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工場から発生する産業廃棄物の処理において、コストダウンを図るためのポイントはあるのでしょうか?

「廃棄物」という意識をなくした上で、自社から発生する製品以外の副産物について、把握し、処理方法、委託先に見直しをかけることです。

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廃棄物のコストダウンには、有価物化する方法と、処理費削減する方法の2つがあります。廃棄物が有価物化できる場合、何かしら原料として転用できるケースが多いです。企業のコスト削減にも、資源問題にも貢献できるため、有価物化は非常に重要なテーマです。

有価物化しやすい廃棄物についてはこちら

今回は、コストダウンを図るためのポイントについてご説明します。企業の廃棄物の中でも、本社・拠点・店舗等の事務所系の廃棄物と、工場系の廃棄物では、種類・規模等が全くことなるため、今回は2つに分けて考えます。

事務所系の廃棄物

事務所系の拠点からは、古紙、金属くず、ガラス瓶、繊維くず等、いわゆる「専ら物」 と呼ばれる廃棄物が多く排出されます。これらは、分別回収を徹底すれば、処理費削減はもちろん有価購入の対象となりやすいもので、全体のコストダウンに貢献できます。環境部が最初に取り組む、「紙、ごみ、電気」の中に含まれるもので、皆さんもイメージがしやすいでしょう。

工場系の廃棄物

一方で、工場部門から発生する廃棄物というものは、「汚泥」 を始めとした多種多様な廃棄物が発生しています。例えば、排水が発生する工場では排水処理設備を持っているケースが多いため、凝集沈殿処理や活性汚泥処理を経た排水処理汚泥が発生しますし、自社焼却炉を設置している工場からは「燃え殻」、「ばいじん」等が発生します。


工場系廃棄物は扱う量も多く、成分も取り扱いに注意が必要な危険物である可能性もあります。これらには、処理前の焼却物や排水中にレアメタル等が含まれている場合、販売可能なものもある一方で、大半は有価物化がそのままでは難しく、処理費を支払い処理委託されています。ではこれらの工場系廃棄物をリサイクルによってコストダウンするにはどうすれば良いのでしょうか?

原料としての再定義と全工程の見直しを

廃棄物処理の工程では、リユース(再利用)、リデュース(減容)という点におけるコストダウン施策は自社内部において検討されやすいようです。しかし、リサイクル(資源の有効利用)によるコストダウン検討は、まだまだ実施されていないところも見受けられます。その根底には、「廃棄物は『処理』」するもの」という意識が根強く、「原料」として再定義できていない点があげられます。

まず、「廃棄物」という意識をなくした上で、その「資源」がどのような成分を含有しており、比較的大半を占める成分が何なのか?の把握を、自社で改めておこなうことをお勧めします。その上で自社の生産工程をさかのぼり、環境部門と生産部門が一体となりリサイクルを検討することで、結果的にコストダウンへつながる場合もあります。

また、廃棄物管理業務を構成する工程は、決して「処分」だけではありません。それ以外にも「保管」、「排出」、「運搬」等の管理工程を見直すことで、目に見えない部分のコストダウンにつながることもあります。

一度、自社におけるすべての廃棄物管理工程を可視化し、無駄を省く、効率を上げる等全体の見直しをしてはいかがでしょうか。

自社の工場では、廃棄物として排出されているものが、他業界では原料として、または添加剤として購入している事例は数多くあります。そういったお客様同士をつなぎ、有価物化に向けた分別方法のアドバイスや、実現に向けたお手伝い等もアミタでは行っています。

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【執筆者プロフィール】
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胡麻崎 丈純 (ごまさき たけすみ)
アミタ株式会社 総合環境ソリューション営業グループ
関西営業チーム チームリーダー


中部、東日本で国内・海外の再資源化提案等を経験し、多種多様の業界における生産工程やその廃棄物の再資源化方法に精通。現在、関西圏の総合環境ソリューション提供に従事し、再資源化提案の実績多数。顧客からの信頼も厚い。公害防止管理者(水質1種)。

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