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コラム

エコロジカル・フットプリントとは?〜僕らの生活は地球何個分?土壌汚染とのオトナな付き合い方

footprint_by_JeremyMcWilliams.jpg土壌汚染の話題ではないのですが、猛暑も一段落、ということでご容赦ください。
さて、エコロジカル・フットプリントという言葉、聞いたことはありますか? 英語で書くとEcological footprint、直訳すると、"生態学的な足跡"ですね。環境負荷を炭素の排出量で評価するカーボン・フットプリントと語感はよく似ています。

Some rights reserved. Photo by JeremyMcWilliams

つい先日、環境保全団体WWFのウェブサイトでJAPAN Ecological Footprint Report2009が公開されました。このレポートはWWFとGlobal Footprint Networkが作成したもので、世界では毎年公開されていたようですが、日本語では初めて公表された、とのことです。 僕も8月28日に横浜国大で開かれた講演会でエコロジカル・フットプリントについて初めて知りました。

レポートはWWFのウェブサイトに英語版、日本語版があります。 このレポート、デザイン的にも非常に見やすく、美しいです。個人的には途中で出てくる猫が良いですね。

>>WWFのエコロジカル・フットプリントのページはこちら

エコロジカル・フットプリントとは?

このレポートの冒頭には、

「世界の人々が私たちと同じ暮らしをすると、地球は23個必要になると言われています。わたしたちが地球1個分の暮らしをするためにはどうしたら良いのでしょうか?」 という言葉があるように、エコロジカル・フットプリントは、マクロの環境負荷を示す指標の1つであり、"グローバル・ヘクタール"という土地面積を指標として評価するものです。

前述のレポートによると、エコロジカル・フットプリントとは、 「地球環境が本来持っている生産力や廃棄物の収容力と、人間による消費量や廃棄量とを比較し、"グローバル・ヘクタール(gha)"という理念上の面積に換算した数値です。」 と定義されており、 「この数が高ければ"環境への圧力が強い国"、つまり、その生活を支える上で、"広大な地球の面積を必要とする国"ということになります。」と説明されています。

つまり、地球環境が本来持っている生産力や廃棄物の収容力(バイオキャパシティ)と人間による環境負荷(消費や排出:エコロジカル・フットプリント)、をそれぞれ算定し、比較することで、現在の生活の持続可能性について評価しよう、という試みです。

エコロジカル・フットプリントでは、土地区分として、牧草地、森林地、耕作地、漁場、生産能力阻害地、カーボン・フットプリントを考慮しており、炭素排出量を中心としたカーボン・フットプリントよりもより多面的に環境負荷を捉えようとしています。

僕らの生活は地球何個分?

表に、2006年度の世界と日本のバイオキャパシティとエコロジカル・フットプリントを示します。 表1:2006年度のバイオキャパシティとエコロジカル・フットプリント

table_ecologicalfootprint.GIF

出典:JAPAN Ecological Footprint Report2009

2006年度の算定では、地球全体のバイオキャパシティは119億gha、エコロジカル・フットプリントは171億ghaと算定されており、既にエコロジカル・フットプリントの方がバイオキャパシティよりも1.4倍ほど大きくなっています。

この指標から見ると、人類全体の生活は地球1.4個分ということですね。

また、日本では、バイオキャパシティは0.8億gha、エコロジカル・フットプリントは5.3億ghaとなっており、こちらもバイオキャパシティがエコロジカル・フットプリントを上回っています。

算定方法等の詳細については、上記のレポートとGlobal Footprint Networkのウェブサイトを参照していただきたいと思います。私も詳細に計算方法、前提条件、考慮していない事項などは把握していないのですが、前述の講演会では原子力エネルギーの考慮の仕方や、生産ベースではなく消費ベースで考えていることなどに対して質疑があるとともに、エコロジカル・フットプリントは全体としての環境負荷を評価し低減するための方策を検討するもので、地域における絶滅危惧種等を保全するための指標ではない、ということが述べられていました。

終わりに

僕が、この指標が良いな、と思うのは、以下の点です。

  1. 地球何個分というように、指標に「土地」を用いることで直感的にわかりやすいこと
  2. 地球の有限性、という点において最重要と僕が考えているエネルギーと食料という両方を含んでいること

今後は、カーボン・フットプリントと同様に製品のエコロジカル・フットプリントを算定しよう、という動きが出てくるかもしれません。 また、もしかすると名古屋で開催されるCOP10においては、1つのキーワードになるかもしれません。 日本では、エコロジカル・フットプリント・ジャパンというNPOが普及活動をされているようです。 ということで、今回は土壌汚染とは関係なく、エコロジカル・フットプリントについて紹介してみました。次回からはまた土壌汚染についてのコラムに戻ると思いますのでよろしくお願いいたします。

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執筆者プロフィール

保高 徹生 (やすたか てつお)

京都大学大学院農学研究科 博士前期過程修了、横浜国立大学大学院 博士後期過程修了、博士(環境学)。環境コンサルタント会社勤務、土壌汚染の調査・対策等のコンサルティング、研究を行う。平成19年度 東京都土壌汚染に係る総合支援対策検討委員会 委員。

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