多くの人に読まれるCSRレポートとは?― CSR担当者の本音トーク(4/4) | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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インタビュー

株式会社大和総研 環境・CSR調査部長 河口 真理子 様多くの人に読まれるCSRレポートとは?
― CSR担当者の本音トーク(4/4)

今回、国内でも先進的にSRIに取り組まれている企業の大和証券グループのCSR報告書制作のご担当者様に、CSRレポートの現状やSRIについて、お話を伺いました。

CSR報告書制作にも関わられ、NPO法人・社会的責任投資フォーラム代表理事・事務局長等を務めながら、専門家として環境経営・CSR・社会的責任投資に携われている、

大和総研の河口 真理子様に、CSR報告書の作り手としてのご意見と、専門家としての見解等を本音で語っていただきました。
(← 第3回の記事はこちら

「双方に考えを話し合う、人と人とのつながりがあってこその関係性」

蝦名:ISO26000が発行されて、7つの中核主題の中で、特に「人権」と「コミュニティへの参画及びコミュニティの発展」の分野でお困りのご担当者が多いと思われます。また、「ステークホルダーエンゲージメント」の重要性が全般において書かれております。

その中で、今後NPOを含めた社外ステークホルダーとの関係構築というのも、CSR担当者様の新しいテーマとしてより重要視されてくるのではないかと思います。しかしながら、どのようにつながりを作ればよいかわからないという声もよく聞かれます。貴社の「対話で考えるCSR」を見てもわかりますが、河口様は非常に幅広い関係性を築かれていると思われます。何かポイントはございますか?

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河口様:私は色々なところに出かけて、NPOやら行政の人やら企業の担当者、大学の研究者などなど、個人的にも友人になる、という方法で関係性を作っています。やはり現地に行かないと、駄目ですね。それも、会社の人間としてではなく自分の言葉で、考えをぶつけていくことが必要だと思いますね。

よく説明会や懇親会にでて、一方的に情報をもらって、自分は全く話さないという方がいらっしゃいますが、それでは関係性は作れません。双方に考えを話し合って、人と人とのつながりがあってこその関係性です。

また、企業ネットワークを作るためにと社名を名乗って名刺を置いていったらおしまいという人もいます。しかし、それでは関係性は作れません。やはり、本当の意味で幅広い関係性を築こうとしたら、会社という立場を背負っていても、一人の人間としてきちんと向き合うべきです。

一人の自立した人間というのは、職業人・家庭人・そして市民3つの側面を併せ持ちます。自立した市民として、CSRに企業の立場・親などプライベートな立場・市民の立場から多面的にかかわることが必要です。単なる企業名と担当者名が書いてあるネットワークリストとは違います。それでも最低限仕事はできるでしょうが、本当に世の中を動かすのは、それを越えた人と人との有機的なつながり、ですね。

蝦名:なるほど、まずは自ら行動に起こすことが大切ですね。本日はありがとうございました。

関連情報
プロフィール
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河口 真理子 (かわぐち まりこ)
株式会社大和総研 
環境・CSR調査部長

1986年一橋大学大学院修士課程修了(環境経済)、同年大和証券入社。94年より、大和総研にて企業調査を経て、98年より、環境経営、CSR/SRIの調査研究に従事、2010年4月から1年3ヵ月、大和証券グループ本社にてCSR担当部長を経て、現在、大和総研 環境・CSR調査部長。担当分野は環境経営・CSR・社会的責任投資。

NPO法人・社会的責任投資フォーラム代表理事・事務局長。サステナビリテイ日本フォーラム評議委員、環境省・環境ビジネスウィメンの会メンバー、東京都環境審議会委員など。

(聞き手)プロフィール
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蝦名 裕一郎 (えびな ゆういちろう)
アミタ株式会社 
マーケティング事業部 マーケティングチーム

アミタ株式会社に入社後、人事部門、コンサルティング部門を経て、企業の環境教育活動のプロデュース、省庁との地域活性化支援事業の運営等に携わる。

ソーシャルビジネスに関する新規事業部門を経て、現在はCSRレポートの横断検索サイト「CSR JAPAN」の運営とCSRコミュニケーションの分析、コンサルティング業務に従事。
■ブログ: CSRが当たり前になる世の中に

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