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コラム

EMS日本上陸!:第1回対談 グリーンフューチャーズ代表 吉田敬史氏(5/7)藤原仁志の「対談:攻める!環境部」

前回までの話はこちら 「第1回対談 グリーンフューチャーズ代表 吉田 敬史氏(4/7)」

「後になって、やっと理解できた。」

吉田: そう、あれはそういうことだったのかとかね。本当にそういうところからスタートしているから。 今になればEMSもみんな知っていて、いろんな人がいろんなことを言っている。中には変な意見もあるけど、全体としてみたら、ものすごく理解が進んだなと思うんです。当初は、日本からは本当にそれ相応の立場や経験のある人が出ているのに、ほとんどピント外れの議論が1年ぐらい続いたことを思えば、これは随分進歩したというか、日本の中にああいうものの理解がすごくすすんだという気がするんですよね。当時みたいに変なことを言う人は、今はそんなにいなくなりましたから。

藤原: 環境部門の若手が、JABって何ですかって、質問するって以前おっしゃってましたけど。

吉田: まあ、そういう別の問題はありますけどね。

藤原:大手電機メーカーさんが92年、93年ぐらいに、いわゆる公害対策から環境対策へちゃんと発展させないといけないということで、大体同じような時期に同じようなやりかたでスタートを切って。そういうマネジメントシステムとか、認証って何なのかと言いつつも、結果的にはそれに引っ張られていったというか、引っ張っていく道具にされたという意味では、やっぱりEMSは影響力があったのでしょうね。

第1回対談 グリーンフューチャーズ代表 吉田敬史氏(5/7)

吉田: そうですね。だから、ISOっていうのも、学べばそういうことなのかということが、段々分ってきて。それをお互いに学ぶたびに経団連に報告をしてというプロセスを繰り返す中で段々皆さんの理解も深まったんです。

最初にカナダの方が来たときにいろんなことをしていただいた中で、今でも覚えているのが、これからはレギュレーションからボランタリーですよと、大きな環境政策の話をされて。その方は、レギュレーションのことをコマンド・アンド・コントロール(command and control)というんです。コマンド・アンド・コントロールから、ボランタリーをつくっていくんだと。

すでにアメリカ、カナダでは、恐らくレギュレーションとボランタリーのウェイトは半々ぐらいだけど、これからはむしろレギュレーションはそんなに増やさないで、ボランタリーのセクションをどんどん伸ばしていくという説明を大変クリアにしたんですよね。 それが大変クリアだったこともあって、経団連の方もそれはなるほどそうなのかという話で、理解できたんだと思います。

それでも94年ぐらいまでは日本はもう公害を克服した唯一の先進国で、今さら環境監査なんて必要じゃないって言われてました。今でも日本は省エネと環境技術は世界一という主張をよく耳にしますが。

藤原: それは、本当なんですかね。よく言われるんですよね。

吉田: 経団連の人は日本は公害を克服してきたと。確かに日本は一番クリーンなものをつくってきたから、それ以上もう要らない、やることはやっているし、世界でもOECDリポートでも日本のアセスメントで、日本はもう経済成長と公害防止を達成したって書いているというわけです。

だから、環境監査なんて、二重になるから要らないという議論が94年ぐらいまで、ずっとあったんですね。それが94、95 年ぐらいになると、さすがにそんなことを表立って言う人はいなくなったんです。ただ、日本の環境技術は世界一でどうのこうのっていうのは、今でも言ってる人がいて、私はそれは違うんだよな、という気はしてますけど。

藤原: 環境部門をうまく国内で立ち上げるときに、「監査」をうまくお使いになった話をされていましたよね。

吉田: そうですね。

藤原:レギュレーションとボランタリーの違いは、ピンときたというふうにおっしゃるんですけど、このピンと来たものを具体的に現場に落としていくというのは、そう簡単ではなかったんではないかと思うんですけど、その辺りはどうされたんですか。95年から、それこそ96年の10月にISO14001が発効しましたよね。

第1回対談 グリーンフューチャーズ代表 吉田敬史氏(5/7)

吉田: 今でこそ、どこの会社も全社体制をつくっています。例えば全社の環境責任者会議とか、関係会社の人も集めて関係会社の責任者も交えて会議をするとか。それを日立さんや松下さんは、何百人と集めて大々的にやったりと。

