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ESG経営の必要性とは?VUCA(不確実・複雑)な時代を乗り越える企業戦略

Image_by_Gerd_Altmann_from_Pixabay

VUCA<ブーカ>とは、「Volatility」(変動性)「Uncertainty」(不確実性)「Complexity」(複雑性)「Ambiguity」(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、現代社会は複雑で将来予測が難しいということを表現しています。「将来予測が難しい」「今までのやり方が通用しない」世の中で、企業は存続をかけてどのような経営を行うべきか?
本記事では、VUCAな時代を生き抜く手段の一つである、「ESG経営」を中心に、企業(事業)が継続・成長するためのヒントをお伝えします。

VUCAな時代には、企業のサステナビリティ(持続可能性)が一層厳しく問われる

営利団体である企業の最たる社会貢献は、本業で利益や雇用を生み出し続けることです。本業がうまくいかなければ、どんなに社会に良いことをしようとしても企業が存続できません。逆に、本業がうまくいっていれば、よほど重大な法律違反などをしない限りは存続できる可能性が高いでしょう。つまり、市場における「競争優位」を源泉とした経済的価値が、企業のサステナビリティの"必要条件"です。

かつては、この"必要条件"さえ満たしていれば十分に持続可能だと評価されていました。しかし、環境制約が厳しくなり、さらに変化のスピードが速い今の時代には、それだけでは自社が持続可能であると説明ができなくなっています。

経済的価値=財務指標とはいわば「過去にどれだけ社会貢献したか」を表す尺度です。しかし、過去にどれだけ利益を生み出し社会貢献していたとしても、将来も事業の競争優位が担保され続けるかどうかは未知数です

企業のサステナビリティを脅かす第1の課題:非財務指標の形骸化

企業(事業)のサステナビリティを、投資家をはじめとするステークホルダーに論理的に説明するためには、"不確実な変化"への備えを講じなければなりません。その取り組みが反映される指標が、いわゆる非財務指標です。

非財務指標とは、いわばその企業が将来的に社会や環境にもたらす価値の期待値です。社会や地球環境に配慮し、それを単にきれいごとで終わらせるのではなくビジネスにおける中長期的なリスクと機会に対応すること。これが企業のサステナビリティの"十分条件"であると言えます。

▼サステナブルな事業経営とは何か?

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それでは、非財務指標の向上さえ実現すれば、VUCAな時代においてその企業(事業)は持続可能であると言えるのでしょうか? たとえサステナビリティの"十分条件"を満たしたとしても、肝心の"必要条件"がおろそかになってしまえば元も子もありません。

一方で、非財務指標について、ESG経営の取り組みやSDGs宣言が投資家へ形式的にアピールするためだけの単なる「お飾り」になっているのであれば、その企業は大きなチャンスを無駄にしてしまっていると言えます。

企業のサステナビリティを脅かす第2の課題:パラダイム・シフトへの適応

社会が「未来が予測可能な時代」から「予測困難な時代」に移行したことで、人々の価値観や組織の行動原理など、あらゆる面でパラダイム・シフトが起きています。この変化に企業が適応できなければ、イノベーションの遅れや生産性の悪化につながり、本業の競争優位が失われ、企業のサステナビリティが低下してしまう恐れがあります

▼パラダイム・シフトについて

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上記のように、IT革命、技術進展、経済のグローバル化などのメガトレンドによって、市場を取り巻く環境は大きく変わっており、"不確実な変化""不連続な変化"の要因には、気候変動などの環境制約以外にも様々なものがあります。例えば、IT革命により従来の自前主義に固執することなく、コア・コンピタンスでない部分はアウトソーシングした方が、コストも品質も担保できること等が挙げられます。

では、このような課題を乗り越えるためにはどうすればいいのでしょうか。これらを乗り越えるための手法として、注目されるのが、ESG経営です。

ESG経営は、VUCAな時代を乗り越えるための「唯一ではないがとても有効な手段(ドライビング・フォース)」である

ESG経営に戦略的に取り組むことで、非財務指標の評価向上を果たしつつ、財務指標の向上にもつながるような本業における競争力強化を図れます。そのため、ESG経営はVUCAな時代に適応するために、「唯一ではないがとても有効な手段(ドライビング・フォース)」であると言えます。

