積替保管を行う際のマニフェストや契約書で注意するポイント

積替保管は契約書やマニフェストの運用で積替保管を行わない従来の運用と異なる点があり、注意が必要です。前編では積替保管について説明していきましたが、後編では具体的に気を付けるポイントを解説していきます。

▼関連記事 積替保管を行うことになりました。排出事業者として気を付けるべき点や、積替保管を行わない従来の運用と異なる点はありますか?~前編

注意点1~契約書を締結する際には運搬ルートを確認しましょう

積替保管は一つの収集運搬会社が行う場合と、複数の収集運搬会社が関与する場合があります。後者の場合は区間ごとに収集運搬会社に委託をするので、一般に「区間委託」といいます。「区間委託」の場合は以下の点に気をつけましょう。

  • 排出事業者は関与するすべての収集運搬会社と契約を締結する必要があります(処理法14条第16項により、収集運搬会社は他社に収集運搬や処分を委託することは出来ないと定められています)。取引の内容が分かりにくい場合でも、必ず事前に最終処分までの流れを確認するようにしましょう。
  • 法定記載事項の「運搬の最終目的地」について、それぞれ「積替保管場所」を記載する会社と「最終的に運搬してほしい場所(処分会社など)」を記載する会社とがあります。(どの区間を委託しているかによって、書き分けが必要になる)

注意点2~マニフェスト運用時の変更点をおさえておきましょう

積替保管をする場合のマニフェストは、直行用の7枚つづりではなくA,B2,B4,B6,C1,C2,D,E票の8枚で構成されています。B1票がないことに違和感を感じるかもしれませんが、奇数のB票はありません。B2,B4,B6票はすべて最終的に排出事業者に返送され、各収集運搬会社ではB2.B4,B6票のコピーを保管することになります(なお、最終的に処分会社に持ち込んだ収集運搬会社は、C2票を受け取っていますのでそれも保管しているはずです)。運用を開始する前にマニフェスト返送の流れを確認しておきましょう。

また「有価物拾集量」という欄は、例えばがれき類の中から有償で売却できる金属等を分別するなど、積替保管場所で収集運搬会社が有価物を抜き取った場合にその量を記載する欄です 。抜き取った後の売却先はできれば確認しておくと良いでしょう。(ちなみに、積替保管を行わない場合、紙マニフェストの「積替又は保管」の欄には斜線を引いておきましょう。)

注意点3~現地確認の際は以下のポイントをチェックしましょう

チェックするポイントは、処分場の保管場所とほぼ同じです。ただし、保管量の上限については、処分を行う場合「一日の処理能力の14倍」ですが、積替保管の場合は「一日あたりの平均搬出量の7倍」になります。

もし廃棄物が大量に溜まっていたら、それが不適正処理のきっかけになる可能性もありますし、将来的なリスクの兆候である可能性もあります。いつまでに適切な状態に戻る見込みなのか確認しておくと良いでしょう。

注意点4~船、鉄道などを用いる場合

船や鉄道を利用する場合は、引取りから処理先への到着まで、車両に比べ日数がかかるので、処理先へ到着日を連絡する際には正確な到着日を伝えるようご注意ください。また、船による輸送は、入港制限(船の大きさ・高さ、入港時間など)がある場合や、悪天候による延期の可能性などがあります。事前に港の使用条件や、日程が変更となった場合の対応を決めておきましょう。

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執筆者情報

  • なかむら けいいち

    中村 圭一

    アミタホールディングス株式会社 インテリジェンスデザイングループ AI戦略室 室長 上級コンサルタント

    2007年にアミタに合流し、再資源化製品の分析・製造から営業まで、資源循環事業の上流から下流まで幅広く経験。
    その後、企業の環境戦略・資源循環戦略の策定、新規事業構想、サステナビリティ経営への移行支援など、コンサルティング業務に従事。近年は、企業の長期ビジョン策定や移行戦略立案に加え、サステナビリティ経営・営業活動を支援するAIツールの企画・開発にも取り組んでいる。

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