でも、あれは今でこそできるのであって、ああいうことをできるようになるまでに、立ち上げから2~3年かかっているわけです。どこの会社もそうだと思うけど、やっぱり最初はできたばかりの部門で、やっと94年ぐらいになってから、全社の委員会のようなものをつくって、ちゃんと毎回方針をこちらからも出して、それから報告を受けて、ディスカッションをして、というようなことしっかりやらないといけないですね、ということをさかんに言ってました。

ただ、最初は部門長も、あるいは課長とか権限がある人たちは、そういう動きには二の足を踏んだんですよね。そもそも何十人も集めるというのは、大変コストがかかるし、環境部からの呼びかけに、「来てくれなかったらどうするんだ」と。

藤原: 今から思えば取り越し苦労なんでしょうけど、そのときは......(笑)

吉田: どのぐらい来てくれるかなと、そんなことを心配してやっていました。要するに環境部門の仕事に自信がない。でもいざ声を掛けてみたら、ほとんど欠席がないぐらいみんな集まってくれたんです。最初は本当に管理職も、数人は来てくれるだろうなぁとか。

藤原: 恐々ですね。

吉田: もちろん最初は、三菱電機の国内本体だけの召集でした。関係会社や海外にまで声を掛けるようになるには、まだそこから何年か掛かるわけです。

藤原:でも意外にそうやって集まってきてくれたということは、みんなやらないといけないと実際は感じていた、ということだったんですかね。

「本社と現場の関係が、変わってきました。」

吉田: そうですね。それと、このころすでにフロン対策のような実務も具体的に出てき始めていたことも理由のひとつだと思いますね。フロンでいえば、各工場の洗浄装置の全廃については、当時は本社が一括して開発費を申請する特別重点プロジェクトでしたから、10億円ほどの予算があったんです。設備投資のほうは全社の開発費は10億円ぐらいでしたが、いろんな対策含めると100億は超えていたと思います。

そういう全社的な情報交換をして、開発費を少しでも自分のところの製品に活用できるように現場は考えていましたから、やっぱり会議に顔を出しておかなくてはということもあったんですよね。決して環境は大事だからということだけではなかったなと思います。当時は、そういうお金は今より潤沢だったんで、まとめてお金を取って、本社が引っ張るというのはまだあった時代だったんですね。

それが、地方分権じゃないけど、本社管理のフィールドというのが、段々狭くなる時代が90 年代後半から来たでしょう。本社がまとめて予算取って、配分するというのは、非効率になるからということで、それぞれ現場がちゃんと申請して、というかたちにシステムが変わってきましたね。

90年代前半までは仕組みづくりが忙しかったし、それだけじゃなくて、フロンの全廃とか、いろんな規制も次々に前倒しになって、一体どうなるんだという不安のようなものも工場側にあったから、だんだんと環境の情報を聞きたいということが工場側にも90 年代前半を通じて盛り上がってきていたんじゃないかなと思います。

今では想像できないぐらい、そのころの動きは、メディアにも取り上げられました。意外と現場は現場で、情報に飢えていて、むしろこっちが集めて、おっかなびっくり会議に招集しても、向こうは当然のように優先度を上げて来てくれたというのが実態ではないのかなと思います。

藤原: 本部の役割というのは、やっぱり全体を俯瞰し、現場を知りつつも、現状はこうだよ、でも、今のトレンドとか法律はこうだよというときに、情報を収集して翻訳して現場に下ろしていくための役割がきっちりできてきた、認識されてきたということもあったんでしょうね。

吉田: 最初はぎこちなかったけど、そういう全社の集まりみたいなものも、何回かやっていくうちに、洗練されてくるというか、慣れてくるというか、やるほうも、集まるほうもね。来れば来たで、工場から現場の報告がしたいとか、意見も出てくるし、議論も交わされるから、そこで随分、短い時間で進歩したなと思いますよね。

藤原: 結構活発に現場からも発信があったんですか?

吉田: そうですね。結構、最初からちゃんとした双方向の会話ができたような気がしますね。まだまだ、今に比べると当時はテーマもすごく狭かった。ノンフロン対応とか。本当に、今に比べるとアイテムはすごく少なかったと思いますね。工場からだけでなく関係会社の方も、それも大きな関係会社さんとか。

■次回「第1回対談 グリーンフューチャーズ代表 吉田敬史氏(6/7)」へ続く

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