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1.5℃目標に向けてCDPが質問内容を変更。基礎知識から最新情報まで解説!

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「気候変動」「ウォーターセキュリティ」「フォレスト」など。多くの企業は、国際的な非営利団体であるCDPが運営する情報開示プログラムを利用して、自社の環境活動の情報開示を行っています。今回はCDP2022の最新情報を踏まえて、企業が今後どのような対応を迫られるのか解説していきます。

※CDPのよくある疑問をQ&A形式で回答!詳細はこちら

目次

CDPとは

CDPとは、2000年に発足したロンドンに本部を置く国際的な非営利団体です。人々と地球にとって持続可能な経済を実現すべく、投資家、企業、自治体にアプローチし、それぞれの活動が環境に与える影響について情報開示を促しています。
世界の企業13,000社以上に「気候変動」「ウォーターセキュリティ」「フォレスト」の3テーマに分けた質問書を送付し、それを通じて集めた情報を収集・分析・評価し、機関投資家向けに結果を開示しています。また、その結果は世界中の投資家や政策決定者などの意思決定に対しても大きな影響を与えています。

最新情報!CDP2022では回答企業の対象拡大。変更について解説!

CDPは、2022年から日本企業に対する環境情報開示要請の対象を東証プライム市場上場企業全社(1841社)に拡大すると表明しました。2009年に調査対象が拡大してから2021年までは調査対象が500社であったため、今回3倍以上増えることになります。

また、2050年までに温室効果ガス排出量のネットゼロを達成するために2021年から2025年にかけて気候変動質問書とスコアリングを強化すると公表し、戦略的優先順位を反映した質問書の改訂が行われました。2021年質問書の30%が変更になり、新たに19の質問が追加されるなど、今回の改訂により企業に対する要請が強化されました。

今回の改訂の主なポイントは、気候変動質問書にある以下2点になります。

  1. 生物多様性の質問が追加
  2. 1.5℃目標に即した移行計画の策定状況について質問

1.生物多様性の質問が追加

CDPは1.5度目標達成のために、より多くの環境問題に対応できるよう質問書テーマの範囲を広げています。具体的には最初のステップとして、2022年から気候変動質問書に「生物多様性」の質問が新たに追加されました。

▼生物多様性の質問

  • 生物多様性関連の問題に対する取締役会レベルの監視について
  • 生物多様性に関する公約/イニシアティブの参加について
  • バリューチェーンでの生物多様性に与える影響について
  • 生物多様性関連の取り組みを進めるための行動について
  • 生物多様性の指標と取り組み成果について
  • 生物多様性の取り組みの開示について

企業は生物多様性に関する情報開示準備を進めていく必要があります。CDPは、TCFDや主要なサステナビリティ報告のフレームワークとの連携を強化すると発表しており、生物多様性分野では「自然SBTs(SBTs for Nature)」や「TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)」の内容を確認されることをおすすめします。

※TNFDについては、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)とは?企業・金融機関はなぜ「自然」「生物多様性」を重要視するのかをご覧ください。

2.1.5℃目標に即した移行計画の策定状況について質問(C3事業戦略)

企業が目標を設定するだけでなく、具体的な移行計画と目標達成のための進歩状況とその根拠まで踏み込んだ内容の質問に変更されています。

例えば下記のような質問があります。

  • C3.1:組織戦略に、1.5℃目標に即した移行計画が含まれていますか
  • C3.2b:シナリオ分析をして、組織にとって重要で対応すべきとした情報開示項目の詳細とこれらの項目に関する結果について
  • C3.5:組織の財務指標に1.5℃目標に即した支出/収益を特定できていますか

C3.2bの質問については、質問の回答から組織がなぜシナリオ分析を使用しているのかという理由と、その結果について組織戦略にどのように反映させているのかという点について回答から得られるよう新しく質問が追加されました。
さらに詳しい内容を知りたい方はCDPサイトにあるガイダンスをご参照ください。

※TCFDについては、TCFDが求めている「シナリオ分析」とは、何のために行うものですか。どのように対応すればいいのでしょうか。をご覧ください。

2022年CDP情報開示スケジュールについて

CDPジャパンより2022年スケジュールについて公表されました。
今回より初めて回答を行う企業にとっては、早急な対応が必要になると考えられます。

3月:対象企業代表者様宛(社長/CEO等)に開示要請レターを送付

4月:回答開始

7月27日: 回答締め切り

また、無回答企業の場合F評価となります。CDPの情報開示は投資家などから注目されているので、F評価の目は厳しいと考えられます。
良いスコアが取れなくとも自社が何を把握できており、何が課題となっているのか自社の状況を把握・理解することが重要と言えます。

CDPのこれから

これまでは「気候変動」「ウォーターセキュリティ」「フォレスト」の3テーマに分けて質問書を送っていましたが、2021年5月に一般社団法人CDP Worldwide-Japanへヒアリングし、今後は一つの質問書ですべての環境情報を開示できるような統合質問書に変わっていく予定です。さらに、より幅広い環境課題にアプローチできるよう新しいテーマの導入が検討されています

さいごに

今回の質問書は、1.5℃目標を重要視しており、その目標に即した移行(トランジション)についての評価など、企業が目標策定だけで終わらずに実行し、環境パフォーマンスを向上できるよう変更されました。企業の気候変動対策は担当部門だけで対応するのではなく、経営からしっかりと捉えていくところが重要なのではないでしょうか。

また、企業が社会課題を部分的に見て対処するのでは、SDGsウォッシュに陥る危険性があります。CDPも1.5℃目標を確実に達成していくためにも、より根本的な対策が必要であると考え、今後質問書の統一が行われていくのではないでしょうか。

これから企業に求められる考え方は、社会課題を統合的に捉え、全体最適の視点で考えることが重要であり、循環型ビジネスモデルへの転換による社会イノベーションが必要だと考えています。

▼これから企業に求められる考え方

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出典:アミタ株式会社作成

Cyanoプロジェクト

脱炭素経営の観点においては、野心的な温室効果ガス(GHG)の削減目標が求められ、既存の削減方法では目標を達成することは困難になります。そうした状況の変化にも対応ができるよう「Cyano Project(シアノプロジェクト)」では、企業のビジネスモデルやサプライチェーンの再構築による事業創出(新たな削減方法)を通じて、脱炭素経営を充実させることができます。

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参考資料

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