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汚染土壌の処理が森林復旧につながる?「自然的原因」への対応事例(2)土壌汚染とのオトナな付き合い方

mine_forest.JPGこの記事は「汚染土壌の処理が森林復旧につながる?「自然的原因」への対応事例(1)」のつづきです。

仙台市の地下鉄東西線(仙台駅から青葉山方面)を作る時に「自然的原因」によるカドミウム、フッ素、ヒ素が土壌溶出量基準の数倍程度の濃度で検出されました。

その基準超過土量は・・・なんと約50万㎥。

さて、仙台市さんは、どのように対応されたのでしょうか?

基準超過土壌を有効利用

今回の要対策土量は、約50万㎥でした。それを掘削除去し、セメント工場での処理や埋立処理をするとなると、筆者の単純計算でも数十億円から百数十億円の費用が発生すると考えられます。

仙台市さんは今回の事例において

  1. 費用削減
  2. 基準超過土の有効利用

という観点から処理先を検討し、結果として市内の採石場跡地を借用してその森林復旧の一環として土壌を搬入するという方法を採用しました。

汚染土壌の処理、という悪いイメージがあるのですが、採石場の跡地からの森林復旧をサポート、というと一転してプラスのイメージに変わりますね。それだけで何かいいことをしているような気になります(僕が単純なだけですが)。

mine.JPG

採石場の跡地を、森林へと復旧(写真はイメージです)。

The copyright of old mine photograpth belongs to Backtrust. The old mine photograpth was provided by SXC.hu Website

この採石場跡地における環境リスク管理の方法としては、管理型処分場と同様に遮水シート、集水・水処理設備、および敷地外の地下水モニタリング井戸設置を行い、仙台市が主体となってモニタリングを行っていく、という方針だそうです。

結果として、対策費用は通常と比較しても安価に収まったとのことで、その原因としてスケールメリット、土地代が不要、という点が大きかったようです。

また、採石場跡地の周辺住民の方とも仙台市の方が話し合いをしてご理解をいただいたとのことですが、そこでも「自然的原因である」「市が責任を持って管理する」「基準値の数倍程度である」といった点が安心の材料になったようです。

まとめ

今回の事例は、

  1. 汚染土壌の対策費用の低減のみならず、
  2. 基準超過土壌の有効利用の観点、さらに
  3. 採石場跡地の森林復旧の一助

にもなっている点で、非常におもしろい事例だと思います。

基準超過土壌の処理、というと-(マイナス)から0(ゼロ)に戻す、という視点が通常であり、コストもかかって大変、というのが今まででした。

今回のケースと全く同じ、ということは難しいと思いますが、今後はこのように汚染土壌を資源として(かつ低コストで)利用する、という視点を活用することが必要だな、と強く感じさせる事例でした。

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執筆者プロフィール

保高 徹生 (やすたか てつお)

京都大学大学院農学研究科 博士前期過程修了、横浜国立大学大学院 博士後期過程修了、博士(環境学)。環境コンサルタント会社勤務、土壌汚染の調査・対策等のコンサルティング、研究を行う。平成19年度 東京都土壌汚染に係る総合支援対策検討委員会 委員。

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