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廃棄物管理におけるDX化の進め方とは?3つのステップを解説!

Image by tsukibune from photoAC

廃棄物管理の現場でなかなかDXが進まないのはなぜでしょう。本記事ではDXが進まない理由と、DXを促進するための3つのステップを解説します。

目次

DXとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタルテクノロジーを駆使して業務プロセスやビジネスモデルを変革し、最終的には企業の競争優位性力を高めるためのアプローチです。
令和4年版「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書(環境省)」でも、持続可能な経済社会、循環型社会を作っていく大きな鍵してDXの活用を掲げており、デジタルの活用は廃棄物管理の現場においても非常に重要なテーマとなっています。

廃棄物管理の現場でDXが進まない理由

しかし、廃棄物管理の現場ではDXがあまり進んでいません。
これは静脈産業側のデータですが、収集運搬業務の配車ルート設定方法にシステムを導入しているかどうかを調査した結果、わずか7%の業者しかシステムを利用していない実態が明らかになりました。

▼廃棄物処理・リサイクルにおけるDX推進のための研究会
廃棄物処理・リサイクルに係るDX推進ガイドライン~処理業者編~

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DXが廃棄物管理の現場でなかなか進まないのは何故でしょう。
いくつかの要因はありますが、おおむね以下のような理由が考えられます。

  • 法的制約と規制
    廃棄物管理業務は廃棄物処理法に則る必要があります。法的制約が厳しい領域では、デジタル化においても法的要件を満たすための対応に時間がかかり、結果DXの進行が遅れることがあります。

  • 予算制約とリソース不足
    DXを進めるには初期投資と運用費用がかかります。充てる予算がない場合、また一定の専門スキルが必要となるため適切な人材が不足している場合、進捗が遅れることがあります。

  • 業務プロセスの複雑さ
    廃棄物管理のプロセスは廃棄物処理法の改訂にあわせ発展してきたため、複雑化しています。すでに既存システムに慣れていたり、また手法が慣習化されていたりすると、統合や変更が難しいため、進捗を遅らせることがあります。

DX推進のステップ

しかしながら今後廃棄物管理業務は、さらなる業務の増大(ESG対応)や働き手の不足により、DXを推進せざるを得ない状況になるでしょう。ではどのようにDXを推進すればよいのでしょうか。実はDXには手順を踏んだ段階的な進め方があります。以下、DX化をすすめる上でのステップを紹介します。

  • デジタイゼーション

DXを進める第一歩はデジタイゼーションです。これは物理的なプロセスやデータをデジタルフォーマットに変換するプロセスです。データをデジタルに置き換えるという意味では、紙で運用されているマニフェストを電子化することをイメージされると理解しやすいかと思います。
廃棄物管理業務の現場では、以下のような切り口・方法でデジタイゼーションを進めていくこととなります。

実施テーマの例 方法
デジタルデータの収集 センサーやモバイルアプリを使用して、廃棄物発生量や品質データをリアルタイムで収集します。
データの統合 収集したデータを統一されたフォーマットに落とし込み、統計処理や分析に活用できるようデータベース上で管理します。マニフェスト電子化などがこれに該当します。
プロセスの自動化 自動化技術を活用して、タスクやプロセスを自動化し、業務の抜け漏れ防止、業務効率向上を図ります。

    • デジタライゼーション

    デジタイゼーションがある程度達成できたら、次はデジタライゼーションに着手しましょう。デジタライゼーションは、デジタルデータを活用してビジネスを最適化するプロセスです。

    実施テーマの例 方法
    データ分析 収集したデータを分析し、委託先の集約/複線化の必要性、コスト削減の余地などを把握します。
    予測分析 データを活用し将来の廃棄物発生量や需要を予測し、リソースを最適化(搬出頻度の見直しなど)します。
    リアルタイムモニタリング リアルタイムのデータモニタリングを通じて、改善点や問題を早期に検出し対応します。

    • そしてデジタルトランスフォーメーションへ

    最終的なステップはデジタルトランスフォーメーション(DX)への移行です。
    この段階では、デジタル技術を戦略的に活用し、ビジネスモデルやプロセスを変革します。

    実施テーマの例 方法
    プロセスの再設計 DXを活用してプロセスを最適状態に再設計し、コンプライアンス担保と業務効率向上を同時実現します。
    持続可能性の強化 需要予測に基づく廃棄ロス削減や、利用可能な資材の社内シェア・転用促進など、DXを通じて環境への影響を最小限に抑え、持続可能な廃棄物管理を実現します。
    ステークホルダーとの連携 廃棄物発生量のリアルタイムデータ共有による搬出手配の自動化など、DXを通じて、顧客やパートナーとの連携を強化し、付加価値を提供します。

    廃棄物管理の現場でも段階的にDXを推進しましょう

    DXの導入は、廃棄物管理業務の課題を改善するのに非常に有効な手段ですが、一足飛びにすべての変革を実現することは困難です。
    まずは自社の業務にデジタル技術を活用するところから始めましょう。
    そして3つのステップに従い、段階的に進めていくことで、DXを推進し、廃棄物管理業務を改善し、企業の持続可能性を向上させ、競争優位性を高めていきましょう。

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