フォレストック認定取得のメリット~FSC®との違い~ | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

環境戦略・お役立ちサイト おしえて!アミタさん
お役立ち資料・セミナーアーカイブ
CSR・環境戦略の情報を情報をお届け!
  • トップページ
  • CSR・環境戦略 Q&A
  • セミナー
  • コラム
  • 担当者の声

コラム

フォレストック認定取得のメリット~FSC®との違い~フォレストック認定制度の特徴とメリット

photo-1559724150-d7a6cf1fa70d.jpg前回のコラムでは、フォレストック認定の概要を他のカーボン・クレジットとの違いを中心に解説し、フォレストック認定制度のしくみについて紹介しました。

今回のコラムでは、森林保有者がフォレストック認定取得を検討するにあたり知っておきたい「他の森林認証制度との違い」や「クレジットの販売方法」をご紹介するとともに、認定取得するまでの流れと取得のためのコストについてご紹介します。

コラム一覧はこちら

FSC®森林認証との違い

現在、世界各地には「FSC」(注1)「PEFC」(注2)「SGEC」(注3)等、様々な森林認証制度が存在しています。今回はFSCとの違いについてご説明します。FSC森林認証は1993年ドイツで誕生した全世界的に展開されている世界共通の1つの規格に基づき審査認証される制度です。

表1:FSC森林認証とフォレストック認定の主な違い

FSC森林認証 フォレストック認定
制度の規模 世界統一基準のメジャーな森林認証 日本国内の認定制度
審査基準 10の原則と70の基準 「生物多様性の評価」「森林の管理・経営の評価」「森林吸収源の算定」からなる3の評価基準において、私有林の平均とみなされる50点以上の森林のみを対象とする

環境意識の高い森林であると
第三者に明示できる

カーボン・クレジット取引 ×
製品へのマーク掲示 ○(CoC認定を受けたサプライチェーンを通じたものに限る) ×

フォレストック認定制度とFSC森林認証制度とでは、認証基準の違いはあるものの、環境意識の高い森林であると第三者に明示できる点では同じです。大きく異なる点は、フォレストック認定制度では保有する森林のCO2吸収量を認定するのに対し、FSC森林認証制度(FM認証)では木材を認証するという点です。そのため、木材製品の販売に関わる場合やサプライチェーンマネジメントにはFSC認証制度を選択する方が良く、企業向けにクレジット販売を通じて環境意識やCSR活動をサポートしたい場合にはフォレストック認定制度が最適です。例えば、直接的な木材製品を生み出さないような雑木林や国定公園や自然公園などが挙げられます。自身が保有する森林について今後どのように活用していくかを検討する上で、是非参考にしていただきたいと思います。

(注1)FSC(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会 本文中FSC) (FSC® N001887)

(注2)PEFC(Programme for the Endorseement of Forest Certification Shemes)とは、1999年に創設された欧米を中心として各国・地域で作成された森林認証基準を相互承認する制度です。

(注3)SGEC (Sustainable Green Ecosystem Council) は日本独自の森林認証制度として2003年に創設された制度です。SGECは2016年6月にPEFCとの相互承認が実現されています。

クレジットの売却方法~「販売委託型」と「自己販売型」~

森林保有者がフォレストック認定制度のクレジットを販売するには「販売委託型」と「自己販売型」の方法があり、また、クレジットを販売しない「非販売型」があります。ここでは、この3種類について説明します。

表2  3種類の概要比較

販売委託型 自己販売型 非販売型
現状 多くがこの形式を選択する 販売先が決まっている場合に
選択されることが多い
選択例は少ない
価格 一律 自己設定可能 販売しない
長所 販売を任せられる
購入側が様々な比較選定できるため、クレジット購入がされやすい
販売先、価格などを自身で決められる -
短所 価格、販売先なども協会に委任するため、自己決定権がない 自ら販売先を見つける必要がある
販売可能数量の把握が手間
-
  • 販売委託型

フォレストック協会が森林保有者から購入したCO2吸収量クレジットについて、フォレストック認定制度の販売代理店制度を利用して購入を希望する事業者や消費者に譲渡販売させる方法です。フォレストック協会側で販売可能数量全量の管理ができ、森林保有者からのクレジット購入価格は全森林一律となります。代理店間で同一企業先に提案及び販売価格競争等がないよう、提案販売先に関しての管理も行っています。

