企業がとるべき環境対策の範囲が拡大する中、コンプライアンスの重要性がますます高くなっています。しかしながら、廃棄物管理業務においては、工場以外の営業所や物流倉庫などの拠点や、グループ会社まで含めたコンプライアンス管理は、なかなか行き届いていない現状があると思います。
そこで廃棄物管理業務の合理化・効率化のススメ第5回目のコラムは、廃棄物管理業務の「コンプライアンス向上のために」すべきことは何かを考えてみたいと思います。
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工場以外の営業所や物流倉庫等の拠点、グループ会社が抱える課題
工場以外の営業所や物流倉庫等を管理する上での課題としては、
- 廃棄物の発生する量が少ないため、どうしても他の業務が優先され、廃棄物管理については片手間になっている。
- マニフェストの準備等を始め、処理委託業者に任せっきりになっており、当事者としてリスクに対する意識が薄い。
- 拠点数が多すぎるため、教育や監査を実施する時間と手間がかけられない。
グループ会社を管理する上での課題としては、
- 各会社がこれまで築いてきた処理委託業者との関係や独自の運用ルールがあり、改善がしにくい。
- グループ会社の数が多すぎるため、教育や監査を実施する時間と手間がかけられない。
といった、廃棄物管理業務がメイン業務として考えられてないが故の問題が多く発生しているかと思います。
廃棄物管理業務に関わるコンプライアンス向上のための具体的対策
上記のような課題の対策は、大きく分けて2つあります。教育とIT等を利用したシステムです。
・コンプライアンス向上における教育
教育は長期的な視野を持って、継続性のある内容を実施することが重要です。正しいコンプライアンス意識を浸透させ、決められた業務手順が徹底できるようにしなければなりません。
多くの対象者に基礎的な知識を習得させ、レベルの底上げを図るためには、DVDソフトやe-ラーニングという手法が有効です。
地域毎にコンプライアンス管理の担当者が設置できるのであれば、対象者を限定し、社内または社外講師による集合研修を実施する。さらに、受講者は、研修で学んだ内容を、各地域で講師役となり研修を実施するなどして、社内で展開できる仕組みを用意できればさらに効果は高まります。
教える立場になることで自らも学ぶことになることは、よく言われることです。
下記記事も参考にしてみてください。
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・IT等を利用したシステムについて
全ての拠点やグループ会社で同一のシステムを利用することで、統一したルール、仕組みで管理することができ、データ集計や分析も容易になり、効率的にコンプライアンス向上を図ることが出来ます。
電子マニフェストもその一つです。法で定める必須項目の入力漏れを防止できたり、マニフェストの返送期限が近づくと注意喚起を促したり、マニフェストの紛失の心配がなくなったりします。
さらに、ASP事業者が提供するEDIシステムを利用することで、マニフェストだけではなく、契約書や許可証も含めて管理することが可能になります。
IT等を利用したシステムは、特に日々のルーチン業務においては、コンプライアンスだけではなく業務効率化の面でも高い効果を発揮します。
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しかし、教育やシステムにも限界がある継続的な教育やシステムの利用で、一定レベルのコンプライアンス向上は図られると思いますが、イレギュラーなスポット業務や判断に迷うような案件については、なかなか対応ができません。
このようなケースに対応するには、
- 各拠点からの報告・連絡・相談を徹底させる
- 問題に対応できるだけの専門知識や経験を本社などの管轄部署が持ち合わせる必要があります。
しかし、専門知識や経験を得るには長い時間と工夫が必要になります。その際は社外の専門家の協力を得ることも解決策のひとつです。
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すえつぐ たかひで
末次 貴英
アミタホールディングス株式会社 代表取締役社長 兼 CIOO
2005年にアミタへ入社。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)における分散型エネルギー供給システムの受託研究をはじめ、
牧場・農業等の新規事業開発や企業のサステナブル経営統合支援など、多岐にわたる現場経験を経て経営へ。
2020年より代表取締役、2023年3月からはアミタHD代表取締役兼CIOOとしてグループ全体の事業と情報の統合を牽引している。
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