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コラム

スローイノベーション(Slow Innovation)の時代
5.「京都をつなげる30人」体験レポ スローイノベーションの可能性
スローイノベーションの時代

kyoto30_1_top.JPGSDGsがますます注目されるなか、企業のCSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)の必要性が高まってきています。CSVを成功させるには、行政やNPOを含むクロスセクターの協力関係を丁寧に築き上げ、粘り強く社会イノベーションに取り組むことが重要です。今回は、Slow Innovation株式会社が主催する「つなげる30人」プログラムに参加したアミタ株式会社の宍倉よりレポートをお届けします。

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「想い」起点で取り組む社会課題

Slow Innovation株式会社が主催する「つなげる30人」プログラムとは、ある特定の都市や地域に関わる企業・行政・NPOがセクターを超えて相互に繋がり、信頼に基づいて協働することによって社会イノベーションを起こすことを目指した約半年間のプログラムです。渋谷区から始まったこのプログラムは全国で展開されており、2019年は、京都市のクロスセクターを集めて「京都をつなげる30人」が開催されました。私は、その30人のうちの1人として本プログラムに参加させていただきました。

kyoto30_2.JPG私は"持続可能な地域づくり"に携わる部署に所属しており、自治体の方や地域住民の方と関わる機会が多々あります。そのため様々なセクターの方とコミュニケーションをとり、ビジョンを描き、合意形成をしていく経験は、仕事に活きる力となるだろうと考え、このプログラムに参加することにしました。しかし、取り組むテーマの設定をする段階から、社外の方とプロジェクトを組むような経験がこれまでになかったことから、不安や緊張、何か残さねばならないというプレッシャーを感じながら、初日に臨みました。

最初に、「自分は何をしたいのか?」を考えるため、自分ゴトの課題設定から始めました。なぜなら、スローイノベーションでは、「儲けにつながる良いアイデア」よりも、社会課題を解決するまであきらめない、想いの"強さ"で、粘り強く取り組んでいくことが重要になるからです。
一連のプログラムを経て感じたことは、この「自分が何をしたいのか?」という問いを入り口にすることの大切さです。「会社としてどう貢献できるのか」ということは、プロジェクトを実行するフェーズでは重要な要素となりますが、仮に足りない部分があったとしても京都をつなげる30人の中のリソースを活用してオープンイノベーションで解決方法を検討することも可能です。しかし、本コラム第3回でも取り上げた「強き・善き想い」は、プロジェクトを推進する原動力とも言えるもので、自分が強くコミットしたいと思えるテーマを創り上げることこそ、スローイノベーションを成功させる鍵となると感じたのです。

社会課題解決に粘り強く取り組む素地をつくる

結果として、2つのプロジェクトに所属し、ビジネスモデルを検討しました。1つは、京都のある地域を舞台に、その地に拠点を持つ複数の面白い事業者様を通じ、そこに暮らす人々をつなぎ「この地域が好きだ!」という気持ちを地域住民の間で育んでいくプロジェクトです。もう1つは、気軽にエコに貢献できる仕組みづくりとして、普段使っている紙コップを再生材に変え、資源循環を目指すプロジェクトです。

同じ会社のメンバーであれば、共通理念のもと意思決定を下しやすい環境が整っていますが、スローイノベーションでは、あえてアイデアができる前の段階から、ステークホルダーとコミュニケーションをとり、プロジェクトへ昇華させます。このプロセスの苦しさは想像以上であり、「なぜこのような方法をとるべきなのか」「何のために行うのか」といった議論を繰り返しました。しかし、自分の思い込みや、これまでのやり方に固執している部分などが見えてきたことが、「こんな開発の仕方もあるんだ」という気づきになり、様々なステークホルダーと関係を構築しながら、粘り強く取り組み、プロジェクトを作っていく体験をすることができました。

kyoto30_3.JPGまだ、私自身はプロジェクトの構想の次の実践段階に関与することができていません。しかし、1人では実現が困難なことも、多様なステークホルダーとつながることで挑戦できるかもしれないという兆しを感じることができました。実際に、「京都をつなげる30人」で出会った仲間とは、今も互いの事業の情報共有をして、切磋琢磨しあえる関係となっています。社会課題解決と聞くと、大ごとに聞こえるかもしれない。一人で動いても社会は何も変わらないかもしれない。しかし、動かなければ変わらないことは明確で、今の自分のままでよいからとにかく仲間と一緒に一歩を踏み出してみる。これが社内外の活動問わず大事だと気づけたことが、このプロジェクトに参加した成果だと感じています。

Slow Innovation株式会社に執筆いただいた前回のコラムより:
『...しかし心の中では「プロジェクトはあくまで副産物」という気持ちを常に持っています。なぜなら、社会課題のほとんどは長期視点で取り組まなければ意味が無いからです。その1年で何を達成したかより、継続的にその課題に組織や団体が関わり続けられるかどうかが、最も重要なのです。』

「京都をつなげる30人」プログラムに参加することで、SDGsや社会課題にパートナーシップで取り組むことの在り方を体感でき、数年内に本質的な社会イノベーションを起こすことができる自信を得ました。この輪が、セクターを超えて広がっていくことを願っています。

「京都をつなげる30人」プログラム最終セッションの様子はこちらからご覧ください。

関連情報

tsunageru30.jpgSlow Innovation株式会社では、社会イノベーションの基盤としての「市民協働イノベーションエコシステム」づくりのために、地域内の企業・行政・NPOなどセクターを超えた30人のマルチステークホルダーが協働する地域主導プログラム「つなげる30人(Project30)」を展開しています。2016年渋谷区からはじまった同プログラムは、2020年現在、京都市、名古屋市、気仙沼市へと広がっています。

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執筆者プロフィール

宍倉 惠
アミタ株式会社
社会デザイン事業グループ デザインチーム

大学時代に緑のふるさと協力隊として、1年間農村地域に住み込み地域の暮らし・産業に係るボランティア活動に取り組む。地域コミュニティや自然との共生、循環型の暮らしの大切さを実感し、ビジネスを通して持続可能な地域づくりに貢献したいという思いでアミタに合流。合流後は企業向けの環境戦略支援を経て、現在は、小規模自立分散型の地域づくりに関する新規事業構想・構築に携わる。
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