではCO2削減を達成する一方、「非製造業」では増加となっています。どちらにおいても、電力の排出原単位の悪化による、CO2排出量増加が見られ、発電時のCO2排出量への考慮も必要です。省エネの取り組みに合わせて、「どのようなエネルギーを自社で利用するのか」という視点も重要です。

▼2017年度における増減分析

部門 詳細
産業部門(1)製造業 2017年度における製造業部門のCO2排出量は3億8,600万トンであり、2005年度比11.5%の減少、2013年度比12.2%の減少となっている
2005年度からの最も大きな減少要因は、生産量が低下した一方で製造業の付加価値(GDP)が回復し生産量当たりの付加価値が上昇したことによる「付加価値要因」、次いで工場における省エネ・節電への取り組み等による「エネルギー消費原単位要因」である。
一方、最も大きい増加要因は、製造業のGDPの増加による「経済活動要因」、次いで電力の排出原単位の悪化による「CO2排出原単位要因(購入電力)」となっている。
産業部門(2)非製造業 2017年度における非製造業部門のCO2排出量は2,700万トンであり、2005年度比13.5% の減少、2013年度比5.9%の増加となっている
2005年度からの最も大きな減少要因は、産業構造の変化による「構造要因」である。一方、 最も大きな増加要因は電力の排出原単位の悪化による「CO2排出原単位要因(電力)」である。

出典:環境省Webサイト「第4回隔年報告書」よりアミタ(株)作成

産業部門における今後の施策

「第4回隔年報告書」より、産業部門における施策は下記となります。エネルギーの管理徹底と省エネルギーが重視されています。

▼温室効果ガスの排出削減、吸収等に関する対策・施策(産業部門(製造事業者等)の取り組み)

カテゴリ 概要
1)産業界における自主的取り組みの推進
  • 低炭素社会実行計画の着実な実施と評価・検証、その促進
  • モーダルシフト等、産業界の民生・運輸部門における取り組み
2)省エネルギー性能の高い設備・機器の導入促進
  • 工場・事業場におけるエネルギー管理の徹底
  • 省エネルギー性能の高い設備・機器の導入促進
3)徹底的なエネルギー管理の実施
  • 工場のエネルギー管理システム(FEMS:Factory Energy Management System)を利用した徹底的なエネルギー管理の実施
  • 中小企業の排出削減対策の推進
4)業種間連携省エネの取り組み推進
  • 複数の工場・事業者がエネルギー融通等の連携を行うことで、更なる省エネルギーが可能となるため、こうした複数事業者間の連携による省エネルギーの取り組みを支援する。

出典:環境省Webサイト「第4回隔年報告書」よりアミタ(株)作成

各経済団体の2030年度目標に対する進捗評価結果も、「第4回隔年報告書」より発表されています。

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出典:環境省Webサイト「第4回隔年報告書」より

いかがでしたでしょうか。2015年に採択されたパリ協定では、各国が5年ごとに温室効果ガスの削減目標(NDC)を提出・更新し、見直しに当たっては、その目標は、従前の目標からより高い目標へと引き上げていくことが規定されています。そのため、日本の削減目標も今後、引きあがると考えられます
企業においては、今後に備え、長期的な排出削減目標を持ち、CO2削減に向けたロードマップを策定・実行することが必要です。省エネ等の従来の取り組みに加え、再生可能エネルギーの利用やSBTiなどの認定取得など、様々な取り組みが考えられます。

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執筆者プロフィール(執筆時点)

amita_ishida77.png石田 みずき(いしだ みずき)
アミタ株式会社

サステナビリティ・デザイングループ マーケティングチーム

滋賀県立大学環境科学部を卒業後、アミタに入社。メールマガジンの発信、ウェブサイトの運営など、お役立ち情報の発信を担当。おしえて!アミタさんへの情熱は人一倍熱い。

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