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令和元年(2019年)|PCB特措法と廃棄物処理法の施行規則が改正されましたが、どのような点が改正のポイントなのでしょう?

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期限までの処理が求められるポリ塩化ビフェニル廃棄物(以下、PCB廃棄物)。2019年12月20日「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」(以下「基本計画」)が変更(閣議決定)され、同日に関係法令が改正(公布)されました。

今回の改正では「無害化処理認定施設等の処理対象となるPCB廃棄物の拡大」など、事実上の規制緩和が行われています。詳しく解説します。     

※PCB廃棄物に関する基礎情報については、過去の関連記事をご覧ください。

目次

PCB廃棄物の分類について

PCB廃棄物は、PCB濃度により高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物に分類されます。
高圧変圧器・コンデンサー等の高濃度PCB廃棄物は中間貯蔵・環境安全事業株式会社(以下、JESCO)で処理を行っています。低濃度PCB廃棄物については環境大臣が認定する無害化処理認定施設および都道府県知事等が許可する施設で処理を行っています。

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出典:環境省パンフレット「ポリ塩化ビフェニル(PCB)使用製品及びPCB廃棄物の期限内処理に向けて」より

改正ポイント1:従来の高濃度PCB廃棄物の一部が、低濃度PCBとして処理可能に

今回の改正は、これまで高濃度PCB廃棄物(当該廃棄物のうち、PCBを含む部分が重量を占める割合で0.5%を超えるもの)に分類されていたもののうち、「可燃性の廃棄物で、PCBを含む部分が重量を占める割合で0.5%を超え10%以内のもの」が、新たに低濃度PCB廃棄物に区分されることになった点が大きなポイントです。場合によっては、従前の含有率の20倍もの比率でPCBが含まれていても、低濃度PCB廃棄物として処理できるようになります。低濃度PCB廃棄物になれば、処分方法の規制も緩和され、処分期限も従来より長く(期限日が遅く)設定されることとなります。ただし、金属くずやガラスくずなど、非可燃物の高濃度PCB廃棄物の扱いは、従来の区分方法(PCB含有率0.5%超)と変わらないため注意が必要です。

改正対象となった可燃性のPCB廃棄物(含有率10%まで低濃度PCB廃棄物の扱い)とは、次のものです。

  • 汚泥、紙くず、木くず又は繊維くず、その他PCBが塗布され、又は染み込んだ物が廃棄物となったもの。
  • 廃プラスチック類のうち、PCBが付着し、又は封入されたもの。

改正対象とならない非可燃性のPCB廃棄物(含有率0.5%を超えると高濃度PCB廃棄物の扱い)とは、次のものです。

  • 金属くず、ガラスくず、陶磁器くず又は工作物の新築、改築若しくは除去に伴って生じたコンクリートの破片その他PCBが付着し、または封入された物が廃棄物となったもの。

※PCBを含む油が廃棄物となったものも、従来通り含有率0.5%を超えると高濃度PCB廃棄物となります。

改正ポイント2:従来の(改正前の基準における)低濃度PCB廃棄物の焼却・無害化処理温度の条件が1,100℃以上から850℃以上に引き下げ

今回の法改正以前の低濃度PCB廃棄物(重量割合でPCB含有率0.5%以下)の焼却・無害化処理温度の条件は原則1,100℃以上でしたが、法改正によって850℃以上に引き下げられました。ただし、新たに低濃度PCB廃棄物に区分されることとなったPCB含有率0.5%超~10%以下のPCB廃棄物については、従来通りの焼却・無害化処理温度(1,100℃)で処理することが求められます。

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表はクリックすると大きくなります。

2019年の法改正によるPCB廃棄物の保管者等への影響とメリットは?

① 可燃物のPCB汚染物の処理において低濃度PCB廃棄物となる基準が大幅に緩和されたため、(JESCOでしか処理を委託できない)高濃度PCB廃棄物に比べて処理費用が低廉な各地の民間処理業者(無害化処理認定施設等)に処理を委託できる対象が拡大された。

② 可燃物のPCB汚染物のうち、低濃度PCB廃棄物として処理できる対象が拡大されたため、新たに低濃度PCB廃棄物となったものについては、最終的な処理期限が高濃度PCB廃棄物よりも長い2027年(令和9年)3月末日まで延長された。

③ 改正前の基準における低濃度PCB廃棄物の処理基準が緩和され、焼却・無害化処理温度焼却温度が1,100℃以上から850℃以上まで引き下げられたことにより、低濃度PCB廃棄物を無害化処理委託できる認定施設数が増加することが期待される。

【関連記事】PCB廃棄物の処理期限や処理費用について

今回の法改正は事実上の規制緩和と言えますが、これまでの焼却処理の実績や、処理試験の結果を踏まえた改正となっています。処理期限が迫るPCB廃棄物の処理をより迅速なものとするために、緩和された条件での無害化処理工程の十分な安全性を確認した上で取られた、より現実的な施策と言えるでしょう。PCB廃棄物保管者にとっては、法改正の意味を正しく理解し、有効に活用する対応策を取ることが望ましいと思います。

本件に関するよくある質問

Q. すでに高濃度PCB廃棄物として、登録等を行っている場合はどうしたらいいですか?

A. 環境省の通知にて、以下の様に述べられてます。確認の上、登録解除を行いましょう。
「(PCB廃棄物が、)現にJESCOに登録等されている場合、無害化処理認定施設または許可施設での処理が可能であることを保管事業者において確認後、JESCOにおいて登録等を解除する手続を行い、無害化処理認定事業者又は許可事業者と処分委託契約を締結していただくこととしている。」

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執筆者プロフィール

本多 清(ほんだ きよし)
アミタ株式会社
サステナビリティ・デザイングループ デザインチーム

環境ジャーナリスト(ペンネーム/多田実)を経て現職。自然再生事業、農林水産業の持続的展開、野生動物の保全等を専門とする。外来生物法の施行検討作業への参画や、CSR活動支援、生物多様性保全型農業、稀少生物の保全に関する調査・技術支援・コンサルティング等の実績を持つ。著書に『境界線上の動物たち』(小学館)、『魔法じゃないよ、アサザだよ』(合同出版)、『四万十川・歩いて下る』(築地書館)など。

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