ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)とは?成果連動型民間委託契約方式(PFS)との違いは? | 企業の環境・CSR・サステナビリティ戦略に役立つ情報が満載!

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ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)とは?
成果連動型民間委託契約方式(PFS)との違いは?

Photo by bongkarn thanyakij from Pexels

ソーシャル・インパクト・ボンド(以下SIB:Social Impact Bond)とは、官民連携のための仕組みの一つです。
地方自治体が民間に事業を委託する際に活用する成果連動型民間委託契約方式(以下PFS:Pay For Success)と呼ばれる仕組みに、投資家からの資金提供を組み合わせたもので、PFSの一種です。今回は、SIBの概要や意義などについてご紹介します。

ソーシャル・インパクト・ボンドとは?

SIBは、2010年に初めてイギリスで始まった官民連携による社会課題解決のための投資スキームです。2019年時点で、SIBを用いた案件は22か国130件にのぼります。SIBは、地方自治体が抱えている社会課題を民間企業に委託することで、革新的な事業の実施、さらにはコストの削減が期待されています。

SIBの仕組みを理解する上では、PFSという契約方式も押さえておくべき重要な点となります。

PFSは、地方自治体が民間企業に事業委託する際に、サービスの成果に基づいて、報酬額を変動させる仕組みです。あらかじめ金額が決まっている委託事業等とは異なり、成果を上げれば対価も大きくなるため、受託した民間事業者側にもサービスの質を上げる動機が生まれます。

一方、SIBはPFSの仕組みに加えて、民間が自己資金を投入して実施することが難しいサービスに対して、事前資金を機関投資家や個人投資家、企業のCSR部門をはじめとする様々な資金提供者から出資してもらうことが特徴です。投資家がこのような社会課題解決に対して投資するようになってきた背景には、SRI(Socially Responsible Investment)やESG投資という考え方が浸透し始めていることが挙げられます。

SIBは図のような関係で、主に以下の6つの組織から成り立っています。

1_rev3.png① 地方自治体等
② 資金提供者
③ SIB運営組織(中間支援組織)
④ サービス提供者
⑤ 受益者
⑥ 評価組織(第三者評価機関)

SIBの仕組みの中で、財政リスクを負うのは、資金提供者である投資家です。資金提供した投資家は、サービス提供者によって成果目標が達成された場合、元本に加えてリターンを得ることができますが、未達成の場合は投資家が損失リスクを負うことになります。

                       出典:経済産業省

地方自治体がSIBを導入する意義はなんですか?

地方自治体がこの仕組みに期待する背景として、少子化により今後税収の増加が当面見込めないことと、高齢化に伴う社会保障費の増大によって、国家および地方自治体の財政は逼迫しており、十分な予算を政策経費に回せない現状があります。

そこで、財政面においてリスクが少ないSIBを導入することで、不確定要素の多いソフト事業領域の社会課題を解決に導くことができると考えられています。また、地方自治体から民間企業へ支払う報酬はサービスの成果に基づき、成果が出ないものに資金を払う必要はないため、限りある予算を本当に効果がある施策に回すことが可能です。それに加え、地方自治体は民間企業によって解決できる領域とできない領域を見定め、本当に地方自治体が税収を基に提供すべきサービスがどこにあるかを判断することが可能となります。

2_rev2.png単年度の予算を組む地方自治体にとっては、数年単位でのプロジェクトを実施することが難しい場合があります。しかし、就労支援、ホームレス支援、ヘルスケア、子ども・家庭支援、再犯防止、教育、貧困支援などの領域は、サービスの成果が現れるまでに数年を要する場合もあります。

そこで、そのような領域に対してSIBを用いて民間企業に委託し、財政リスクを抑えることで、数年単位のプロジェクトにすることが可能となり得るのです。

以上のことから、地方自治体にとってSIBの導入意義が高いことがわかります。

                     出典:経済産業省

民間企業がSIBに参入する意義はなんですか?

企業は、CSRを果たす経営へ、さらにはCSVへと、経済的な価値の創出だけではなく社会価値の創出も求められるようになってきました。公共セクターが担ってきた事業は、社会課題の解決と直結する部分が多く、SDGsの達成にも大きく貢献できる可能性があります。
さらに、PFSやSIBを導入することによって、従来収益を生み出しにくかった分野においても、費用もしくは投資対効果が期待されれば新たな事業として取り組むチャンスが生まれます。言い換えれば、民間企業にとっては新しい市場が生まれる可能性があり、参入する意義も十分あると言えるでしょう。

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執筆者プロフィール(執筆時点)

古城 日向子(こじょう ひなこ)
アミタホールディング株式会社 
カンパニーデザイングループ カンパニーデザインチーム

関西学院大学総合政策学部を卒業後、アミタに合流。
大学時代フィリピンにて環境問題の解決に取り組むNGO団体に関わり、人間活動と環境問題の切っても切り離せない関係に打ちのめされる。持続可能な社会の実現に真摯に向き合うアミタに合流し、日々邁進中。

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