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読まれるCSR報告書を作るポイントを教えてください。

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まずはターゲットとする読者の設定を見直しましょう。
数あるステークホルダーの中で誰に焦点を当てているかによって、報告の内容(見せ方)が変わってきます。また、読み手が誰であっても読みやすい報告書を意識することも大切です。

読者はどうやって設定されるのでしょうか?

読者の設定は、報告書を発行する目的と手段を整理することから始まります。あなたが報告書を発行するにあたり重きを置いているのは「組織の運営強化(社内向け)」でしょうか。それとも「事業拡大(社外向け)」でしょうか。もし「組織の運営強化」であるならば、その方向性は主に2つあります。1つは、ビジョンの共有(社員へのCSRマインドの浸透)、もう1つは、PDCA(※1)による改善、すなわち社員の参画を促すことです。想定読者が社員で、ビジョンを共有したいのであれば、報告はイメージに訴え、マテリアリティを明確に示すことが必要でしょう。また、同じく想定読者が社員であっても、PDCAに社員を参画させることが目的であれば、参画してほしいPDCAのデータを網羅して挙げ、その取り組みを伝えましょう。

一方、発行の目的が「事業拡大(社外向け)」の場合はどうでしょうか。その方向性として「事業のプロモーション」と「監査対応」が挙げられます。「事業のプロモーション」が目的であるならば、イメージ図などを用いてマテリアリティを特定することで、どの事業が注力されているのかが顧客に伝わるでしょう。想定読者が社外向けであっても主に「監査対応」のために発行するのであれば、データの信頼性と網羅性に注力すべきです。

(※1)PDCA
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善すること。

読みやすい報告書とは?

Some_rights_reserved_by_Foreign_and_Commonwealth_Office.jpg読者の設定は重要ですが、同時に、読者が誰であっても読みやすい報告書を作ることにも配慮しましょう。読みやすい報告書のポイントは多々ありますが、以下に一部をご紹介します。

  • ストーリー性をもたせる

単に活動内容を並べるのではなく、経営計画や事業内容と絡めて報告することで、一貫したストーリーとなります。製品やサービスも単に並べるのではなく、バリューチェーンの位置づけを意識したり、分野別の売上構成比などと連動させたりしましょう。

  • 文字を少なく、写真などでわかりやすく

わかりやすくすることは当たり前だと思われるかもしれませんが、文字ばかりの報告書はいまだに多く見受けられます。文字は控えめに、専門用語には注釈を入れて、専門家でなくても理解できるように心がけましょう。写真やイラストを適度に取り入れることで、読むきっかけになりますし、読み手の理解も深まります。社員の写真が多くあると、読み手に親近感がわき、読み進めてもらえる可能性が高いです。

  • インデックス

GRIガイドラインやISO26000などの対照表を掲載することで、読者が読みたい内容にすぐにたどり着くことができます。例えば、ある企業の報告書の参照ガイドラインがGRI第4版であり、巻末に対照表が掲載されていたとして、読者が「この企業はサプライチェーンにどのような環境影響を及ぼしているのだろう?」と思った際に、対照表の特定標準開示項目のカテゴリー:環境の「サプライヤーの環境評価」から逆引きすれば、その企業がどのような取組をしているのかを把握することが可能です。

以上のようなポイントは、競合他社の報告書の分析にも役立ちますので、ぜひそのような視点で他社の報告書も読んでみてはいかがでしょうか。

画像:Some rights reserved by Foreign and Commonwealth Office

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執筆者プロフィール

mr.asai_001.png浅井 豊司 (あさい とよし)氏
株式会社フルハシ環境総合研究所
代表取締役所長

フルハシ工業株式会社(現・フルハシ EPO 株式会社)に入社。2001 年、創業メンバーの一員として フルハシ環境総合研究所を設立・転籍。2006 年より東京事務所長、2011 年より代表取締役所長就任。 設立当初はゼロエミッションに関するコンサルティングや廃棄物管理に関する社員教育を担当。その後、 環境マネジメントシステム・LCA(ライフサイクルアセスメント)・廃棄物リサイクルガバナンス・環境コ ミュニケーション・MFCA(マテリアルフローコスト会計)・環境教育・環境事業開発についてコンサルテ ィング・調査研究を行っている。

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