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コラム

世界の遺児へ奨学金を! NPOにおけるソーシャルマーケティングリレーコラム

img_01_thum.jpgあしなが育英会では、非営利組織としてより多くの遺児へ支援を行うために、ウェブによる活動のPRやファンドレイジング(寄付集め)の体制を強化されています。

環境・CSR分野でITを活用した業務改善やマーケティングに実績のあるアミタにウェブサイトのリニューアル・プロモーション支援を依頼され、NPO法人としてソーシャルマーケティングを実施している、
同会の小河氏・田中氏・束田氏にお話を伺いました。(以下、敬称略)


NPO業界の特長や営利企業との違いを理解されているということが、一番のメリットでした

―― なぜウェブマーケティング支援をアミタに依頼されたのですか?
img_02.jpg小河: これまでもウェブサイトを作る機会がありましたが、制作会社の方と直接やり取りする場合、我々は素人なので当然ながら専門知識や知見などは持っていません。

例えば何かしらのシステムを導入する提案をいただいたときに、本当にそれがベストなのかどうか、判断する基準を自分たちの中で持つのは難しく、それが課題でした。

そうした状況の中、アミタさんに間に入っていただいたことで、制作会社の選定から色々な提案一つ一つに対して、きちんと選別をしていただきベストに近い方法をアドバイスしていただけるようになりました。私たちも制作会社さんから言われることを一方的に聞いて、採用せざるを得ない場合があったので、この点は非常に助かりましたね。


―― パートナーを選ぶとき、どういった点が重要でしたか?
小河: 御社のご担当者様が、NPOのお仕事やボランティア等を行われているなど、非営利組織関係の業界の仕組みなどをご存知でいるという点は大きなポイントだったと思います。

ウェブ専門の制作会社でもそこまで詳しくは理解がないでしょうし、いわゆる「営利企業」と「ノンプロフィット(非営利組織)」は何が違うかということを踏まえて、ウェブサイトなどを制作するというのはある程度特別な知識やノウハウが必要なことだったと思います。

例えば支援(募金)をしていただいた支援者の方々、または実際に奨学金などの支援を受ける方々へ、きちんと情報を届けるという目標を実現するのは、いわゆる営利企業のウェブサイト活用とは、ちょっと違う部分が当然出てくると思います。
その辺りのことをきちんと理解していただいているというのは大きな点だと思います。

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サイトリニューアル後、ウェブサイトへの訪問者・ページビュー、更にウェブ経由での募金額が増加。
今後も世界を視野にウェブを強化

―― 今回制作したウェブサイトの成果は?
小河: 一つのゴールとして、「寄付が増える」ということがありました。まだ詳しい分析はこれからですが、ACジャパン(旧公共広告機構)での露出の効果も重なって、かなり増えている感じがありますね。

田中: 絶対増えていると思いますよ。寄付の額も非常に増えていますし、継続のご寄付もすごく増えています。
またウェブを通じての申込みがすごく増えています。そういう意味ではある程度成果が出てきているんじゃないかなと思っております。


―― 今後の取り組みや課題は?
img_05.jpg束田: 普通の会社の場合ブランドイメージだとか、企業理念のような哲学を伝えて事業について共感を得ていくことが必要だと思います。そうしたことを、我々NPOでも行っていくべきだと思っています。また、あしなが育英会の活動を世界に広めていこうとしたときに、それぞれの国で起こる色々な問題などにどう対応していけるのか、といった課題も持っています。

例えば英語圏に向けたウェブサイトを作るときに、どういった戦略・内容にすべきなのかなど、アミタさんに一緒に考えていっていただきたいと思っています。

小河: そういう意味では、2011年はかなりチャレンジングな年になりそうですね。2012年は「あしながおじさん」という本が出てちょうど100周年の年にあたるので、あしなが育英会にとっても特別な年でもあります。


募金する側・される側へ「共感」してもらうことが大切

―― 今後、アミタへ期待することは?
小河:ウェブや広報活動に関する専門的なアドバイスですね。あしなが育英会はNPOの中ではかなり大きな団体なのですが、ホームページや広報には実際のところは、そんなに人件費をかけられないのが現実です。

ですので、こういうウェブや広報活動に専念することはできません。質の高いものや、トレンド情報などを追うのは非常に困難なのです。そういう時に今回のようなサポートをしていただいて、しっかりプロデュースしてくださることは非常に助かりますね。


―― 支援する側・受ける側の人たちを理解することが重要ですね。

img_04.jpg田中: 例えば募金サイトを知ってもらって、お問い合わせフォームで募金をしていただくことで、支援してくださる方を増やしていくというのはある程度上手くいく仕組みを作るメドが見えてきました。

そこで、次の段階へのチャレンジとして、今取り組んでいるのが、学生達のボランティア活動や街頭募金などで、募金だけでなく「心」や「気持ち」を集めるということです。

単に「募金してください」というのではなくて、募金をしてから支援した遺児がどうなったかまでの一つのストーリーを共有して、あしながの取り組みに賛同してもらうことが、今後の募金活動においてはとても重要な点なのだと思います。

img_ashinaga_110318_01.jpgあしなが育英会WEBサイト
http://www.ashinaga.org/

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