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処理委託契約書について学ぶ(その1) ― 廃棄物委託契約の基礎知識をおさらいBUNさんの「元・行政担当者が語る 廃棄物管理のイロハ」

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廃棄物の委託については、過去にも何度か取り上げているテーマですが、改めてBUNさんなりに解説してみたいと思います。 世の中には「必ずやらなければいけないこと」と「やった方がいいこと」があります。いわゆる「優先順位」です。

廃棄物処理法におけるいろいろなルールも、以下のように分類ができます。

  1. 法律で規定されていて懲役刑を筆頭とする罰則が規定されている事項
  2. 法律で規定されてはいるが罰則は規定されていない事項
  3. 通知やガイドライン、マニュアルでは規定しているが法令では規定していない事項で、道徳、倫理観、慣習、経験に基づいて実施する事項

あまりよい例えではありませんが、「殺人を犯してはいけません」と「お年寄りに席を譲りましょう」はどちらも世の中のルールであっても、同じレベルの話ではない、ということです。 委託契約書を考えるにあたっても、このことをまずは頭に入れておく必要があると感じています。

産廃は「うるさい」、一廃は「何もなし」

なぜ、こんな前置きをしたかと言えば、一般廃棄物の委託については廃棄物処理法では、ほとんど規定をしていないのです。唯一の規定が法第6条の2第6項を政令第4条の4で受けた「事業者は一般廃棄物を委託するなら許可業者(※)に委託しなさい」というものです。
※許可の不要な大臣広域認定、市町村指定、各種リサイクル法の規定による場合等を含みます。

あとで紹介する産業廃棄物のような細かい規定は一切ありません。しかし、現実には会社と会社の取り決めを口約束で済ましておくのはトラブルの元です。よって、事業系の一般廃棄物については、産業廃棄物に準じて「委託契約書」という文書の形で取り交わしておくことが「無難」であると言えるでしょうね。

産業廃棄物委託契約書の必須事項はこう規定されている

産業廃棄物の委託契約は、皆さんがすでにご存じの通り、必ず「書面」であらかじめ締結しておかなくてはなりません。 そして、その契約事項も政令と省令で細かく規定されていて、今回(2010年)の法改正でさらに13番目の項目に「輸入廃棄物関連事項」が追加されています。ご存じのことと思いますが、次の事項です。

契約書記載事項
収集運搬・処分共通 1.産業廃棄物の種類、量
2.委託契約有効期間
3.受託者支払金額
4.業許可事業範囲
5.適正処理のための必要な情報提供
6.(5)の提供情報の変更があった場合の当該情報の伝達方法
7.業務終了時の報告
8.契約解除時の未処理産業廃棄物の扱い
収集運搬のみ 9.運搬の最終目的所在地(運搬の場合)
10.運搬委託で受託者が積替え又は保管を行う場合
処分のみ 11.処分又は再生委託の場合、場所、方法、能力
12.処理後に残渣が発生する場合は、最終処分関連条項記載
13.輸入廃棄物である場合はその旨

この「項目13」については、次回以降に取り上げてみたいと思います。

産廃委託契約書は排出事業者の義務(処理会社に義務はない)

さて、このように「うるさい」委託契約書ですが、誰の義務なのでしょうか?

今回の法改正ではマニフェスト(産業廃棄物管理票)に関しては、「マニフェストが交付されない産廃を受託すれば受け取った側の産廃業者も法律違反」という条文を整備しました。

契約も排出事業者、処理会社ともに規定されているのでしょうか?

実は、契約締結義務は受け手側、すなわち処理会社側には規定されていないのです。産廃の契約書の義務は排出事業者だけが法令上は義務化されていて、しかも、違反の罰則は最高刑で懲役3年というとても重いものです。契約書の保存義務も業者側にはありません。

「契約」というものは、「甲と乙」が存在してはじめて成立するものですから、排出事業者だけに規定していても十分なのかもしれませんが、これも冒頭で述べた「やった方がいいこと」には違いありませんから、許可業者も書面で委託契約を締結して、5年間は契約書を保管しておくほうがよりコンプライアンスの強化につながるでしょう。

次回は、契約書に記載する内容と条文での表現について解説します。

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執筆者プロフィール

長岡 文明 (ながおか ふみあき)
株式会社アミタ持続可能経済研究所 特別顧問

山形県にて廃棄物処理法、廃棄物行政、処理業者への指導に長年携わり、行政内での研修講師も勤める。2009年3月末で山形県を早期退職し、廃棄物処理法の啓蒙活動を行う。廃棄物行政の世界ではBUNさんの愛称で親しまれ、著書多数。 元・文化環境部循環型社会推進課課長補佐(廃棄物対策担当)

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