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混合廃棄物|複数の種類の廃棄物を一度に回収してもらうとき、交付するマニフェストは1部でいいのでしょうか。

都度、マニフェストを交付しないと廃棄物処理法違反に問われる恐れがあります。マニフェストは、(1)引渡しの都度ごとに、(2)種類ごとに、(3)運搬先ごとに交付しなければなりません。前回の数量等の法定項目の記載に加え、交付方法に関する3つの原則をきちんと守りましょう。

ケーススタディ:異なる複数の廃棄物を引渡す場合

例えば廃油と廃プラスチック類を引渡す場合、1台のトラックで運搬してもらい、同じ処理業者に委託するとしても、マニフェストは別々に交付しなければなりません。これは、処理業の許可が廃棄物の種類ごとに出されていることと、処理方法が廃棄物の種類によって異なることに関係しています。

他にも、1台のトラックが同じ会社の複数の支店を巡回するような場合は、どうでしょうか。この場合、排出場所ごとに交付するのが正解です。そうでないと、どの廃棄物がどの排出場所から出たもので、それぞれ適切に処理されたかどうかがわからなくなり、個々の廃棄物の処理に関して責任の所在が不明確になってしまうからです。

一方、使用済みの電気製品等、複数の種類の産業廃棄物が複合、混合している場合は、一体不可分の1種類の廃棄物として取り扱うことも可能です。その場合、廃棄物の種類の欄で、該当する複数の項目にチェックを記入するか、その廃棄物の一般的な名称を記載し、マニフェストを1部交付することになります。 

※ただし、「産業廃棄物管理票交付等状況報告書」では、混合廃棄物の場合の種類の記載方法が自治体によって異なりますので確認しましょう(電子マニフェストについては報告書の提出は不要)。Q&A集をホームページで公開している自治体もあります。

ケーススタディ:同一の廃棄物を別の処理業者へ引渡す場合

では、同じ場所から同じ種類の廃棄物が排出され、運搬先が複数になる場合はどうでしょうか。例えば上記の使用済み電気製品が、収集運搬の途中の積替え保管場所で廃プラスチック類と金属くずに分別され、それぞれ異なる中間処理業者に運搬されるような場合です。

マニフェストの交付は運搬先ごとですので、この場合は2つのマニフェストを交付します。マニフェストが1部だけだと、どちらか一方の中間処理業者にしかマニフェストが届かないことになってしまい、処理の状況を確認できません。一緒に積み込んだ複数の廃棄物を、積替え保管場所を経由せずに、それぞれ別の中間処理業者に運搬する場合でも同じです。

中間処理後については、運搬先が複数になる場合でも、排出事業者が交付するマニフェストは1部で構いません。中間処理後の廃棄物は、中間処理業者が排出事業者として別のマニフェストで管理することになるからです。

違反例

マニフェストの交付の仕方を誤解している排出事業者は少なくなく、ひどいケースも見受けられます。例えば、1週間分の廃棄物を1部のマニフェストにまとめてしまっているような例です。これでは1週間のうち6日間はマニフェスト無しで廃棄物を運搬・処分することになってしまいます。ほかにも、排出事業者がマニフェストの記入を収集運搬業者にまかせきりにしているケースもあります。マニフェストは、「引渡しに係る当該産業廃棄物の種類、数量等がマニフェストに記載された事項と相違ないことを確認の上、交付する」こととされています。

こうしたずさんな運用をしていると、廃棄物処理法違反に問われ、罰金を科されたり、万一委託先が不法投棄をした場合は原状回復を命じられたりする恐れがあります。マニフェスト制度は、委託した産業廃棄物がどこでどのように処理されたかを確認するための仕組みです。排出事業者の責任を果たすために適切に運用し、処理状況を確認できるようにしてください。

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執筆者プロフィール
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堀口 昌澄 (ほりぐち まさずみ)
アミタ株式会社 環境戦略支援グループ
東日本チーム 主席コンサルタント(行政書士)



産業廃棄物のリサイクル提案営業などを経て、現在は廃棄物リスク診断・廃棄物マネジメントシステム構築支援、廃棄物関連のコンサルタント、研修講師として活躍中。セミナーは年間70回以上実施し、参加者は延べ2万人を超える。 環境専門誌「日経エコロジー」に2007年6月から2014年6月までの7年間記事を連載。環境新聞その他記事を多数執筆。個人ブログ・メルマガ「議論de廃棄物」も好評を博している。2014年より現職。日本能率協会登録講師。

<著書>
 「改訂版 かゆいところに手が届く 廃棄物処理法 虎の巻」 日経BP社
 「廃棄物処理法のあるべき姿を考える」 環境新聞社

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