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インタビュー

株式会社スリーハイ 代表取締役 男澤 様 横浜市のCSR認定を取得する中小企業のメリット


前回ご紹介した横浜市のCSR認定を取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか。今回は実際に認定を取得した「株式会社スリーハイ」の男澤様にCSR認定に応募した経緯や取得後の変化について伺いました。

猪又: 横浜市のCSR認定を応募したきっかけは?

男澤氏: はじめ横浜市のCSR認定マークがほしいと考えており、これからは地域に根付く企業でありたいという思いから1年ほど時間をかけて2010年に取得しました。取得当時はCSRを行っているという実感がありませんでした。なんでこんな認定をとってしまったのだろうと考えたこともあります。ですが今は、未来を予測することができない経済だからこそ企業価値を高めるために必要なことだと思っています。

例えば、パン屋を始めるとします。ですが既にパン屋は多数あり、周りにあるパン屋と比較した際、どう自分たちを差別化するかということが課題になってきます。ではどう差別化をするのか。

ひとつは商品で差別化を図ることができます。これは多くの企業ができることです。国内産の材料を使うなど、小麦粉を最上級にし、試食キャンペーンなどで多くの消費者に知ってもらうことで達成されます。ですが、これでは同業者内でコスト競争が始まります。コスト競争がはじまると、中小企業は資金の豊富な大手企業に負けてしまいます。いくら良いパンを作ったとしても、自分たちのパン屋がすごいということは、言えなくなってしまいます。

もうひとつは商品ではなく、企業で差別化を図ることができます。これは企業価値を高めることで、その地域になくてはならないパン屋になるということです。つまり愛される企業になるということです。


猪又: 具体的には現在どういう活動をされているのですか?

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男澤氏: 地域のNPOと協力して、まず町の声を聞くことから始めました。そのきっかけ作りは、地元の中学校にコミュニティハウスが隣接してあり、そこに週 1・2 回通い仕事をすることです。そのコミュニティハウスは町の人も、学校の人も、生徒さんも利用して良いというフリースペースになっています。そこへ通るうちに学校の先生から「今度小学 3 年生に町探検という社会科見学の授業があるのですが、会社に行ってもよいでしょうか。」と相談されたのです。結局、うちの会社の前を通っただけなのですけど(笑)

そのとき学校の先生や引率に協力してくださったPTAの方々から、感謝のお言葉のほかにも、都筑区にこういう会社があるのは嬉しいし、また来年もお願いしたいと言っていただきました。さらに私がびっくりしたことは、子どもたちが会社のホームページや印刷物を見たり、お父さんに聞いたりして、「ヒーターって何?」「スリーハイって会社知ってる?」等、うちの会社のことを一生懸命調べてきてくれたことです。はじめはちょっと不思議な気分でしたが、自社の知名度をあげるという意味では、ものすごいことをしたんだなと実感しました。その子どもたちが将来、もしかしたらスリーハイの商品を買ってくれるかもしれないし、そのお父さんやお母さんもスリーハイという会社がこういうことをしているというイメージアップにもつながります。

やはり自分から町の声を聞くためのアンテナをはり、積極的に動かないとこのようなつながりは生まれず、地域貢献はできないと思うのです。中小企業では大手企業と比べてお金はかけられませんが、そのかわりに大手企業ではなく、中小企業にしかできないCSR活動があり、地域に貢献できると思っています。

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プロフィール

【話し手】
男澤 誠 氏
株式会社スリーハイ
代表取締役

東海大学卒業。日本コムシス株式会社技術開発部で社内アプリケーション制作と無線局通信インフラシステム構築、2000年には"2000年問題"経験し忙しい日々を送る。その後退職し、株式会社スリーハイへ入社。2009年に代表取締役に就任。現在では地元小学校、中学校とコラボし防災マップを制作したりするなど協働意識を広めるために地域、企業、NPO団体との連携強化に力をいれている。「中小企業のブランディング戦略(最愛戦略)」「これからの新しい企業価値と は」等の講演実績多数。


【聞き手】

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猪又 陽一
アミタ株式会社
総合環境ソリューション営業グループ
ナレッジソリューションチーム チームリーダー

早稲田大学卒業。株式会社ベネッセコーポレーションにてダイレクトマーケティングを経験し、外資系ネット企業の日本法人の立ち上げや株式会社リクルートエージェントにて新規ビジネスを軌道にのせる。その後アミタに合流し、環境分野におけるマーケティングや仕事・雇用・教育をテーマに研究開発。「おしえて!アミタさん」「CSR JAPAN」をプロデュースし、サイト集客数を約300%アップさせる等、環境やCSR戦略・マーケティングに従事。グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク BOP/ソーシャルビジネス分科会幹事。環境省「活かそう資源プロジェクト」メンバー。現在、環境新聞にて「CSRの光と影」を連載中。

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