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環境部門は社業を知るべし!:第1回対談 グリーンフューチャーズ代表 吉田敬史氏(7/7)藤原仁志の「対談:攻める!環境部」

前回までの話はこちら 「第1回対談 グリーンフューチャーズ代表 吉田 敬史 氏(6/7)」

「環境部が普通の部門になってきたのではないでしょうか?」

吉田: 難しいご質問ですね。以前、藤原さんがおっしゃっていたように、環境部門もいまや普通の本社のほかの部門と同じになったっていうことですかね。段々かたちができて、本社の環境部というのは、こういうことをやるものだという既成概念ができてしまって、全社会議や世界環境会議だのなんだと会議を開いて、展示会にも出展してというようなことを年中行事としてスケジュール化している。やる方はこれだけやっていけばいい。あとはどんどん新しいことがあるから、業界活動とか、情報収集というのもあって、環境部門の人もそれなりに忙しいとは思うんです。

でもそれすらもルーティン化していますね。なんとか工業会とか、担当者の役割分担はもう決まっていて。決められるとみんなそれぞれの担当だから、業務も決まってしまうんですね。その中で専門分化がまた進んで、部門としてやることも、ずっと増えているけども、カテゴリーとして見ると固定化して、むしろ狭くなっているのではと。

そうなってくると危機的なのは、仕事がいわゆるサラリーマン化してきますよね。以前は、結構勝手なことやっている社員がいた分野なんですが、それぞれが決まったことを決まった領域の中でやっているから、同じ環境部にいても自分は省エネ担当です、わたしは温暖化対策ですから、化学物質のことは一切分りませんとか、国内専門で海外は分りませんとかそういう風になってきてますね。

もちろん部門としては全事業見なければいけないから、担当役員は全体を見ているけど、多くの担当者たちは自分の持ち場が決まっていて、枠をつくってしまう。そうなると結局本人もつまらなくなるんじゃないかなと思うんです。人材も育たなくなる可能性が高くなりますよね。その中から次の全体を見るような人がでてくるのかどうか。何か、どの会社も同じような取り組み、どこにいても業務に特長がない。全体として、どこもコンビニの弁当みたいな気がするんです。昔のダイナミズムのようなものが失われていますね。

これは環境部門だけじゃなくて、あらゆる日本の会社の姿もそうなんじゃないかなという気がします。 今回みたいに、少しガラガラっときたら、よく考え直してみて、そこで違う領域に踏み込んでみる。例えば、環境部門はもっと会社の事業のことを知るべきだと思います。もっと外へ出るべきだと思うんですね。中に閉じこもって管理だけやってもだめなんです。目がキラキラ輝いていて、ここで遊んでやろうとか、自分で発見してやろうと思って会合とか、集まりに出てくる人っていうのは減っているんじゃないのかなと思うんですね。

環境っていうのは、唯一縦にも横にも、ものすごく幅が広い分野です。海外も、関係会社も、工場も、利害関係者全体というと、NPOやNGOなども出てきます。環境部門の活躍フィールドはますます広がっている。チャンスがあれば、どこで野球やってもいいのに、先輩がつくった野球場の中だけでボコボコとやっているような人が増えているのではないのかなと思います。

藤原: 全体管理することさえも大変ですからね。

吉田: それは、わかる。

これからの環境部の鍵を握るのは?

藤原: 私の対談テーマは、これからは、攻める環境部というようなことを言っているんですけど、IT業界などでよくいわれるようなオープンソースというか、他社や他業界の商品やサービス、ビジネスモデルを取り入れて協力関係をつくっていけば、自分たちのものを自分たちだけで何とかできないかなと言っているよりも、早く課題解決できるんじゃないかなと思ったりするんです。

吉田: 正攻法でこつこつやるだけが、問題を解決するルートじゃないということですよね。管理社会になると、こつことやっている人だけを評価するようになってしまうと。外に行って何かをやっている人が実は、何かいい解決を持ってくるかもしれないわけです。そのほうが価値ある飛躍が生まれる可能性が、環境分野にはいっぱいある。フィールドが広いから。

藤原: 今、外へ出ていきたいというと、旅費交通費削減しろなんて言われて、がっくりしたり。

吉田:それもその人の工夫次第で、誰も反対できないようなシナリオをつくって、このために要るんだといって出かけて行く、そういう人材が伸びていくと思います。

第1回対談 グリーンフューチャーズ代表 吉田敬史氏(7/7)

藤原: なるほど。今はあまり若い方がいきなり環境部に配属されないという理由に現場知らなきゃいけないという意味は、理解できるんです。でも、一回入れて、それから一回出して、それでまた帰ってくるようなことがあっても面白いんじゃないかなという気はします。出戻り歓迎と。

