三者契約、廃棄物処理法上は適法か?締結時の注意点を教えてください。 | 企業の環境・CSR・サステナビリティ戦略に役立つ情報が満載!

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三者契約、廃棄物処理法上は適法か?締結時の注意点を教えてください。佐藤泉先生の「廃棄物処理法・環境法はこう読む!」

Photo_by_rawpixel_on_Unsplash.jpg「収集運搬と処分の委託契約を一本にすることは可能でしょうか。処理費の支払いは収集運搬会社に一括して支払っているので、管理上、契約の数を減らした方が合理的です。どのような点に気を付ければよいでしょうか。」

三者契約の締結自体は、適法ですが、運用の際は注意が必要です。これまでの背景も含めて、解説します。

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廃棄物処理法の規定について

廃棄物処理法第12条5項は、排出事業者は、産業廃棄物の運搬については産業廃棄物の収集運搬業者に、その処分については産業廃棄物処分業者にそれぞれ委託しなければならない、と規定しています。

上記の「それぞれに」委託する、という部分は平成3年の法改正で追加されたものです。またこの改正により、書面による委託契約書の締結が義務付けられました。

平成3年の法改正の趣旨は、排出事業者が収集運搬業者に処理を丸投げし、実際に焼却や埋め立てを行っている処分業者が誰なのかも把握していない、という実態を是正することにありました。平成3年の改正前には、マニフェスト伝票の制度もありませんでした。

環境省の通知について

旧厚生省の通知(平成6年2月17日付、衛産20、「産業廃棄物の運搬、処分等の委託及び再委託の基準に係る廃棄物の処理及び清掃に関する法律適用上の疑義について」)の問16には、以下の記述があります。

「問16 排出事業者が産業廃棄物処分業者Aと直接接触してAの能力等を確認することなく、産業廃棄物収集運搬業者Bの説明を聞いたのみで、AとBを契約相手とする、いわゆる三者契約を締結することは委託基準に反すると考えるがどうか。
 答 お見込み通り。」

この通知は、収集運搬業者への丸投げの実態を問題としています。すなわち、三者契約が形式的にすべて違法であるという趣旨ではないと思います。

三者契約の適法性は?

一般論として、一通の契約書に「甲」「乙」「丙」等の形で、複数の当事者が契約することはよくあります。例えば、貸付金の保証契約では、債権者、債務者、連帯保証人が連名でサインします。これは、契約内容が三者に関連しているので、一通の契約書にしたほうが、記載の矛盾や重複を避けることができるため、合理性があるからです。この場合、契約の内容は、債権者と債務者間の借入契約と、債権者と保証人間の保証契約という二つの個別契約が、一通の契約書に記載されていることになります。民法の契約自由の原則に照らし、違法性はありません。

産業廃棄物の処理委託契約についても、排出者が同じ産業廃棄物を収集運搬業者と中間処理業者に連続して引き渡す形で委託する場合には、三者で一通の契約書に契約内容を記載することは契約内容が分かりやすく、合理性があり、民法上適法です。

廃棄物処理法の適法性については、その改正経緯から考えて、三者契約が実質的に、排出事業者が中間処理業者や複数の収集運搬業者の許可を確認しないなど、丸投げの状態になっていないことが重要です。すなわち、それぞれの処理業者の許可内容、役割分担や処理料金が明確となっていることが必要です。この条件が満たされれば、たとえ一通の契約書に記載され、処理業者が複数併記されていても、「それぞれに」契約した二つの契約の内容が、一通の契約書に集約されているものとして、廃棄物処理法に違反しないと思います。

締結時の注意点

排出事業者は、以下を確認することが必要です。

  • 処分業者の許可証等により、排出事業者の産業廃棄物を適正に処理する能力があることを確認する
  • 処理委託の後に、マニフェスト伝票で処分の事実を確認する

また、契約の途中で、収集運搬業者のみ変更・追加する、処分業者のみ変更・追加するという可能性がある場合には、三者契約ではなく、個別の契約にしておく方が契約の管理がしやすいということもあります。したがって、基本は二者契約にしておく方がよいと思います。

まとめ
  • 契約途中の内容の変更等を考慮すると、基本的には二者契約にするのが望ましいが、三者契約という行為自体は、廃棄物処理法上も民法上も違法ではない。
  • ただし、環境省の通知から、三者契約が実質的に、排出事業者が中間処理業者や複数の収集運搬業者の許可を確認しないなど、丸投げの状態になっていないことが重要である。
  • 契約内容によっては三者契約が合理的な場合もある。実施する際は、それぞれの処理業者の許可内容、役割分担や処理料金を明確にして、締結すること。
執筆者プロフィール

佐藤 泉(さとう いずみ)氏
佐藤泉法律事務所 弁護士

環境関連法を主な専門とする。特に、企業の廃棄物処理法、土壌汚染対策法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法等に関連したコンプライアンス体制の構築、紛争の予防及び解決、契約書作成の支援等を実施。著書は『廃棄物処理法完全ガイド』(監修、日経PB社)など

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