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リサイクルだけじゃない!ゼロ・ウェイストへの取り組み方 初心者向け企業・地域を変える!?「ゼロ・ウェイスト」の可能性

Some_rights_reserved_by_Steve_Snodgrass.jpgごみはすべての人に関わりがある事柄といって過言ではありません。そして今までは、個人、自治体、企業にとって、できるだけコストと労力を割きたくない事象でもありました。しかし今、この「ごみ」が、世界の資源枯渇・生態系破壊などの環境問題への意識の高まりと共に、可能性ある資源として注目されています。また、コミュニティ内すべての構成員が関わる共通課題として、まちづくりへの参画を促すきっかけとしても注目されています。

本コラムでは、日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行い、徹底資源化を実施している徳島県上勝町での実績がある特定非営利活動法人ゼロ・ウェイストアカデミーの理事長 坂野 晶様に「ゼロ・ウェイスト」の可能性と、具体的な進め方について連載していただきます。今回は「リサイクル以外のゼロ・ウェイストへの取り組み方」についてです!

Some rights reserved by Steve Snodgrass

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分別・リサイクル以外の資源化

これまで様々なゼロ・ウェイストへの取り組みのステップとして、生ごみ、紙、ガラスびんなどの、まず処理方法や付き合い方を考えると良い素材について、そして分別・リサイクルのアプローチについてご紹介してきました。さらに、分別・リサイクルだけではどうしようもないものは、設計時から製品の見直しが必要なことについても触れました。今回は、リサイクルや堆肥化など、すでに「これ以上使えない」とされた後の処理方法ではなく、もう少し手前で資源を救っていく方法をご紹介します!

「3R」は一般的にも非常になじみある言葉になっていると言えます。Reduce(減らす/発生抑制), Re-use(再使用), Recycle(再資源化)の頭文字のRが3つなので「3R」。聞いたことはあって、何となくイメージはわかっていても、実際にリサイクル以外で何をするのか?を具体的に施策レベルや行動レベルで考えられている企業や自治体はどれだけ存在するのでしょうか。

さらに、他にも5Rや7Rなど独自にRefuse(断る)やRepair(修理する)など他のRから始まる取り組みを加えて発信・推奨する団体や個人もあり、全体的にごみを何とかしようという取り組みだとはわかっていても、何から取り組んだらいいのかイマイチわからない、というのが本音かもしれません。そこで、今回はたくさんあるRから始まるリサイクル以外のゼロ・ウェイストの取り組みを徹底?解説します!

あなたはいくつ知っている?資源化に関わるたくさんのR
  • Re-use(リユース:繰り返し使う)

厳密にいうと、基本的には修理するなどの手を加えずに「そのまま何度も使う」「再使用する」こと。

例えば、徳島県上勝町のごみステーション内に併設される「くるくるショップ」や、神奈川県逗子市で市民協働にて運営される「エコ広場ずし」など、「リユースショップ」と呼ばれるような仕組みが地域にあると、「自分はもう使わないけれど、まだ使える物」を持ち込み、さらに他の人が持ち込んだ物を無料あるいは安価で譲り受けることが出来ます。

  • Repair(リペア:修理する)

言葉のとおり、修理して永く使えるようにすること。

地域レベルでは、地域のボランティア(多くは引退後に時間と手に技術のある方々)が、壊れたおもちゃを預かって無償で修理をする「おもちゃの病院」や、物の修理をしてほしい人と修理ができる人が気軽に出会える空間「リペアカフェ」などの仕組みがあると、少し廃れてきてしまっている修理文化がまた広がるきっかけになりそうです。さらに、企業としても、自社製品などへの修理サービスを提供することは、顧客の自社製品への愛着を増す仕掛け、さらに高価でも長持ちする良い製品を作ることができるようになる、非常に効果的な取り組みです。アウトドア・ブランドのパタゴニアはWorn Wearと呼ばれるリペアサービス提供に力を入れていることで有名ですし、メーカーによる自社製品修理でなくとも、身近な修理サービス提供ではミスターミニットのように、駅の近くや繁華街に店舗があり、その場で靴や時計などの修理サービスを提供するというビジネスモデルも、誰にでも修理サービスにアクセスしやすい機会として、今後より広がると嬉しいですね。

ちなみに、ヨーロッパでは、こうした「資源を永く活用する/循環させていくためのビジネスモデル」を「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」という経済成長戦略と位置付けており、国によってはリペアサービスに対して税制優遇措置を取るなどの動きも加速しています。

  • Repurpose(リパーパス:新たなものに作り変える)