▼ESG経営がもたらす変化

意識の改革 長期ビジョンの策定、シナリオ分析などを通じて「現在の延長線上に想定される未来」が必ず訪れるという思い込みを取り払うことができる
新しい考え方・手法が社内で受容されうる土壌づくり バックキャスティング等の手法で高い目標を立てることがイノベーションを促進し、これまで社内になかった新しい考え方・手法を取り入れる契機となる
サステナビリティの"必要条件"の強化 SDGsを意識し社会課題の解決を本業と結び付けることによって、過去の社会には存在しなかった新しいビジネスチャンスを獲得することが可能になる
社内外のステークホルダーとの関係性強化 機能的価値を提供する企業から、社会的価値を提供する企業へと、その存在意義をシフトすることができ、ESG投資や、優秀な人材が集まりやすくなる

VUCAに対応した経営の実現には、ESG経営の手法が活用できる

ESG経営の取り組みにおいては「バックキャスティング」や「シナリオ分析」という考え方・手法が重要だとされています。実は、これらの手法が用いられる背景には、「未来はVUCAであるため、現在の延長線上にあるという認識で事業活動を行うことが、その継続性にとってリスクだ」という認識の浸透があります。

バックキャスティング 「未来」を起点として、そこから逆算して「今」何をすべきかを考える手法。これと対をなすのが、「フォアキャスティング(forecasting)」思考であり、「現在」の状態から、「未来」に向けて何をすべきかを考える手法となる。
シナリオ分析 未来の事業を取り巻く外部環境要因がどのように変化するかは予測が難しいので、複数の条件で予測を立てておき、ある程度幅を持たせて事業計画を立てるという考え・手法。外部環境要因がどのように変化しても着実に「望ましい未来」に向かっていけるように備えておこうという意味を持つ。

一方で、「現代社会がVUCAであるということは、複数のシナリオを立てても、そのような未来が本当に訪れるかどうかの可能性は未知数だ」という意見もあります。

しかし、それでもシナリオを立てるメリットはあります。"全く予測していなかった未来"に対処することと、多少予測が外れていたとしても"ある程度予測していた未来"に対処することには大きな差があるからです

世の中の実例としては、TCFD( The FSB Task Force on Climate-related Financial Disclosures 気候変動関連財務情報開示タスクフォース、 以下 TCFD)」のシナリオ分析が挙げられます。TCFDにおいても気候変動に関するシナリオ分析の開示が求められていますが、これらは「予測は難しいが、備えるべきである」という上記の考えに基づいています。

「シナリオ分析」は企業にイノベーションをもたらす

しかしながら、TCFDが求めているのは環境制約に関してのみフォーカスすることであり、受け身の形式的な対応では、企業(事業)のサステナビリティに与える影響は限定的であると言えます。

TCFDに見られるようなシナリオ分析を戦略的・主体的に活用し、事業全体のシナリオを考えることができれば、全方位的な中長期的なリスクと機会に対策を打てるだけでなく、「現在の延長線上に想定される未来」が必ず訪れるという思い込みを社内から払拭する契機となり、イノベーションの促進や、新しい時代の新しい価値観に沿った人材の育成にもつながるでしょう

▼シナリオ分析の活用

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自社が「なぜ」ESG経営に取り組み、非財務指標の向上を目指すのかということについて、広い視野で捉え、経営層とうまくコミュニケーションを図りながら、VUCAな時代に適応できるよう企業体質をアップデートし、本質的な意味での企業価値の向上を実現しましょう!

アミタでは、環境・CSR・サステナビリティのビジョン策定・戦略策定を支援しています。
  • amita_suetsugu.jpg経営から現場まで、皆が腹落ちするビジョン、目標、実行計画の策定
  • 最新の環境トレンド・バックキャスティング思考やシナリオ分析を用いた実行計画立案 など

本質的な視点から、経営の上流から下流までの各領域をしっかりサポートいたします。

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執筆者プロフィール

Mr.nakamura_014.jpg中村 圭一(なかむら けいいち)
アミタ株式会社
環境戦略デザインチーム ユニットリーダー

静岡大学教育学部を卒業後、アミタに合流しセミナーや情報サービスの企画運営、研修ツールの商品開発、広報・マーケティング、再資源化製品の分析や製造、営業とアミタのサービスの上流から下流までを幅広く手掛ける。現在は分析力と企画力を生かし、企業の環境ビジョン作成や業務効率化などに取り組んでいる。

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