Science Based Targetsとは?1.5℃目標の設定など、日本企業の取り組み状況を教えてください。 | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載!

環境戦略・お役立ちサイト おしえて!アミタさん
「おしえて!アミタさん」は、未来のサステナビリティ経営・まちづくりに役立つ情報ポータルサイトです。
CSR・環境戦略の情報を情報をお届け!
  • トップページ
  • CSR・環境戦略 Q&A
  • セミナー
  • コラム
  • 担当者の声

Q&A

Science Based Targetsとは?1.5℃目標の設定など、日本企業の取り組み状況を教えてください。

gahag-0089178445

Science Based Targets (以下、SBT)は、科学的な知見と整合する、企業の温室効果ガス削減目標のことです。「科学的根拠に基づいた排出削減目標」と訳されます。温室効果ガスの増加による問題を解決するため、CDP、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、 世界自然保護基金(WWF)が設立した共同イニシアチブ(以下、SBTイニシアチブ)によって提唱されました。

SBTとは?科学的な根拠に基づく目標

環境省Webサイトによると、SBTは以下のように定義されます。

Science Based Targetsは、パリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準(Well Below 2℃)に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの)が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標のことです。

出典:環境省Webサイト「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム国際動向」より

なお、2019年4月に新しいルールが発表され、これまで認められてきた「世界の気温上昇を産業革命前より2℃程度に制限する水準」と整合する目標(2℃レベルの目標)は、2019年10月以降、認定の対象外となっています。また、企業は最初の目標承認日から5年ごとに目標を見直し、必要に応じて再検証することが2025年から義務付けられたことから、現在、「2℃レベル」で目標設定済みの企業は、遅くとも2025年には「2℃を大幅に下回る」または「1.5℃」レベルでの目標再設定が必須になります。

認定取得企業数 日本企業の動向は?

2015年当初8社だった認定企業数は、年々増加し続けており、SBTイニシアチブによれば、2020年3月1日時点で、世界で認定を受けている企業は338社、日本で認定を受けている企業は62社(全体の約2割)となります。

▼SBTの参加表明もしくは認定を受けている企業数(2020年3月1日時点)

世界 日本
SBTへの参加を表明している企業数 479社 26社
SBTの認定を受けている企業数 338社 62社

出典:SBTイニシアチブWebサイト「Companies Taking Action」よりアミタ(株)作成

また、SBTの認定を受けている日本企業62社の内、2020年3月1日時点で、「1.5℃レベル」の目標を設定している企業は4社、「2℃を大幅に下回る」目標を設定している企業は9社となります。今後、各企業も目標変更の手続きを行うと考えられます。

▼「1.5℃レベル」もしくは「2℃を大幅に下回る」目標の認定を受けている企業(日本企業のみ・50音順) (2020年3月1日時点)

認定企業の内、「1.5℃レベル」(1.5℃)の目標を設定している企業数
(4社)
・アスクル株式会社
・小野薬品工業株式会社
・株式会社ジェネックス
・株式会社丸井グループ
認定企業の内、「2℃を大幅に下回る」(Well-below 2℃)目標を設定している企業数
(9社)

・株式会社アシックス
・株式会社安藤・間
・株式会社野村総合研究所
・J.フロント リテイリング株式会社
・清水建設株式会社
・シャープ株式会社
・積水ハウス株式会社
・日本電気株式会社(NEC)
・三菱地所株式会社

出典:SBTイニシアチブWebサイト「Companies Taking Action」よりアミタ(株)作成

いかがでしたか。科学的な根拠に基づいた目標設定は、投資家などのステークホルダーの関心を高めるためにも、重要なテーマです。SBTの認定を受けることで得られるメリットについては、下記の5点が挙げられます。自社の目標設定についても改めて見直しましょう。

SBT認定のメリット

  • CDP等外部評価の向上
  • 新しい技術や事業の推進などのイノベーションを後押しする
  • 化石燃料由来の資源価格の上昇が予測される中で、コストを節約し、競争力を高める
  • リーダーシップをとることで企業の信頼と評判を築く
  • 温暖化政策や規制などの公共政策の変更に備える(もしくは変更に影響を与える)
貴社の環境戦略をともに持続可能なものへ!
アミタの支援サービス「The Sustainable Stage (TSS)」

vision1.png




アミタの支援サービス「The Sustainable Stage」では、廃棄物管理を始め、脱炭素にかかる施策(CDP質問書への回答、SBT、RE100への取り組み・実践体制の構築、支援など)、SDGs、生物多様性、バイオマス発電など企業の持続可能性を環境面から支えるための支援を行っています。アミタの環境戦略支援サービスのご案内は、こちらから。

関連記事

1.5℃特別報告書の内容を踏まえ、引き上げられることになったSBTの認定基準について教えてください。

執筆者プロフィール

ishida_profile.jpg石田 みずき (いしだ みずき)
アミタ株式会社
サステナビリティ・デザイングループ マーケティングチーム

滋賀県立大学環境科学部を卒業後、アミタに入社。メールマガジンの発信、ウェブサイトの運営など、お役立ち情報の発信を担当。おしえて!アミタさんへの情熱は人一倍熱い。

無料メールマガジン登録はこちら

ご依頼・ご相談はこちら

このページの上部へ