吉田:これまで他部署の経験者というのは、人事制度的にいってもジョブローテーションがあるけど、環境分野の人材でそれができている企業というは少ないんじゃないかなと思います。もちろん最初から新人を投入してもいいと思うんですね。投入して、それでまた課題によって、現場なり、ほかの部門なりへ投入する。現場も工場だけである必要はないんですね。

環境を振り出しに、資材部だとか、IRの部門へ回して、もう一回環境に復帰するとか。環境は環境で、やっぱり専門性というものがあるし、いろんなコミュニティがあるから、そういうところも経験させながら、どうやって育てていくかっていうことを考える時期だと思うんですよね。

環境監査のポイントにコミュニケーション〜効率重視から有効性重視へ〜

藤原: 今日のお話を振り返ると、冒頭から最後まで中心的なのはコミュニケーションというか、いかに人を巻き込んでいくかとかいうことを、結果的に吉田さんもおやりになってきた15 年間だと。現場経験があるのとないのでは、コミュニケーションの中身だとか、やり方も、相手もどこまで心を開いてくれるかとか、経験のない何も知らないやつに、わかるのかというようなことになってしまうこともありますよね。そこが非常に重要なんだということを、おっしゃっているのかなというふうに聞いていました。

吉田: 監査のときに、わたしは電力をやっていたので、全然環境知らないんですよ、という感じで入って行って、でも、時々あらかじめ勉強していったことで、現場の人も感心してくれたり、質問して聞き込んだりしながら、うまく巻き込んでこれたと思う。

おっしゃるとおり、コミュニケーションが大事だと思うんですよね。そこにあるのは、オープンであることとともに、自分が現場それ自体に興味があるかどうか。監査というものが大変危険なのは、本当に監査をテクニックだけでやろうとして、業務として来ましたという人に監査されるくらい、嫌なことってないと思います。

藤原: チェックリストだけで処理していくようなやり方ですね。

吉田: 内部監査の場合は本当に現場を理解して、何が根本問題なのかと問わないといけない。できてないならできてないで、なぜそうなのかということをオープンに対話できるかどうかなんですよ。上からやるんじゃなくて、話し合いの中で柔硬を使い分けるというか。柔軟にいったり、硬くいったりとかやってきました。

コミュニケーションですよね。海外もそうだし、そのときに、やっぱりコミュニケーションとは相手の立場、相手の土俵に対して本当に興味を持ってあげられるかどうか。興味を持つと、面白いんですよ。興味がないとありきたりの質問しか出ないんです。事前の質問表があるんです。それしか出ない。すると面白くないんです。

藤原: 逆に今お話が出て思うのは、吉田さんがもともとなのか分りませんけど、そういう気質というものをお持ちだったのは大きいと思います。興味が非常にいろんなものにおありだとか。今日、お話を伺って思ったのは、環境というものはみんな技術オリエンテッドになりがちなので、各論になってくると、自分がやっている仕事の範囲の中で、環境ってこれだよと具体的なものをピックアップしてもらわないと、どうやって関わっていいのかわからないようなところがあるのではないかと。

生産現場は、効率をもっとも大事にしてきたから、漠然と指示されるのではなくて、「おまえはここを、こういう技術でやりなさい」ってやらないとできない。環境を本当にやろうと思うと、そういう模範解答みたいなものは必ずしもないから、発想がわかない。これまでの効率的生産最優先とは違う思考方法を持たないと、環境を現場に根付かせるのは難しいのかもしれないと思いますね。

吉田: おっしゃるとおりですね。人によっては、自由度があるということを嫌がる人、どうしたらいいのか決めてくださいという人も確かにいるんですね。こういう人は、しょうがないというか。そういうメンタリティの人は、そういう仕事しか、多分できないし。逆にそういう仕事をやれば、ちゃんとやるのかもしれないから、そこでやっぱり見極めなければいけない。

私がいいたいのは、今は環境部門全体をマクロに見たときに、お話ししたような自分から積極的に思考する、楽しむ、興味をもって動くというスタイルが必要になってきているのに、むしろ全体としては固定化する方向になってきて、はみ出す人が相対的に少なくなってきているんじゃないかなと。だから、それをうまく入れていかないと、みんなこうなってしまうとまずいよという感じがするんですね。

藤原:なるほど。要するに、イノベーションが必要なんでしょうね。環境部門は、これからそういったことを声を大きくして提言するようなことが必要だと。おまえは現場を知らないんだから、勝手なことを言うなって言われるかもしれないんだけど、あえてそれを現場に入っていって、素直に「これはおかしいんじゃないですか」みたいなことを言えるような部門になっていくと、すごく面白いと思いますね。環境部の位置付けがどんどん変わってくるんじゃないかなという気がしますね。貴重なお話しをありがとうございました。あっという間に、2時間たってしまいました。ありがとうございました。

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