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紛争鉱物とはそもそも何ですか?

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WEBサイトや書籍で目にする「紛争鉱物」という言葉は、複数の意味で用いられており、やや混乱を招きます。今回は厳密なところから、その意味を確認します。

「紛争鉱物」の定義

紛争鉱物に関わる規制を定めた、アメリカのドット・フランク法では、以下のように「紛争鉱物」を定義しています。

(A)コロンバイトタンタライト(Tantal:タンタルの鉱石)、錫石(Tin:錫の鉱石)、金(Gold)、鉄マンガン重石(Tungsten:タングステンの鉱石)(いわゆる3TG)、またはその派生物
または、
(B)国務長官により、コンゴ民主共和国およびその周辺国において紛争の資金源となっていると判断される鉱物またはその派生物
(米証券取引委員会(SEC)による紛争鉱物開示規制に関する最終規則)

これはあくまでアメリカの法律における定義であり、EUやOECDではまたその定義が異なります。

一方、一般的な場(Webサイトや書籍の一部)では、紛争地域で人権侵害、環境破壊、汚職など、不正に関わる組織の資金源となっている鉱物を指しているケースも見られます。

細かな違いではありますが、「紛争鉱物」という言葉は、文脈によって、具体的に何を指しているのか正確に理解したほうが良い言葉といえそうです。

さらに詳しく知りたい方に...

企業と「紛争鉱物」 ~「DRCコンフリクト・フリー」とは?~

「DRCコンフリクト・フリー」とは、該当鉱物がコンゴ民主共和国(通称、DRC)およびその周辺国の武装集団の資金源になっていないことを示す言葉です。 上述の「紛争鉱物」の定義(A)には、「紛争」という単語を使った言葉を定義しようとしているにも関わらず、紛争への加担の有無について一切触れられていません。金や鉄マンガン重石等の鉱物そのものと、「紛争」というネガティブな言葉とがクロ・シロ関係なく直接結び付けられています。 また、アメリカのドット・フランク法では、規制として、コンゴ民主共和国および周辺国の「紛争鉱物」を製品に使用する上場企業に対してアメリカ証券取引委員会への報告義務を求めています。

「紛争鉱物」を取り扱うアメリカの上場企業は、紛争に加担していないことを示すために、国内的または国際的に広く認められている枠組みの中で、直接間接的に、かなりの労力を割いて、サプライチェーンをたどって確認を行う必要があります。
これによって初めて疑惑が晴れ、「DRCコンフリクト・フリー」、つまり、コンゴおよびその周辺国の武装集団の紛争に加担していないことを示すことができるようになるわけです。

EUにおける「紛争鉱物」に対する考え方

アメリカのドット・フランク法では、報告義務の対象地域をコンゴとその周辺国に限定していました。これによって、リスク回避のために対象地域からの調達そのものを控える企業も出てきたために、もともと武装集団と関わりのなかった現地鉱物取り扱い事業者に大きな経済的な損失をもたらすことにもなりました。

EUでは、今まさに紛争鉱物に関わる法制化が進められていますが、アメリカの状況を受けて、規制対象地域を、特定地域に限定せず、「紛争地域および高リスク地域」として世界に広げる方向性で議論が進められています。

いずれにせよ、紛争鉱物に対する規制は、アメリカだけでなく、EUにも広がりを見せており、今後の動きを注視する必要があります。

EUの紛争鉱物の最新動向については、こちらをご覧ください。

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