日本語では「リメイク」、英語では「アップサイクル」と呼ばれることもあります。素材はそのままに、少し手を加えて違う製品に作り替えることを言います。

sakano-san02.jpgリサイクルは、熱を加えて素材を溶かすなど、原料に戻していく作業を経ることを言いますが、リパーパス(あるいはリメイク、アップサイクル)は、素材加工までは行わず、さらに修理ではなく、例えば製品を分解して他の物になるよう組み立てるなど、新たな付加価値を作り出す作業です。全国で置き忘れられたり破棄されたりする大量の傘を集めて、分解し、洗浄し、生地やパーツをそれぞれ傘袋やランチョンマット、アクセサリーなど様々な商品に生まれ変わらせているCASA Projectや、ニューヨークを拠点に破棄された衣類やアパレル加工時の端材のみで服の制作を行うデザイナーズブランド「ゼロ・ウェイスト・ダニエル」など、クリエイティブなアプローチがあり、興味深い分野です。よく筆者が来ているピンク色のレインジャケットも、鯉のぼりをリメイクしたものですよ!
(画像:上勝町で4月に約800匹の鯉のぼりが空を泳ぐ「彩恋こい鯉まつり」を行います。その際の破れた生地などを地元の方がリメイクして、こいのぼり雑貨で出している商品の1つが坂野氏が来ているこいのぼりジャケットです。)

  • Rot(ロット:土に還す)

日本ではあまりなじみのない言葉かもしれませんが、「堆肥化する」「コンポストする」というとわかりやすいでしょう。

自然由来で、そのまま土に還すことが出来る素材は、堆肥化装置などを使って土に還し、さらに出来ることなら畑など、次の食物生産に役立てたいものです。産業型堆肥化施設(Industrial Composting)はもちろん、個人宅でも気軽に行える堆肥化の取り組みは、埋め立てごみを減らしていく施策としても欧米ではさかんです。日本でも、段ボールコンポストや、「バクテリアdeキエーロ」など、家庭で手軽に始められる堆肥化の取り組みはあります。世界的に、海洋プラスチック汚染の問題によって「生分解性」の素材が注目されていますが、これも使用後に自然に還す(生分解をきちんとさせる)仕組みがなければあまり意味がありません。新素材の普及とともに、日本でも堆肥化の仕組み拡大を期待したいところです。

  • Reduce(リデュース:減らす)

ここまでの「R」と比べると、取り組み範囲が広すぎるように聞こえるのがリデュース。なので、ここでは次の「リフューズ(断る)」と上手く分けてご紹介したいと思います。「発生抑制をする」つまり「ごみになるものを作らない」、さらに消費者目線に立つと「無駄なものを入手しない」などの位置づけでの取り組みは「リフューズ」で詳しく触れ、リデュースについては特に「作る・使う量を減らす」ことに特化して紹介しましょう。

「使う量を減らす」と聞くと、節約するなどの「制約をかける」取り組みに聞こえますが、「ミニマリズム」などと聞くと、少しオシャレに聞こえるので不思議です。消費者としては、もちろん必要以上の物を買わないこと、出来る限り使い切れるような買い方である「量り売り」などの利用を心がけたい一方、企業としての取り組みが無ければ実現しないことも多いのが現実です。企業としても原料使用量を抑えることや、作りすぎたり売り残しが出るほどの過剰供給をしすぎたりしないような取り組みも重要です。生ごみへの取り組み方のコラムでもご紹介したとおり、食品ロスの発生抑制などはわかりやすい事例ですが、同じように過剰供給とニーズを繋ぐ、あるいはそもそも過剰供給にしないための様々な仕掛けは、ぜひより多くの分野にも広がっていくべきでしょう。

  • Refuse(リフューズ:断る)

直訳すると「断る」ことですが、解説的には「そもそも使わない方法を考える」とご紹介しています。企業にとっては、そもそもリサイクルできないような製品は「発生抑制」つまり作らないようにする、そしてリサイクルできる前提、あるいはさらに修理できる・永く使える前提で製品設計から切り替えていくことが必要になります。消費者としても使った後のことを考えて、使い捨て製品にNOを言う動きが世界的にも高まってきていますので、ビジネスモデルの切り替えは今後さらに加速していくでしょう。

こうした、リペアやリサイクル前提の製品設計、さらにそれを可能にするための製品回収の仕組み改革などは先述の「サーキュラーエコノミー」戦略として今後ますます台頭してくると考えられます。日本でもそういった世界での新たなルールメイキングの流れに、ぜひ先を行く姿勢で取り組んでいきたいものです。それは、環境配慮という取り組みイメージを越えて、「ビジネスの生き残り戦略」とまでなってくることが必須だからです。

また、資源を救う方法を楽しく考え、学ぶためのツールとして、カードゲームを制作しています。子どもも大人も自分から取り組めることを、自分ごととして考えるきっかけが多くの場面で増えていくといいですね!

次回は最後に、地域でゼロ・ウェイストに取り組む際の自治体、ビジネスそれぞれの取り組み方をご紹介したと思います!

執筆者プロフィール

sakano_akira.jpg坂野 晶(さかの あきら)氏
特定非営利活動法人ゼロ・ウェイストアカデミー
理事長

大学で環境政策を専攻後、国際物流企業での営業職を経て現職。日本初の「ゼロ・ウェイスト」宣言を行った徳島県上勝町を拠点に、同町のゼロ・ウェイストタウン計画策定や実装、ゼロ・ウェイスト認証制度の設立、企業との連携事業など政策立案や事業開発を行うとともに、国内外で年間100件以上の研修や講演を行いゼロ・ウェイストの普及に貢献する。2019年1月には世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)の共同議長に日本人で唯一選ばれた。

ゼロ・ウェイストアカデミー:http://zwa.jp/

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