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コラム

資産除去債務:「環境」×「財務」その3リレーコラム

some_right_by_LarsPlougmann.jpg【前回までのあらすじ】 ある企業の環境部門に勤める高橋さんは、自分が持っていたある会社の株式の株価が下落したことをきっかけに「資産除去債務」の存在を知る。その日、ちょうど会社では、同期で経理部の桜井君から環境部と経理部の合同会議へ召集されていた。桜井君が語る、資産除去債務への対応の難しさとは・・・?

Some Rights Reserved. Photo by Lars Plougmann

  1. 第1回の記事
  2. 第2回の記事

「資産除去債務という会計基準特有の難しさとは、ずばり、環境法令と会計基準の両方の知識が求められる点です。」

さらに桜井君は我々にこう話し続けた。 「そこで、会計基準の改正について把握している我々経理部門と、 環境法令の改正・施行について精通している環境部門の皆さんが 活発にコミュニケーションを取っていく体制の構築が必須になってきます。」

我々経理部門からは、資産除去債務に関して求められる会計処理を環境部門のみなさんにお伝えします。

皆さんは最新の環境法令に照らし合わせて、 自社の現状の調査・分析を行ってもらい、その結果を経理部門に報告していただく。 このサイクルを円滑に回していくことで、 適切な会計処理を行っていくことができるのです。」

私はこの話を聞いて、先日のJ-SOX研修での講師の話を思い出した。 確か、J-SOXが評価対象としている内部統制の構成要素の中に、 「情報と伝達」というものがあった。 (情報と伝達とは、必要な情報が適切に把握及び処理され、 組織内外及び関係者相互に正しく伝えられることを確保することをいう。)

私はとっさに手を挙げて、桜井君に質問をした。

「もし、新しい環境法令が追加された場合や、 新たに自社で有害物質が発見された場合、 その情報が環境部門から経理部門に上手く伝達されていないと、 会計処理を誤ることになるよね? そうなると、内部統制の構成要素の一つである 『情報と伝達』がうまく機能していなかったとして、 内部統制上の不備につながる可能性があるってこと?」

「さすが、高橋さん! 今日のミーティングではそれをお伝えしたかったんです!この資産除去債務は、環境法令と会計基準を結び付けて、 あるべき会計処理を導き出すという今までにない難しさがある。 そして、環境部門と経理部門が円滑なコミュニケーションを図り、 十分な情報のやり取りと議論をする仕組みが構築できなかった場合には、 会計処理を誤ることになり、内部統制上の不備につながってしまうんです。」

「桜井君、分かった。我々環境部も協力するよ! 具体的に我々環境部は何をしたらいいか教えてくれ。」

「高橋さん、ご協力ありがとうございます! じゃあ、早速具体的な話に入りましょう。」

第4回へつづく。)

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執筆者プロフィール
「環境」×「財務」その4~環境部門の高橋さん

石倉 英樹 氏
株式会社コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング
公認会計士

公認会計士2次試験合格後、監査法人トーマツにて、主に国内ベンチャー企業の監査業務に従事。
その後、株式会社コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティングに入社。
現在は、IFRS支援、J-SOX支援、会計コンバージェンス支援(資産除去債務等)、財務デューデリジェンス等のコンサルティング業務に従事。

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