2014年eco検定を大改訂。改訂に寄せられる思いとは | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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インタビュー

東京商工会議所 検定センター 小島 和明様 / 北川 祐介 様2014年eco検定を大改訂。改訂に寄せられる思いとは 初心者向け

東京商工会議所が実施する「eco検定」は、これまでの受験者総数約33万人。環境分野では大成功ともいえる検定ではないでしょうか?その公式テキストが、2014年"大改訂"を行うということでその意図はどこにあるのか?改訂の内容とともに、そこに寄せられる思いについて東京商工会議所 検定センターの小島氏と北川氏にお話を伺ってきました。

2014年eco検定を改訂するにあたって

猪又:受験者総数約33万人ですか?すごいですね。

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小島氏:はい。2013年度分まで含めてですが、社会人の方が受験者全体の約80%で残りの20%が学生・一般の方という割合です。

猪又:2006年からのスタートですが、受験者数ももちろんのこと、受験者の傾向も少しずつ変わってきているのではありませんか?

小島氏:そうですね。2006年当初はやはりISOご担当者など、環境の仕事に直接携わっている部署の方の受験が多くを占めていました。しかしここ最近は、営業職や事務職といった、社内でもこれまで環境分野を直接仕事としていなかった職種の方の受験が増えているのが、最もはっきり変わった傾向の一つですね。

北川氏:専門の方から一般の方へ認知が広がってきた、と思えますね。eco検定がスタートした頃というのは、京都議定書の締結などによって企業としても更なる環境対応を求められるようになった時期です。しかしながら、企業が社員の環境に関するリテラシーを高めたいと思っても、基礎的なことを学ぶことのできる汎用的な環境教育ツールというものがまだ整っていなかったと思います。そこで、地球環境問題について基礎部分を総合的に学習する教育ツールを東京商工会議所として提供しましょうということで、eco検定の企画・創設にいたったわけですが、スタートから大変多くの方に受験していただくことができました。

猪又:確かに「環境分野全体を広く」というのは、それまで無かったかもしれませんね。

北川氏:ええ。それもあって色々な職種の方に受験していただけていると思います。ただ残念ながら、eco検定の受験者数も少し減少してきています。我々としては、テキストや試験のクオリティを高めて、より企業の環境経営に役立つツールにしていきたいと考えているんです。

eco検定は企業の環境経営に役立つツールとして活用してほしい

猪又:そこで今回のテキスト改訂、ということですね。

小島氏:そうです。前回改訂から2年経っていますので、もちろん法改正や震災発生を受けて新たに学習する事項が増えたということもありますが、2006年の創刊当初から同じ章立てで提供してきた構成自体を、より企業・世間のニーズに沿うものにしたいと考えて、全般的に見直すことにしました。検定試験創設から初の、"大改訂"です。

まず、地球温暖化に関するメカニズム、エネルギー、生物多様性の3つの分野が大きく拡張されていますね。そして、東日本大震災の影響とそれに伴う放射性物質についての知識、この部分が新しく追加されました。

猪又:なるほど。今回の改訂も踏まえて、eco検定を受ける、そのために勉強するということが、企業人にとってどういう意義を持つと考えられますか?

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北川氏:例えば今まで、環境に関する知識がないまま、自社の製品やサービスを営業していたとしたら、おそらくパンフレットを棒読みしていたり、知ったふりをしていたりした場面が少なからずあるのではないでしょうか。しかし、体系だった知識をきちんとバックグラウンドとして持つことで、商品やサービスの説得力は、明らかに増してきます。さらに言うならば、知識を得ることで複眼的な視点をもてるようになり、企業としてのリスクヘッジにも繋がっていくと思います。例えば、石油系の油を植物系に変えたからすなわち地球にやさしいと結論するのではなく、その植物の収穫のされ方にまで気を配ることができる、というように、様々な観点からより正しい判断をくだせるようになると考えています。

小島氏:我々は、基本的に、「環境に関係のないビジネスはない」と謳っています。環境に配慮した企業というのは、もはや製造業だけに求められるものではなくなってきているんですね。ものづくりでない企業であっても、環境知識をきちんと持った商品・サービス説明ができたり、営業ができたりといった会社であることが、今後は本当に必要になってくる。これまで以上にあらゆる業種、あらゆる職種の方にeco検定を受けていただいて、環境に配慮した企業、ビジネスパーソンになっていただきたいなと。これから環境経営へシフトしようとする皆さんを、今回の改訂によって後押ししたいという思いはありますね。

猪又:では最後に、皆さん気になっていると思いますが、今回の改訂によって、今までよりもeco検定、難しくなりますか?

小島氏:難しい質問ですね・・・。(笑)

北川氏:大きくリニューアルしているので、すでに受験した方も、ぜひ、再度受け直していただけると嬉しいですね。ちょっと項目が増えてページ数も増えていますので、多少大変になったと感じられるかも知れませんが、難易度は変わっていませんよ。

小島氏:公式テキストを熟読していただければ、大丈夫です!(笑)

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eco検定の関連情報

企業のCSR・環境活動の課題として最もよく聞かれるものの一つに、経営層や社員の巻き込みがあります。CSRや環境活動の重要性が社員に理解してもらえない、という課題をお持ちのご担当者様も多いのではないでしょうか。全社でeco検定を活用して環境教育をされている企業様にお話を伺いました。

▼eco検定企業活用事例
社内を巻き込む環境教育(1):自分でやってみせてから活動を広げる
社内を巻き込む環境教育(2):eco検定の受検で知識と実務がつながった


▼2014年度eco検定試験日程はこちら
http://www.kentei.org/support/2014.html

プロフィール
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(写真左から)東京商工会議所 検定センター 小島 和明 氏 / 北川 祐介 氏

聞き手
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猪又 陽一
アミタ株式会社
環境戦略支援グループ CSRプロデューサー

早稲田大学理工学部卒業後、株式会社ベネッセコーポレーションに入社。理科教材やダイレクトマーケティングを経験後、外資系ネット企業やベンチャーキャピタルを経て株式会社リクルートエージェントに。インターネット転職市場の新規事業を軌道に乗せた後アミタに合流。環境・CSR分野における仕事・雇用・教育に関する研究に従事。環境省「活かそう資源プロジェクト」メンバー。GC-JNの分科会幹事を歴任。現在、CSRレポート比較サイト「CSR JAPAN」をプロデュース。企業、大学などで講師やファシリテーターなど経験多数。2010年企業ウェブ・グランプリBtoB部門「おしえて!アミタさん」受賞。学生へのCSRレポート普及などのプロボノとしても活躍。

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