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コラム

コミュニティナースが生み出す相互の関係性コミュニティナース|人とつながりまちを元気にする

20200217_tokai_01.jpgのサムネイル画像コミュニティナースは「地域の人の暮らしのそばで『毎日の嬉しいや楽しい』を一緒につくり、『心と身体の健康と安心』を実現する身近な存在」として、全国に広がっています。

本連載ではコミュニティナースが生まれた経緯や事例などから、今後地域や企業と連携し広がる可能性について、お伝えいただきます。第5回は、コミュニティナースとまちの人がつくる相互の関係性を紹介します。

(写真は静岡、愛知のコミュニティナースと会ってみません会の様子

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"してあげる側・してもらう側"に分かれない両想いの関係

コミュニティナースは、島根県雲南市で誕生し奈良県をはじめとして全国各地にひろがっています。

中山間地域での高齢者支援や移住促進、まちづくりの文脈で捉えられることが多いコミュニティナースですが、都市部での活躍事例も増えています。例えば、新興住宅地で子連れで集まれる場を開きながら、育児相談にのるコミュニティナース。シェアオフィスでコーヒーを販売しながら、来訪するワーカーの健康相談にのるコミュニティナースなどです。

中山間地域や都市部という地域の特性に関わらず、専門家、非専門家という関係性ではなく、それぞれがそのまちで暮らす・関わりを持つ住民として関わりあっていることが特徴です。

例えば、
「○○さんは片付けが苦手だから、あなたの代わりにきれいにしておくよ」
「今度のイベント、○○さんを誘っておいたから」
◻︎◻︎運動の審判、もう僕のほうがうまいかも!」
「うちに使ってないこたつがあるから、○○さんにあげるよ」
「コミュニティナースいます。ってわかるように看板つくったよ」

といったように、コミュニティナースが何か完成したサービスを一方的に提供しているのではなく、まちの人も一緒になって活動をつくりあげています。私たちはこれを両想いの関係と考えています。

両想いの関係は、"してあげる側・してもらう側"と役割を分断せずに、お互いに関わりあう中で「元気になるおせっかい」をしあう環境を生み出し、関わる人みんなで一緒に活動をつくりあげていく事例がたくさん誕生しています。

「元気になるおせっかい」の連鎖がまちを元気にする

コミュニティナースの存在は、多様な個人や組織がネットワークや強みを活かし、まちの人とともに「嬉しいや楽しい」を一緒につくり出すことで、関わる人に役割が生まれてまち全体を元気にしていきます。

一般的には、体の健康が保たれているからこそ、心の健康があると捉えられがちですが、人が健康に関心を持って行動に移す動機となるのは「嬉しいや楽しい」と感じることや周りの人との関係性から「あなたが気にかけてくれるなら、やってみようかな」というように、健康に意識を向け始める側面もあると思います。

コミュニティナースと暮らしのそばで出会い、関係性ができていくうちに『あなたに会えて楽しい』や『あなたの役に立ちたい』という思いをまちの人と持ち合うようになります。

また、関わりができたことで元気になった人が、今度はおせっかいを焼く人になっていく、「してもらって嬉しかったから、今度は私がサポートするよ!」というように、「元気になるおせっかい」の連鎖が、体の健康・心の健康・社会の健康をつくりだす可能性を持つということが、全国各地の事例からみえてきています。

コミュニティナースの特徴的なアプローチは、以下の3つが挙げられます。

  1. まちに共に暮らす友人として関係性を築く
    (専門職と患者ではない)

  2. まちの様々な専門家をダイナミックに巻き込む
    (医療や看護に限らない)

  3. 中長期的な意識や行動の変化を生み、健康に寄与する担い手を増やす
    (短期的な健康の数値変化にとらわれない)

このようなアプローチでまちの人と関係性を築くことにより、「元気になるおせっかい」をしあう環境が生まれやすく、他の人にもより伝播しやすくなります。

kigyo.jpgコミュニティナースの存在が生み出す、"してあげる側・してもらう側"、"提供者と受益者"という関係を越えた双方向のつながり。関わるまちの人の所属意識を変え、当事者意識を醸成し始める動きに注目いただき、多くの企業様から協業のお声がけをいただきはじめています。
(写真は2019年5月に開催されたミートアップイベントの様子)

あなたの働くオフィスに、あなたがよく通うスーパーマーケットに、住んでいる団地に、コンビニに、ホテルに、銭湯に。暮らしのそばで「嬉しいと楽しい」を一緒につくるコミュニティナースがいたら、まちにどんな素敵な奇跡が起きるか一緒に考えてみませんか?

次回は、「コミュニティナースがあたりまえのインフラとなる社会」を実現するために企業連携を進める担当者の声をご紹介します。

参考情報

まちで暮らす個人や地元企業、さまざまな専門家が、それぞれのネットワークの中でお互いの強みを活かして、ほの国百貨店の会場提供と豊橋市の後援、50を超える企業や団体、個人の協賛が集まっています。

執筆者プロフィール

200116_image05.jpg藤田 奈津子(ふじた なつこ)氏
Community Nurse Company株式会社
PR/コミュニケーター

京都工芸繊維大学造形工学科卒業、オフィス家具メーカー勤務を経て、2019年からCommunity Nurse Company株式会社に参画。コミュニティナースプロジェクト第8期、第9期の事務局としてコミュニティナースの輩出をサポート。 

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