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生物多様性民間参画ガイドライン(第2版)の主な改訂点と企業に求められる取組は?

第2版 生物多様性民間参画ガイドライン
表紙より

2009年、環境省が策定した生物多様性民間参画ガイドラインについて、2017年12月に第2版が公表されました。2010年以降の各企業の最新取組事例や、生物多様性保全施策の実践のためのヒントや考え方等が数多く紹介されており、注目の内容となっています。今回は主な改訂点、4点をご紹介します。

生物多様性民間参画ガイドラインとは?

生物多様性民間参画ガイドライン(以下、ガイドライン)とは、生物多様性の保全と持続可能な利用を進める上で、企業活動が重要な役割を果たすという認識のもと、事業者向けに基礎的な情報や考え方がまとめられているものです。このたび、SDGsの策定など生物多様性に対する関心・期待の向上を受け、策定から約8年ぶりに第2版が公表されました。

ここだけは読んでおきたい!主な改訂点(4つ)

1. SDGsを含む生物多様性に関する最新動向、事業者に生じ得るリスク・チャンスの解説(第1編)

愛知目標(2010年設定)、国連生物多様性の10年日本委員会(2011年設立)、SDGs(2015年採択)、ISO14001(2015年改訂)等、生物多様性の保全と持続可能な利用に大きな影響を及ぼした、2010年以降(第1版策定後)のトピックスがわかりやすく紹介されています。また、生物多様性に関する事業者のリスク・チャンスについては、新たにESG投資等にも触れており、事業者が生物多様性の保全と持続可能な利用に取り組むことによる、特に経営戦略面でのメリットの大きさについて言及しています。基礎知識を身に着けたい方におすすめです。

2. 負の影響の最小化に加え、保全に向けた企業活動の拡大を提唱(第2編)

ガイドライン内には、生物多様性の保全と持続可能な利用のための活動を行う際の3つの基本原則が設定されています。第1版では基本原則1を"生物多様性に及ぼす影響の回避・最小化"としていましたが、第2版では"生物多様性に及ぼす影響の回避・最小化と保全に資する事業活動の拡大"に変更されています。ちなみに、第1版から変更は無いですが、基本原則2は"予防的な取組と順応的な取組"、基本原則3は"長期的な観点"となっています。

3. 業種別、事業活動の場面別!「活動と生物多様性の関係」の紹介(第2編)

日本標準産業分類の各業種(建設業、製造業等)別に、企業にどのような取組ができるか、事例等が記載されています。業種ごとに「活動と生物多様性の関係」を示した模式図も必見です。以下表は、ガイドラインに掲載されている"事業活動ごとのポジティブな影響例"の表(一部抜粋)です。この機に自社の業種について確認してみましょう。

▼事業活動ごとのポジティブな影響例

事業活動の分類 ポジティブな影響・貢献する取組
農業、林業 生産現場における生息環境の創出や保全(冬季湛水農法)
漁業 間接的な効果を期待した生態系の再生(漁業者による植林)
鉱業、採石業、砂利採取業 開発による損失を上回る生物多様性保全への貢献(保護区設定、ビオトープ化)
建設業 都市部等での生物多様性復元技術や製品開発
製造業 生物多様性保全に貢献する製品開発(自社の保有技術を組み合わせたバラスト水浄化システムの開発)、森林整備による水源涵養林の保全
電気・ガス・熱供給・水道業 再生可能エネルギーによる地球温暖化防止と森林再生(間伐材による木質バイオマス発電)
情報通信業 ICT技術を活用した調査システムの開発(音声認識ソフトの活用)
卸売業、小売業 環境認証商品の取り扱いによる消費者教育(認証商品の積極的な販売)
金融業、保険業 生物多様性に貢献する金融商品の提供(生物多様性格付による融資)
不動産業、物品貸与業 生物多様性保全に配慮した造園緑化、緑化された空間における環境啓発
宿泊業、飲食サービス業 地元産原材料による地産地消の促進
サービス業 リサイクルによる天然資源の負荷低減

(第2版 生物多様性民間参画ガイドライン p23より一部抜粋)

4. 実践のためのヒント・各企業の最新事例の紹介(第3・4編)

「体制構築」「計画の立案」などの取組内容ごとに、必要な考え方や実践のためのヒントを解説。生物多様性保全と持続可能な利用のための各企業(大和ハウス工業、住友林業、花王、イオン等)の最新取組事例も紹介されています。また、企業の取組について、以下表の通りに分類し、"事業者共通の取組"と"事業活動ごとの取組"の整理がなされています。実施に向けての検討フローやチェックリスト等も紹介されています。

▼取組の種類

180122_guideline-001.png(第2版 生物多様性民間参画ガイドライン p19より)

▼取組の検討フロー

180122_guideline-002-1.png(第2版 生物多様性民間参画ガイドライン p20より)

企業の生物多様性に関する取組については、おしえてアミタさんでもインタビュー形式で事例紹介をしています。こちらも併せて参考にしていただければと思います。

今回の改訂から読み解く、生物多様性保全に関する取組の今後のあり方

SDGsの採択、ISO14001の改訂、更にはESG投資の等、生物多様性の保全と持続可能な利用について機運が高まっています。これらを受けて、自社の取組を策定・検討し実施するためには、生物多様性に与える負の影響だけでなく、正の影響(保全への貢献)といった視点も持ち合わせることが必要でしょう。また、自社の業種・事業活動内容と生物多様性との関係性を整理・把握した上で、"その業種・事業活動内容だからこそ能力・特徴を最大限に発揮できる生物多様性に関する取組"を推進し、ポジティブな影響を生み出し続けることが求められています。

関連情報
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  2. 生物多様性に関する戦略・施策の立案支援
  3. 施策の実施および実施効果のモニタリング、改善等の実務支援
参考情報

環境省ウェブサイト:「生物多様性と民間計画

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執筆者プロフィール

matuda.jpg松田 弘一郎 (まつだ こういちろう)
アミタ株式会社 
カスタマーホスピタリティグループ 東日本チーム

岐阜県出身。法政大学人間環境学部を卒業後、アミタに入社。入社後はマーケティングチームにて環境に関するテレマーケティングやセミナーの企画・運営、企業環境部マネージャーへの取材などを実施。現在は、静岡・西神奈川エリアを中心にリサイクル営業を担当中。

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