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日本の企業では、どのような展開がCSVとして注目されるのですか?

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事業で共創的な関係を築き、社会的価値の実現と同時に事業価値や競争力を高める点で、新しい動きが出てきています。

直接CSV(Creating Shared Value)を標榜してはいませんが、東日本大震災で「復興の星」として岩手の工場生産を守り、地域貢献をプロモーション展開しているトヨタ自動車株式会社の"アクア"。コメ粒からパンをつくり、日本の農の未来づくりに広がりつつあるホームベーカリー"GOPAN"。東ティモールでの衛生活動から東日本大震災でのシニア向けの衛生活動と結びついた"ネピア"。

これらは、企業というよりは、商品・サービスが基点となって共創的に社会と事業の両立が目指されています。本業での社会的イノベーションを生み出そうとする動きとして、こうした動きも、広くはCSVと言えるのではないでしょうか?

企業が社会イノベーションを目指すことへの期待

90億に膨れ上がる地球人口、自然資本の急速な減少、無縁社会化が加速するかのような「つながり」の欠如等、企業が直面する課題は、これまでとは比べものにならない難しさと深刻さをもつ社会との関わりが前提になります。

企業が社会への責任や影響力をよりポジティブに転換するために、商品やサービスに社会をよりよくするイノベーションを自ら課していくことが広がっています。

また、そのために、社内での個人の役割への認識も変わりつつあると思います。例えば、リコーの志チームのように、個人が主体的に関わり、企業内にありながら社会起業家の精神を持ち、より良い社会をつくるための新事業や新商品開発を志す「ソーシャル・イントラプレナー」が注目されています。オープンイノベーションや、ソーシャルメディアを活用するなど、個人が企業とバランスを取りながら、フラットに社会の動きに関わる動きも多く見られるようになりました。

こうした意味で、今までのCSR活動と違う次元での活動が生まれ始め、また新しい展開への期待を込めてCSVが語られているのかもしれません。

CSVは、創発的イノベーションを生み出す

マイケル・ポーター教授は、CSVの可能性は、事業の考え方を大きく変えると述べていますが、社会目的の活動が、新しい事業展開を生む可能性は強調されていいと思います。

特に注目したいのは、社会的影響力を持つ様々な「個人」が動くことで、「共」の領域として今までにない「社会関係資本」を生み出し、それが事業価値を創出する可能性です。CSVに期待されるのは、関係づくりへのコミュニケーションが、様々な「つながり」をもたらし、創発的なイノベーションを生み出していくことではないでしょうか。それは同時に、技術でのガラパゴス化や、コモディティ化する企業のマーケティングでの解決ともなる可能性をもっています。

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執筆者プロフィール
Mr.mori.jpg森 一彦 氏
株式会社 大広
275(つなご)研究所主任研究員
『つなぐチカラを変えるチカラに』をテーマに、ソーシャルイシューや環境をテーマに、社会共創的な事業開発サポートを目指す活動を展開する。今まで、博覧会関連、飲料系の商品開発や事業コンセプト、ものづくり系、サービス系での事業ビジョン策定に関わり、「大広ブランドデザイン」では、ブランド・コンサルティングを担当した。今は、社会との価値共創に向けて、ダイアローグ(対話)をベースにして、ワークショップなどの新しい「つながり技術」を開発中。東京大学大学院社会学修士終了。 環境プランナーER。21世紀社会デザイン研究学会所属。つなぐ人フォーラム実行委員。


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