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ISO20400とはなんですか?企業活動にどのような影響が予想されますか?

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持続可能な調達(Sustainable procurement)に関する規格です。現在国際標準化機構(ISO)で開発が進んでおり、2016年1月現在(DIS)の段階です。順調に進めば2017年に国際規格として発行される見込みです。

※ISOの規格案はNWI(ニュー・ワーク・アイテム)、WD(ワーキングドラフト)、CD(コミッティドラフト)、DIS(ドラフト・インターナショナル・スタンダード)の順に各段階で審議を経て、最終的にIS(インターナショナルスタンダード)になります。

ISO26000を調達行為に展開する位置づけ

2010年11月に組織の社会的責任に関するガイドライン規格ISO26000が発行されました。これにより組織は、サプライチェーン、バリューチェーンに対しても製品・サービスとその過程においても社会的責任を果たすべきことが定められました。
参考:「影響力の範囲」

ISO20400がテーマとする「持続可能な調達」の定義については現在も議論がなされていますが、法・倫理・環境・人権などの社会的責任の観点も含め、将来にわたって持続可能である調達活動と考えられています。例えばサプライチェーンを通じた環境負荷の最小化なども1つの例です。

ISO20400はISO26000同様にガイドライン規格で検討が進んでおり、認証規格やマネジメントシステム規格ではありません。社会的責任に関する包括的な規格であるISO26000(2010年発行)に含まれている内容の実践・普及を、サプライチェーン全体に展開するための規格と位置づけられています。

企業活動におよぼす影響

規格の詳細についてはまだ審議中ですが、グローバル企業中心に自社の購買調達方針を見直すことが予想され、CSR・グリーン調達(購買選定基準に社会性・環境性の観点を入れて判断する)が推進されるでしょう。バリューチェーンは商流の全てを含みますので、例えば企業の廃棄物処理委託先選定でも社会性・環境性の観点が強化されていくでしょう。

■調達側として想定される対応

  • 購買調達方針に社会性・環境性の評価軸を追加
  • CSRレポートや統合報告書でのCSR・環境監査報告等を強化
    (廃棄物管理でいうと現地確認に組織の環境・社会に関するヒアリング項目追加など)
  • ISO28000(サプライチェーンのセキュリティマネジメントシステム)などの取得検討
  • サプライヤーに対してトレーサビリティ確保を要求

※トレーサビリティ(traceability)...物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態

  • 資材調達から廃棄物処理委託まで、購買調達業務の社内一元化や、信頼性の高い組織へのビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)
  • 「持続可能な調達」に関する社内教育の強化

■供給側として想定される影響

  • 販売先(特にグローバル企業や大企業・自治体)からCSR・環境についてのアンケートや監査が増加
  • 環境認証(FSC(R)/PEFCやMSC/ASC 等)の取得依頼の増加

2020年までには発行されている可能性が高いため、東京オリンピックの調達方針はISO20400が適応される初のオリンピック(冬季は除く)となるかもしれません。

関連情報

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アミタの支援サービス「The Sustainable Stage」では、廃棄物管理を始め、脱炭素にかかる施策(CDP質問書への回答、SBT、RE100への取組み・実践体制の構築、支援など)、SDGs、生物多様性、バイオマス発電など企業の持続可能性を環境面から支えるための支援を行っています。

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