  • 自己販売型

CO2吸収量クレジットを自ら譲渡販売することができる方法です。森林保有者が自身で販売及び価格を決定できる点が大きく異なります。特定の購入企業先がある場合には大きなメリットがあります。しかし、利益を追求するために他クレジットと比べて高額になりがちであることが多いこと、販売時の契約・価格・支払先・各種購入手続きを自身で行う必要がある等の理由から、企業と金額面での折り合いがつかなかったり、制度内容がうまく理解できなかったりして、購入を見合わせてしまうことが多いです。

  • 非販売型

「販売委託型」「自己販売型」と大きく異なる点は、クレジットを販売しないことです。つまりフォレストック認証制度による認定を受けることのみをいいます。上記二つの販売方法と違い営利を目的とした活動を考えていらっしゃらない方を想定した制度です。

現状はほとんどの認定事業者が「販売委託型」を選択しています。これは販売に際し、自身で販売先を探してくることは営業活動や開拓等、大変労力を要するためです。

  • 購入の際の判断基準例

クレジット購入側は購入先の認定林を選択できますが、その際の購入側の判断ポイントは多数あります。

企業や商品等に関係する地域、被災地域、森林イメージ、森林からの森林ツアー等サポート、同森林からの写真等、森林状況の報告や魅力説明資料、1tあたりの森林支援面積、1t当たりの樹木本数、生物多様性保全の点数や内容の豊かさ、水資源・海洋資源保全との関連性の有無、等々

参考:フォレストック協会 クレジットの購入・販売フロー

具体的な認定取得スケジュール|約5ヵ月~11ヵ月

190913_foredtock_001.png認定取得手続きの申込から認定取得までは、森林認証機関による対象森林に関する現地調査と同報告書作成期間(約3カ月から9カ月)に加えて、審査機関における審査期間(約1カ月)とフォレストック協会における認定審査(約1カ月)を含め、全体では約6カ月前後必要です。右図のように、認定の取得希望者はフォレストック協会の他、森林の調査・審査手続を実施するため森林認証機関(図紫色)及び審査機関(図黄緑色)とのやりとりが必要です。図中①から⑩までが、書類のやり取りが発生するタイミングです。(図は認定取得の流れ。クリックすると拡大します。)

参考:認定の申請から取得まで

概算費用|初年度約200~300万円、その後毎年約30万円

費用に関して、フォレストック認定を受ける際は森林面積にもよりますが、認証費用としておよそ150万円から200万円、また審査費用として約50万円が発生します。(その他、フォレストック認定登録事務費が1haあたり150円発生)
なお、毎年定時モニタリングを実施する必要がありますが、その際の調査費用は約30万円となります。(FSC森林認証制度では事前審査と本審査費用が合わせて180万円から250万円程発生するため、どちらの制度も認証費用に大きな差はありません。)

現在、企業からクレジット購入の問い合わせが大変多く、販売も好調に推移しています。一度の販売で森林保有者に数百万円の収入が入ることも最近では珍しくありません。地域のネットワークに参加し、地元企業との関わり度合が高い森林や、製材所や工務店等と連携を図り活動を行っている森林等は、地元企業からも注目度が高く収支が安定している傾向があります。
次回は、フォレストック認定制度の購入企業における活用方法や具体的なメリットをご紹介していく予定です。

参考情報
執筆者プロフィール

forestock_mr.inoue.jpg井上 慶祐(いのうえ けいすけ)氏
一般社団法人 フォレストック協会
ヴァイスプレジデント 税理士

フォレストック協会の普及活動を中心に、企業向けの提案や相談業務、森林組合への支援業務に従事。また、トラスティーズコンサルティングLLPのメンバーとして非上場企業や不動産オーナー等の資産家の相続、事業承継対策に特化し、金融、不動産までカバーした組織再編や株価対策、相続申告等、全国各地の資産税案件に従事している。

おすすめ情報

ESG経営に関する情報をお探しの方必見

お役立ち資料・セミナーアーカイブ一覧

お役立ち資料・セミナーアーカイブ一覧
  • なぜESG経営への移行が求められているの?
  • サーキュラーエコノミーの成功事例が知りたい
  • 脱炭素移行における戦略策定時のポイントは?
  • アミタのサービスを詳しく知りたい
そのようなお悩みありませんか?

アミタでは、上記のようなお悩みを解決するダウンロード
資料やセミナー動画をご用意しております。
是非、ご覧ください。

フォレストック認定制度の特徴とメリット の記事をすべて見る
このページの上部へ